Eコマースとは?
Eコマースとは、簡単に言えばオンラインで買い物をすることです。実際の商品やサービスが購入出来て、金銭や情報の授受もスムーズに出来ます。Eコマースのプラットフォームで一般的なのはオンラインショッピングですが、ドロップシッピング、定期購読、デジタル製品(オンライン書籍、eラーニング、メディア)、サービス、クラウドファンディングなど他にも様々なものが存在します。
今回Eコマース商戦についてまとめたのは、そこにユーザーの力が大きく作用しているからです。彼らの考えや決定が全てではありませんが、ニーズや目的の異なるユーザー同士をグループ化し、多様性を生むチカラがそこあります。ゆえに、デザインへの取り組みから得られた情報を元に、ユーザーを理解することが先決なのです。UXがうまく設計されていないとEコマースの予算に膨大な損失が出るということが、調査では明らかになっています。
そこで、主に2つにフォーカスを当てたいと思います。1つはEコマース業界におけるUX開発のメリット、もう1つは起業家とデザイナーがEコマースのプラットフォームを設計する際に必要な共通認識についてです。
Eコマース業界におけるUX開発のメリット
ユーザーの満足度は、製品の人気に直結しています。ユーザーの人気がないために消えていく製品は、全体の約70%です。Experience Dynamicsのレポートによれば、ユーザーにマッチしたウェブサイトを持つEコマースは売上も上昇し、かなりの範囲でコストの削減にも繋がっているようです。デザインを第一優先に考えた企業はどこも、売上は30%アップ、ユーザーの離脱率は50%減少したそうです。またユーザーの86%は、ウェブサイトより使いやすいという理由からアプリの方を好む傾向にあることがレポートで分かっています。UX開発のメリットを、さらに具体的に見ていきましょう。
収益とコンバージョン率のアップ
研究結果から分かるように、UX開発のために使われたペニー硬貨は全て、100倍になって返ってきています。ROIはなんと、9900%です!Eコマースに投資する企業は購入やサポートのコストが少なく済み、顧客の確保やマーケットでの情報共有も活発に行われています。決済フローがとても便利で簡単なので、買い物の支払いがよりラクになり、移動中でも操作することが出来るようになりました。つまり、コンバージョン率のアップに繋がっている!ということです。最大でモバイル端末の場合は105%、デスクトップ端末の場合は85%アップしています。
顧客満足度アップとロイヤリティの向上
デジタルUXの設計は、ユーザーを集めるだけでなくその後も彼らの興味を保ち続けるために存在します。前向きなUXを設計することで、忠実さ、つまりブランド大使としての自覚を顧客に築かせます。優れたデザインを持つEコマースは、水面下でのサポートや迅速な対応力でユーザーを確保しています。このように、マーケティングコストを削減してコンバージョン率を上げることはいくらでも可能です。
電話サポートの改善
今日の人々は問題解決を急ぐ傾向にあり、移動中でも関係ありません!Eコマースの窓口としては皮肉ですが、これは時に軽視されがちな問題でもあります。消費者サポートに多額の費用を投資する一方で、長時間待たされているユーザーにはだいぶストレスが溜まっています。情報の優先順位が整っていて適切なナビゲーションサポートの備わったアプリであれば、効率や効果の面でもより素晴らしいUXを提供してくれるでしょう。
開発ロスの削減
ユーザー第一のデザイン設計は、確かに開発コストの削減やプロジェクトの損失を防ぐためには効果的です。EコマースのUXをリサーチすることで、デザインにおける疑問の解決や目標に対する基盤の設定を行うことが出来ます。デザインプロセスの異なる段階で、製品の機能性やターゲットとなるコンテンツの認知を判断するためには、ユーザー調査とユーザーテストが行われます。その結果、発売後の改良やバグの修正が少なくとも25%減少します。
UX開発の投資において抱える疑問
仮にデザイナーという立場でない、もしくはサイトやモバイルのデザインに何が必要かよく分からない場合は、どうしたらいいでしょうか。デザイン会社に依頼する際に、頭に入れておくべきUXの基本ルールをいくつか見てみたいと思います。
ターゲットユーザーの把握
オンラインショッピングのカギを握るのはユーザーであることは分かりました。そこで考えるべきなのは、彼らのニーズ、欲しいもの、好み、購入履歴です。ユーザー中心に物事を考えていくためには、適切な問いかけをしなければなりません。ユーザーの考え方を探るためには、次の2つが効果的です。
第1リサーチ
第1リサーチとは、実際の見込みユーザーと対面してまず情報収集をすることです。この手のリサーチは時間もコストもかかりますが、より新鮮な目で物事を見つめ、水面下に隠れた可能性を見つけ出すことが可能です。ユーザーの共感を得るだけでなく、デザインを決定するヒントにもなります。そのために抑えるべきポイントがいくつかあります。
1.商品に対して、ユーザーが一番大切にしているものは何でしょうか?一番優先すべき機能を決定する手がかりとなります。結果的に、商品の改善やビジネス全体の売上にも大きく影響する部分です。
2.ユーザーはどれだけ商品を理解しているでしょうか?また、それは何故でしょうか?消費者の認識を確認することで、ブランドの価値を再確認することが出来ます。
3.商品は、ユーザーの期待に常に応えているでしょうか?答えがノーなら、それは何故でしょうか?これらの疑問に向き合うことでデザインの方向性がしっかりし、課題解決の兆しが見えてきます。
4.ユーザーが商品をどのように取り扱うか、注目してみてください。彼らがどのメディアを主に使用するかが分かれば、ターゲットユーザーが好んで使用するテクノロジーを大まかに予想することが出来ます。
第2リサーチ
第2リサーチとは、主に第1リサーチの補助的なものであって、同時に行われることが多いです。最新のトレンド、競合他社、テクノロジーを調査することで、これまでの研究を活用してユーザーの気持ちを理解することに役立ちます。マーケットの状況や消費者の行動を、全体的に把握するのに便利です。EコマースにおけるUXを調べるには、次の質問が有効です。
1.競争相手は誰か?業界での位置付けは?競合他社を分析し、マーケットの活躍に役立てましょう。
2.どのエリアでリサーチを行うか?対象となるグループの人口はどのような構成か?
