2017年のBuildカンファレンスにおいて、マイクロソフトはフルーエントデザインシステムを発表しました。ネオンというコードネームで開発されていたこのデザインは、現行のWindows 10のデザインに半透明とアニメーションを加えるものです。一体どんなものなのか、ご紹介しましょう。
フルーエントは未来のデザインシステムとなるか
マイクロソフトは、フルーエントをデザインランゲージではなく、デザインシステムと呼んでいます。これは見た目だけではなく、ユーザーとの双方向性を重視しているためです。
フルーエントは従来の画面と入力方法のみならず、これから登場する新しいインターフェースのことも想定しています。パソコン、スマートフォン、タブレットはもちろん、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、ウェアラブルなど多彩なフォームファクターに対応します。またタッチが前提となっていた以前のデザインとは異なり、モーションコントローラーやジェスチャー、声、ペンなど入力方法も豊富です。
フルーエントによってマイクロソフトと開発者たちは様々なデバイス間で調和の取れた、現代的でレスポンシブな体験をデザインすることが可能になるのです。
すぐに試したい人も、ちょっと待って
フルーエントは発表されたばかりで、まだ実際の製品に使えるような段階ではありません。
UWPアプリ向けのガイドラインはありますが、それだけでは不十分でしょう。透過テクスチャの作成の参考にはAcrylic materialを、深さやフォーカスのテストにはRevealを見ると印象がつかめるかもしれません。
マイクロソフトの言葉を聞いていると、どうやらフルーエントは従来のデザインよりもずっと複雑になりそうです。マイクロソフト純正のアプリでさえもまだフルーエントの中心となる要素を欠いたものが多いのが現状です。フルーエントの全容を知ることができるのは秋に予定されている次の大型アップデートになりそうです。
果たしてマイクロソフトは、Googleやアップルでさえ苦戦しているこの分野で成功することができるのでしょうか?ひとつ確かなのは、マイクロソフトが企業としての透明性を高めようとしていることです。フルーエントの発展をいち早く見たいという方は、Windows 10のプレビュービルドを使ってみることをおすすめします。
※本記事は、Meet Fluent, Microsoft’s New Design Systemを翻訳・再構成したものです。