有名なデザイナーであるチャールズ・イームスは、かつて「細部こそがデザインを作る」と語っています。
グラフィックデザイナーたちはこの言葉に共感し、芸術と、機能的な目的を持つデザインの橋渡しをしています。彼らはいくつもの制約の中で何とか芸術性と機能性を融合させ優れた製品を作ろうと模索しています。彼らの探求するグラフィックデザインとは一体何なのでしょうか?その世界を少し見てみましょう。
そもそもグラフィックデザインとは?
グラフィックデザインとはいくつかの方向に分かれた交差点に横たわる人間活動の領域として言い表されます。主なものにビジュアルアート、コミュニケーション、心理学があります。
グラフィックデザイナーの基本的な仕事は、異なるスタイルの画像要素、フォント、色、線などをを使った他者とのコミュニケーションです。デザイナーはこうした要素によって伝達される視覚的な認識を利用してメッセージを伝え、機能を作り出します。言い換えれば、グラフィックデザイナーとは純粋な芸術ではなく、目的を持ったコミュニケーションの芸術を利用する芸術家であるのです。
現代のグラフィックデザインは人間生活のあらゆる領域をカバーしており、書籍からポスター、モバイルアプリ、3Dアニメまで幅広く利用されています。
グラフィックデザインの方向性
近年のグラフィックデザインは非常に広い領域で使用されています。イラストからブランドアイデンティティ、アイコン、ピクトグラム、タイポグラフィー、インターフェース、印刷広告、ポスター、ビルボード、看板、パッケージなどあらゆる場所で見ることができます。しかし基本的な目的はどれも共通です。芸術を利用して特定の目的を達成するためにグラフィックデザインは存在しているのです。
デジタル機器でのグラフィックデザインはますます技術的な面を強めています。ただ美しいだけでは不十分で、ユーザーを助け、導き、案内するものに仕上げなくてはなりません。そして同時に、問題の解決を提供する必要があるのです。
優れたグラフィックデザインはただ美しいだけでなく、ユーザビリティを向上させ、ブランドの価値を高め、快適なUXを提供することができます。問題を解決し、人々を幸せにするという目的を達成するために芸術性と機能性を融合させることがグラフィックデザインなのです。
※本記事は、Directions of User-Friendly Graphic Designを翻訳・再構成したものです。