「業界の常識は世間の非常識」と誰が言ったのか知りませんが、確かにデザイン業界にもありますよね。職業の専門性が高くなればなるほど、その「業界の常識」が一般的な認識や印象からズレていく傾向があるように思います。
時としてこのズレが「怒り」になりトラブルにまで発展してしまうこともありますが、こればかりは「相互理解」以外に解決の道はないのかもしれません。
そんな相互理解の第一歩として、「デザイナーを怒らせる10の方法」をご紹介します。デザイナーの方にとっては「あるある」?
【1】「無料でお願いします。あなたの実績作りになりますよ!」
デザイナーのポートフォリオにとっての良い/悪いは他でもない、デザイナー自身が判断すること。デザイン料に見合う価値を提供したい気持ちは山々ですが、デザイナーも生活していくコストが必要なんですよね……
【2】他のデザイナーと比較する
インターネットでたまたま見つけた「ロゴ制作500円」というデザイナーの存在と比較されても困りますね……。プロのデザイナーは何年もかけて訓練と経験を積んでいます。ポートフォリオを見て、自動で制作したものとオリジナルでクリエイティブなデザインの違いを比較してもらえたらわかると思うのですが。
【3】延々と値切ってくる
自分をデザイナーとして起用すると決めた以上、値切り交渉はプロジェクトがスタートする前のみにしてほしいですよね……。デザインは魚と違うので延々と値切られてもうんざりするだけ、でしょうか。
【4】編集できないファイルを送る
あるレベルまでは可能だとしても、デザイナーが画像を編集するには限界があります。レイヤー分けされたオリジナルの編集できるPDFファイルで送ってくれればいいのですが、編集できないJPGやPngファイルが送られてきても……。
【5】サイズの小さい画像をWordに貼りつけて送ってくる
マイクロソフトの「Word」をアルバム代わりにしてメール添付で送ってくる人がいますね。Webなら72dpi、印刷物なら300dpiの解像度は欲しいところ。これで「ロゴをもっと大きく作ってください」と言われても……。
【6】専門家ではない人の意見をフィードバックする
デザインしたものに対して、クライアントが友人や家族の意見をフィードバックしてくることがありますが、その人たちがデザイナーかマーケティング担当者じゃないのなら、そうした意見をあまり信用してほしくないですよね。
そのブランドのミッションとか、ポジショニング、ターゲット層を理解している人の意見ではないですし……。
【7】「もっとロゴを大きくして」
ロゴを大きくすることが必ずしもいい判断とは限りません。ロゴ自体のサイズと同じくらい「余白」も大切なもの。なぜクライアントはいつも大きくしたがるのでしょう……?
【8】修正が送られてくるのに膨大な時間がかかる
プロジェクトのスタート前にタイムテーブルを作り、デザイナーはそれにそって制作を行います。でもクライアント側には厳密な「締切」があるとは限りません。そのため修正のためにタイムテーブルがどんどん遅延していくこともあるのですが、デザイナーとしてはさっさと報酬を受け取ってこのプロジェクトを終わらせたいのがホンネだったり……。
【9】いくらでも修正してくれると思われる
どれだけ報酬をもらえるかによってどれだけその案件に関われるか、が決まります。デザイン料は、その案件にかかるコストや予期せぬ修正にあてる期間を含めて値段を提示するもの。延々と修正を求められても……。
【10】あいまいな指示を出す
あいまいな指示はあいまいな修正を結果として導きます。デザインをどういう方向性に持っていきたいのか、できる限り明確にしておいてもらえるといいのですが……。
(※本記事は「How to Annoy a Graphic Designer」を翻訳・再編集したものです)