Google Analytics は上手に使いさえすれば、WebサイトのUXを向上させる上できわめて強力なツールとなり得るものです。
しかし上手に使うのが案外難しいツールでもあります。
そこで本記事では、アナリティクスのポテンシャルをフル活用するためのヒントをご紹介します。
参考記事:Googleアナリティクスを使いこなそう!
・「そこってクリックできたの…?」Googleアナリティクスの「知られざる機能」7選
・Google Analytics10周年、人気機能トップ10などを発表
1.最終的な目的を意識する
Google Analyticsの登場で膨大なデータを集めることが可能になりましたが、明確な目標や分析方針を持たずにデータの山に埋もれてしまうアナリストは少なくありません。
フィルタや視点を切り替えれば何らかの発見はあるかもしれませんが、闇雲にやっても成果はでません。事前にステークホルダーと打ち合わせをして、事前に知りたいことを整理してリスト化するのが個人的におすすめです。
2.発見した事実が必ずアクションにつながるようにする
分析した結果を踏まえた上で、ウェブサイトを改善して初めてデータは役立ったと言えます。データから課題や問題点を洗い出して終わりにするのではなく、必要に応じてユーザビリティテストやABテスティングを行って、生産的な活動に活かすことを意識しましょう。
3.アクションに優先順位をつける
やるべきことが見えてきたら、今度はアクションに優先順位をつけます。そのアクションをとるのに必要な「時間と労力」、サイト改善への「効果」を画像のように整理してみましょう。真っ先に取り掛かるべきなのは少ない労力で効果の大きいものです。影響力はあるものの「時間と労力」が必要なアクションは長い目で検討してみましょう。
4.時間的な傾向を比較してみる
学校の夏休み期間中は博物館のサイトへのアクセスが増える傾向にあるように、データの抽出された時期や時間帯が分析結果に影響している場合があります。Google Analyticsにはアノテーション機能がついているので、データに影響しそうなイベントや行事等、特定の日にちに注記しておけば分析しやすくなります。
5.サイトのゴールに対してバリューを与える
サイト内で達成されたアクションに対して、金銭的な価値を与えて考えてみましょう。例えば、サイト内で2千円のチケットが売れれば、サイトの訪問者にチケットの申し込みフォームを記入してもらう価値が2千円ということになります。具体的な数字を与えることによって、ステークホルダーにも何にいくらの効果または損失があるのか伝わりやすくなります。
6.関係者のアクセスは除外する
分析を行う上で忘れてしまいがちなのが、ターゲットオーディエンスに含まれない内部のステークホルダーのアクセスデータを除外することです。Google Analyticsには特定のIPアドレスからのアクセス情報を取り除いてくれるフィルタがあるので、必要に応じて設定してみてください。
7.セグメントは詳細に設定する
特定のユーザ層について分析したい時、分析対象を細かく具体的に指定してフィルタをかけることが可能です。画像では例としてIEの旧バージョンで買い物をしたお年寄りのセグメントを作成しました。ここまで細かい分析を行う機会はあまりないかもしれませんが、Google Analyticsの進化を象徴する機能ではないでしょうか。
8.サイト内検索にも注目してみる
見過ごされがちなサイト内検索の分析ですが、これは自分とユーザの認識の違いを知る絶好の機会です。ユーザと自分でキーワードの言い方や表現が違っていたり、ユーザが何を求めてナビゲーションやホームページを見ているのかが分かったりします。ナビゲーションやコンテンツに足りないものがないか、見直してみる良い機会にもなるので試してみてください。
9.定期的な報告にはダッシュボードを活用する
ある程度の頻度でステークホルダーに報告しなければならない場合は、Google Analyticsのダッシュボードを活用してみましょう。概念自体は決して目新しいものではありませんが、アプリケーション内で簡単に作成できるのは大きな魅力です。
データを羅列するのではなく、記事の冒頭で説明したようにステークホルダーの「知りたいこと」に対して答えを提供するつもりで作成しましょう。
10.分析だけで終わらない
シンプルですが、分析が目的そのものになっては本末転倒です。ウェブ分析のツールで素早く簡単にデータを集められるようになりましたが、アクションなきテータ集めは誰のためにもなりません。きちんとアクションや改善につなげましょう。
※本記事は、Google Analytics Tips for UX Researchを翻訳・再構成したものです。