テスティングはUXデザイナーの仕事のファンダメンタルなパートをなしています。
デザインの段階では予見できなかった問題や難点を取り除くために、それは不可欠だからです。
本記事では、ユーザ・テストを効率的に実施するためのコツを10点まとめてみました。
1・なるべく早くテストする
テストを早期に行うことで変更を加えやすくなり、製品全体の品質も向上します。製品の完成を待たずとも、参加者にどんな点に着目してほしいのかを伝えれば、デザインモックアップやプロトタイプのテスティングも行って大丈夫でしょう。
2・テストの目的をはっきりさせる
自分が何を知りたいのかをしっかり把握して、必要な質問だけ用意しましょう。このテスティングに自分はどんな情報を求めているのかを意識してから、ユーザテスティングの準備に取り掛かりましょう。
3・自由回答型の質問にする
はい/いいえでしか答えられない質問や選択肢型の質問など、答えが限られてしまうような質問よりも自由に回答できるものの方がおすすめです。思いもよらなかった意見やユーザの本音を聞き出しやすくなります。
4・デザインをダイナミックなプロセスとして扱う
デザインをユーザ調査→プロトタイピング→テスティングという一方通行の流れとしてとらえているデザイナーは少なくありませんが、実際は製品デザイン→開発→ユーザテスティングというループを繰り返し行ってプロジェクトを進めていくというのが理想的です。
5・リアルなユーザでテスティングする
家族や友人だけでなく、テスティングの結果が偏らないような第三者も対象にしましょう。時には製品について何も知らないような人にも試してもらって、分かりにくい箇所を把握する必要もあるでしょう。
6・ユーザにタスクを意識させる
ついついユーザに製品についてどう思ったのか訊きたくなったり、エレメントの一つひとつを評価してもらいたくなったりしますが、実際に製品を使ってもらうよう働きかけるような質問をした方がよりリアルなフィードバックを得られます。(ホームページにたどり着いたときにまずどこをクリックしますか?など)
7・ユーザを観察する
ユーザの話を聞いたり反応を観察したりすることはフィードバックを得るのに効果的な手段ですが、UXデザイナーの多くが聞くことに重点を置きすぎているように感じます。相手を観察することで、短時間でより多くのことが分かる場合もありますよ。
8・それぞれのプロセスにチーム全体で関わる
テスティングにチーム全体で関わることで、一人ひとりがユーザの立場に立ってユーザビリティの問題を把握することができます。たとえ全員でその場に参加するのが難しくても、ビデオでテスティングの様子を記録したり、メモをとったりすることで内容を共有しやすくなります。
9・量より質で考える
コストや時間を気にして製品のテスティングをしなかったり、発売後にテスティングを行ったりする企業もありますが、これは大きな間違いです。NNグループの調査によると、5人のユーザを対象にテスティングを行うだけでユーザビリティの課題の85%が把握できることが分かっています。
10・一度に全てを解決しようとしない
いちばん重要な課題から取り組むようにして、改善とテスティングを繰り返していきましょう。できることをやって、発売後にフィードバックを集めながら適宜改善・調整していくのが理想的です。
※本記事は、10 Simple Tips to Improve User Testingを翻訳・再構成したものです。