確証バイアスとは、認知心理学や社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと(Wikipedia)。
確証バイアスはすべて選択に関するものです。注目すべきデータの選択とそのデータの処理方法です。
この認知バイアスは、ソーシャルメディアの世界でどのようにニュースを消費し、共有するかに関して、最近注目を集めています。この効果は、感情的な問題や、現在の政治情勢において特に深刻な信念などにおいて強くなります。(ここには、2016年の米国選挙における確認バイアスの偉大な分析を提供する記事が掲載されています)。
実際に確証バイアスはどのように見えるか
ニュースやソーシャルメディア以外にも、広告には確証バイアスが見られます。マクドナルドの広告は、1970年代から「今日は休憩しよう」と人々に語りかけます。これは、一般的な考えで、「そうしましょう!」と人々は即座に共鳴するでしょう。(だからその広告は効果的なのです)
確証バイアスを使ってデザインを改善する
一歩踏みこむ
多くのウェブサイトやアプリ、特に大企業のアプリは、人々に何かを提供しようとしています。彼らはユーザーが何をすべきか、考えているかについて確固たる地位をとることを避けます。しかし、ポジションを取る人は、そのポジションに同意する人々の確証バイアスの恩恵を受けることができます。
オーストラリアのAHM健康保険には、健康保険を嫌う人がどれくらいいるかを強調する素晴らしいキャンペーンがあります。彼らの広告掲示やデジタル広告は、健康保険が迷惑であることを認めています。これは、その意見を持っている人々を引き付け、訴えかけます。彼らは健康保険が迷惑であるという信念を確認するので、より一般的な広告よりもこの広告に気づくかもしれません。
もちろん、そうした信念を分かち合わない人を引き付けることはないでしょう。その声明の裏に何が提案されているか考えない人々に訴求はしないでしょう。しかし、そうする人々をもっと簡単に引き寄せ、長く保持することができます。
このアプローチでは、顧客の研究が重要です。彼らの信念を確認する声明を出すために、顧客がどのように感じるかを理解する唯一の方法は、直接調査をすることです。インタビューやリモートユーザーテストを使用した定性的な調査は最高のツールです。
サイトのコンテンツをパーソナライズする
ユーザーがコンテンツを見つけて読ませるようにすることが目的ならば、この自然な傾向を使ってレイアウトの確証情報を求め、各ユーザーのコンテンツに優先順位を付けます。
私が上記に仄めかしたように、この戦術は内容に応じて否定的に見ることができます。政治では、ユーザーが自分の立場を確認するのを助けて、現在の米国で見られるような大きな分裂につながる可能性があります。
英語話者である3億7,600万人のFacebookユーザーの調査によると、ユーザーは通常、少数の報道機関と限定されたページにのみ興味を持っています。これらの行動は、Facebookのニュース消費を選択的露出によって支配できることを可能にします。つまり、人々は彼らの意見を強化するニュースソースに最も頻繁に興味を持つのです。
他の状況では、これはユーザーエクスペリエンスを向上させることにも利用できます。
サイト訪問者の意見や欲求を知っている場合は、それらをランディングページに直結させるか、それらに基づいてサイトコンテンツの優先順位を付けます。訪問者の考えや特性というのは、彼らがクリックした特定の広告や記事、または前回の訪問に基づいて知ることができるでしょう。
たとえば、「旅行はお金をかけるべき最良の選択です」という見出しのソーシャルメディアの投稿をクリックしたとしましょう。これは、私自身がそう思っているからこそ、その考えを強化するために読むのです。私が訪れたウェブサイトは、私が興味を引かれるかもしれないコンテンツについて事前に用意でき、それにより読み手を楽しませ、シェアさせ、再度訪問する可能性がより高くなります。一般的に、物を買ってもらおうと読者を説得する記事よりも、旅行や経験についての記事のほうがこの手法は当てはまりやすいでしょう。そうして、関連記事には旅行に関するバリューポジションにおいて紐付けられる旅行費用やその節約に関する記事を掲示すると良いでしょう。
これは単に関連記事や訪問者が好む記事をリコメンドすることとは異なります。
これは訪問者の世界観を理解し、あなたのサイトやビジネスがそれに同意していること、肯定的にとらえていることを示すステイトメントを提示することなのです。
リサーチベースのユーザージャーニーマッピングは、このアプローチで重要なUXツールです。ユーザーにインタビューし、その動機や行動を理解し、自分の信念に基づいてパーソナライズされた体験を提供するための定性的な調査計画を作成します。
確証バイアスを使用したり、ユーザーの意見に訴えかけることは、すべてのビジネスやデザイン上の課題にとって適切なこととは限りませんが、ぴったりな場合もあります。試してみてください。
※本記事はHow to use the psychology principle of confirmation bias in UX designを翻訳・再構成したものです。
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