3.どんな民族が存在しているか?その文化で大事にされていることは何か?
4.他の調査ではどのようにカテゴリ分けがしてあるか?例えばNeiselとNormanの2人は、消費者の購入履歴から5つのタイプに分類しました。プロダクトフォーカス、ブラウザ、リサーチ、バーゲン、ワンタイムショッパーといった具合です。
技術面での新たな取り組み
インドのネットユーザーな4億7500万人にも上り、人口全体の約40%です。人口は世界で2番目に多いのですが、主要な大都市に比べると
E コマースへの参入はまだまだ低いです。この市場が成長していくにつれ、E コマースに携わる方はインドの抱える第2層、第3層の技術問題に対処しなくてはなりません。
1.第2都市や地方エリアの研究を重ね、ユーザーの行動を理解する必要があります。
2.他にも、消費者の利用するインターネット帯を知っておく必要があります。アプリがどの程度の重さに耐えられるかの判断材料になります。また、Progressive Web Appsのような新しい技術を導入するかどうかにも関わってきます。重いデータやマルチメディアなどは、アプリ内でサイズが縮小されます。
3.簡単で効率的なコミュニケーションシステムは、スムーズなフィードバックに必d要不可欠です。
4.最もよく利用されているのは代引きのシステムですが、個人情報や決済情報を提供するのに抵抗のあるユーザーはどのように解決すべきでしょうか?
ユーザーのニーズをビジネスと照らし合わせる
ユーザーのニーズを理解することとは別に、ビジネスを正しい方向へと導くこともまた重要です。お互いにwin-winとなる解決策のために、疑問となっている部分をいくつか振り返ってみましょう。
まず、現在のビジネスモデルは何か?B2B、B2C、C2C、C2Bのどの形態をとっているのか、サービスの提供先であるユーザーも含め、一度考え直してみましょう。この作業は、新規顧客と見込み客の把握に大変便利です。
次に、商品の提供する価値とは何か?これは、商品に対して正しい戦略を打ち立てるのに必要な要素です。例えば、Myntraは洋服に特化したオンラインショッピングですが、一方Urban ladderではプロダクトのカギとなるセグメント家具が売りです。
そして、プロジェクトの目標は何か?長い目で見るなら、支出に対するUXの到達目標を直ちに設定する必要があります。コンバージョン率アップや売上の増加、サイト離脱率の減少や消費者のロイヤリティを生み出すことが主に挙げられます。
そして、現時点でビジネスにとって見込みのあるユーザーは誰か?オンラインマーケットにおける売上は完全にユーザーに依存するので、彼らの存在は業界の中心となっています。従来の方法で見通しは立っていません。つまり、消費者には何か特別で真新しいものを提供し続けなければならないということです。
目に見えないチャンス
研究を重ねることにより、新たに見えてくることやシステムもあるでしょう。そのためにも、常にアンテナを張り巡らせて適切な疑問を持ち続けることが重要です。チャンネルやウェブサイトが1つしかないよりも、複数にまたがるオムニチャンネルの方がより効果的です。実際、買い物をする側はどこで購入するかよりもその商品を買うことの方に意識が向いています。理由はさまざまですが、ウェブサイトと実店舗の両方を比べるユーザーも中にはいます。
コンバージョンの観点からすると、オンラインとオフラインの両方のチャンネルを持つのは良いことです。大抵のユーザーは、衣類や家具は特に、自分の欲しいものと合っているか本物を確かめたいはずです。好みのものが決まったら、実際の店舗で支払いをするよりもオンライン決済をする方がはるかに楽です。ZivameやPepperfryをはじめとするあらゆる企業は、このように複数のチャンネルをうまく使い分けています。言葉たくみに消費者を操り、顧客を失わないようにしているのです。
まとめ
EコマースにおけるUX/UIデザインのカギは、自分自身に正しく問いかけることである、というまとめでこの記事を締めくくりたいと思います。自分のビジネス、提供する商品、ターゲットの要望を理解することで、デザインの方向性が見えてくるでしょう。