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【Webデザインの基本】ユーザの積極的関与を引き出す!「感情的デザイン」の基礎的な考え方

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私たちの身の回りにあるものはすべて何らかの形でデザインされたものであり、人はそのデザインに接することで特定の反応を示したり感情を体験したりします。

UX業界では昔から「どんな商品とのインタラクションでもUXの有無に関わらず何らかの体験(感情)が生まれる」と言われていますが、私たちは毎日のように商品によって好意や嫌悪、喜びや苛立ちといった感情を引き出されているのです。

さらに詳しく説明すると、UXデザインは「ユーザがインターフェイス、商品、サービスに対してどのように関わり反応するか」と定義されますが、この「反応(レスポンス)」が感情です。

つまり「感情的」デザインとは、商品のデザインやインタラクションがユーザにどう影響するかを考えることなのです。

本記事では、この「感情的」デザインによってユーザを惹きつけるための、基本的な考え方を紹介したいと思います。

 

 

感情的デザインとユーザ評価

 

マズローの欲求階層説のように、感情的デザインもその構成要素のヒエラルキーをピラミッドで表すことができます。

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機能的かつ魅力的なものほど、消費者から高い評価を受ける傾向にあります。

例えば1990年代のはじめ頃、日本人の研究者がATMのレイアウトとユーザビリティ評価がどう関係しているのかを調査しました。

調査に使われたATMは、インターフェイスは違ってもすべて同じ機能だったのですが、使いやすいATMほど被験者から「優れていた」という評価を受けました。

つまり惹きつけられるような魅力的なデザインの商品ほど、消費者からは高く評価されたり、ちょっとした不都合があっても顧客満足に響くことなく見逃してもらえたりするのです。

 

また、デザインを通じて体験する感情は私たちの脳の働き方にまで影響してきます。

ネガティブな体験をすれば悪いところにばかり目が行くようになり、必要以上に敏感になったり視野が狭まったりするのです。

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感情的デザインに失敗するとユーザは離れていってしまいますが、逆に良いデザインを提供すればユーザに安心感を与え、高い評価を得ることができます。

 

 

ポジティブな感情を引き出してくれるデザインとは?

 

これまでの製品というのは必ずしもインタラクティブではなく、一方通行のつまらない機械に過ぎませんでした。

例えば車はただの移動手段を提供してくれるモノでしたが、今では話しかければ応えてくれます。

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リモコンを通して操作するだけだったテレビや音楽プレイヤーも、今では私たちにアプリなどを通して情報提供してくれます。

モノとコミュニケーションをとるようになったことで、より人間らしい製品体験ができるようになりましたが、底にはネガティブな感情を体験してしまうリスクも存在しています。

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では、ユーザにポジティブな感情を体験してもらうにはどうすれば良いのでしょうか。

 

方法のひとつが調査と試験を繰り返して、感情を含めたエクスペリエンスを1からデザインすることです。

入念な試験と調査を行うことで、ネガティブな感情を与えうる不便さや欠陥を浮き彫りにし、それをポジティブな製品体験につながる工夫に改良することができます。

もう一つ意識すべきなのが、直観的デザイン、行動的デザイン、内省的デザインというデザインの3段階についてです。

 

直観的デザイン

「欲しい、買おう」という商品に対する直観的な好印象を引き出すようなデザインは、信頼や品質などの評価を高めてくれます。

 

行動的デザイン

行動的デザインは構造やシステムがいかにユーザのニーズや要求に応えているかに着目したものです。何かが予想通りに動かないとネガティブな感情につながってしまいますし、逆にユーザの期待にしっかりと応えることができれば満足してもらうことができます。

 

内省的デザイン

自己満足や充足感につながったり、思い出の一部になったりするようなエクスペリエンスを提供することで、商品に愛着を持ってもらうことを目指したデザインです。

 

 

まとめ

 

当たり前かもしれませんが、感情的デザインを成功させるには、商品に何らかの形で感情的なつながりを持ってもらう必要があります。

このつながりを如何に継続させるかに企業やブランドは苦心し、商品に個性や充実したインタラクション、そして何よりも「リアルさ」を持たせようとしているのです。

 

同様に、デザイナーもまた、自分の作ったものを有意義で成功したものにしたいなら、同じような感情的つながりを作る必要があるわけです。

要するに、プロダクト・デザインとはプロダクトに「人格性」を与えることなのです。

 

顧客のモチベーションや振舞いを理解し、効果的な感情的デザインへと活かすことが、難しくはありますが、真にユニークなデザインを作ることにつながり、また理想的なUXを実現するために決定的な役割を果たすことになるはずです。

 

ぜひこの記事を参考に、今後の「感情的」デザインを考えてみてください。

 

 

(※本記事は、を翻訳・再構成したものです)

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