アバターとは、画面上でユーザーの分身となるものです。一般的なユーザーインターフェース(以下UI)の要素の一つで、ビジネス用アプリやSNS、ゲームで用いられています。
サイズは小さいですが、アバターは大きな力を秘めています。
「アバターは、つながりを作る」
ユーザーと製品、そしてユーザー同士のつながり。優秀なアバターは製品体験に人間味を持たせることができます。
機能的な目的
他のUI同様、アバターには、意思疎通のプロセスを簡素化するという機能的な目的があります。一つ目は、画面のスペースの節約。見た目の乱雑さを軽減するために、デザイナーは文章の代わりに映像を使います。二つ目は、理解力の改善。ユーザーは文章ではなく映像に頼ってその人物を見極めます。
より良いアバターのためのアイディア探し
最適なアバター=ユーザー自身の写真であるということは明白です。しかし、持っていないときはどうしたらよいのでしょうか。答えは簡単です。 ― プレースホルダーを使えばよいのです。多くの場合、デザイナーはプレースホルダーのような一般的なアバターを使います。それらは、○△□のような基本形状を使って作られます。例えば下記のように、二つの楕円形(小さなものと大きなもの)を使います。
しかし、一般的なアバターはUIにとって大事なものが一つ欠けています。視覚的な個性、つまり他のものと比べ目立たないことです。
では、より良いアバターを作るための6つのアイディアを紹介します。
1.イニシャル
ユーザーのイニシャルをシルエットの代わりに使用します。これは、多くのメールアプリで用いられています。
シルエットの代わりにイニシャルを使います。
また、それぞれのユーザーが独自の色を使うと、この手法がより活きてきます。
イニシャルと独自の背景色を使います。
イニシャルは個人を識別する役割を果たす一方、同じイニシャルを持つユーザーに出会ってしまうこともよくあります。
2.イラスト
イラストは写真の代わりとして最適です。上手なイラストが描ければ、あなたのオリジナリティーをアピールできます。
あらかじめ決められたリストの中からイラストを選ぶより、アプリ上のアバター作成ツールを使うほうがよいでしょう。そうすることで、それぞれのニーズに合わせてアバターをカスタマイズできます。
3.動物
Googleは、アバターを使用しない問題に対し、強制的な解決策を見つけました。写真やイラストを使う代わりに、Google Docでは、文章閲覧権限のないユーザーに対し、特定の動物を割り当てています。
Google Docでの匿名ユーザー
さらに、運がよければ有名なニャンキャットを見ることができます。
しかし、動物をアバターとして使用する上での難点があります。ロバやカメを使うと、中には個人的に攻撃されていると思うユーザーもいるため、これらは避けたほうが良いでしょう。
4.絵文字、顔文字
笑顔は嫌な気分を吹き飛ばしてくれるでしょう。科学者の研究で、わざとらしい笑顔でも周りの人の気分が良くなることが分かっています。笑顔マークは、製品をより感じよく近づきやすいものにしてくれます。アバターの代わりに親しみやすい顔を使うことは、ユーザーエンゲージメントを高めることに繋がるのです。
Dropboxのアバター
優れた笑顔マークを使えば、ユーザーがより興味を持ってくれるでしょう。
5.ブランド要素
アバターはブランド識別の要素になり得ます。スナップチャットのおばけは、ブランドパーパスのためにアバターが使われた代表的な例です。おばけのシルエットは、ユーザー自身が写真を追加する前にプロフィール画像として使われています。
スナップチャットのインターフェース
6.ミーム
ミームを使えば、ユーザーインタラクションに簡単に楽しさを加えられます。9GAGはユーザーのアバターにポップな画像やミームを使っていることで有名です。
9GAGのアバター生成プログラム