「デザイナーの面接」と言うと、ポートフォリオがまず頭に浮かびますが「私のポートフォリオはこれです。あとはこれ見て判断してください」だけではちょっと物足りないかもしれません。
もちろんデザイナーにとってのポートフォリオの重要性はここで改めて強調するまでもありませんが、「履歴書」のほうでは何をアピールすればいいのでしょうか?ここでは採用担当者が「グっときてしまう」デザイナーのキャリアに関する10のポイントをご紹介します。
【1】問題解決力
デザイナーは毎日なにかしらの問題を解決しています。この問題解決力がいいデザインを生むポイントとなり、またビジュアル面から他者とのコミュニケーションを生むものでもあります。
この問題解決力を履歴書でアピールするには、自分が携わったプロジェクトの「事例」を出すのが一番です。どのような問題に直面し、チームとアイデアを練り、問題解決に当たり、優れた制作物を生み出したか、を説明することで自身の問題解決力を伝えることができるでしょう。
【2】マーケティング力
マーケティング力はそれなりの知識が必要となりますが、SEOの基本的なコンセプトだったり、広告手法、ターゲッティングの方法などはデザイナーとしても知っておく必要がある知識です。
もちろん専門家にまでなる必要はありませんが、論理的にこれらのコンセプトから外れずに話し、理解できる程度の知識があれば「この人わかってるね!」という評価になるでしょう。
【3】印刷に関する知識
大半のクライアントはデザインに関する多種多様な要望を抱えています――Webサイトの制作を依頼したデザイナーに企業パンフレットもデザインしてほしいと相談するように。
最近のデザインはWebに偏りがちなところがありますが、「印刷」の需要がなくなったわけではありません。印刷に関する知識があれば、アピールしていきましょう。
【4】Webデザインの知識
もし紙媒体のデザイナーなら、Webデザインの知識をもっていることはアピールポイントになります。プログラミング言語、CMSや関連ツールを使いこなせる知識は現場で重宝されます。
【5】HTMLの基本的な知識
HTMLのコーディングの知識がどれくらい必要なのかは就くポジションによって異なりますが、今日の求人市場において重要度は高いです。
デザインのスキルがあるがHTMLの知識がない求職者より、デザインがいまいちでもHTMLの基本的なコーディングができるデザイナーのほうが評価が高くなる場合もあります。HTMLを読めるのか?簡単なものならコーディングできるのか?CSSも触れるのか?は履歴書に書くようにしましょう。
【6】ソフトウェア
デザイナーとして、デザイン関連のソフトが使えることはもはや必須と言ってもいいでしょう。Adobe Create Suiteあたりが一般的なソフトウェアとなりますが、そのツールセットの中でよく使うもの(PhotoshopなのかIllustlatorなのか)を履歴書に書いておきましょう。
【7】SNSとネットワーク
最近では(公開されているなら)求職者のSNSの活用状況をチェックする採用担当者も一般的になりつつあります。それはネットワークを構築する能力とか、SNSで発信しているデザインに関する知見を確認するためのものです。
【8】柔軟性とスケジュール力
制作のプロジェクトがスタートして、タイムスケジュールを組んで、変更/修正点を織り込む…これらの一連の流れにはきっちりとスケジュールする能力と、変更された点に柔軟に対応する姿勢が必要ですが、実際に一緒に働いたわけではない採用担当者には見たくとも見えない部分です。
【9】タイポグラフィへの理解度
いいデザイナーはタイポグラフィへの理解度が高いものです。しかしこの理解度をどう履歴書で表現するのは難しいものがあります。
自身のタイプフェースを作ったことがある経験があったり、文字の組みあわせに特定のスタイルをっもっていたり、嗅覚の良さをもっているなら履歴書に書きこみましょう。採用担当者の目を惹く項目になるでしょう。
【10】コミュニケーション能力
とどのつまり、「どうデザインするか?」は「どう伝えるか?」の話になりますので、コミュニケーション能力に行き着きます。視覚的にどう表現するかはもちろん大事ですが、文字や話し言葉でどう表現するか、も同じくらい大事です。
スピーチした経験、講師をした経験、セミナーを開催した経験。これらは他候補者の中から一歩リードさせるアピールポイントとなるでしょう。
(※本稿は「10 Skills Every Designer Needs on Their Resume」を翻訳・再編集したものです)