モバイル決済は米国においてゆっくりであるものの着実に増加しています。これはAmazon Goストアでの広報が多くなるにつれて加速する可能性があります。
スマートフォンが実店舗での顧客の購買において大きな役割を果たしていることは明白です。Deloitte Digitalリサーチによると、スマートフォンは人々が自分で商品を調査して価格を比較できるようにすることで、最終的な実店舗で使う1ドルのうち56セントに影響を与えるようです。そして、モバイル決済がより一般的になるにつれ、この金額のより多くがモバイル自体に費やされるようになることでしょう。
現在、世界中のスマートフォンユーザーのうち36%がモバイル決済を行っていますが、その数値は、WeChat王国である中国、そしてインドによって大きく引き上げられています。これら二つの国を除くと数値は一気に16.6%に減少しますが、増加傾向にあります。
近接(Proximity)型モバイル決済の成長
近接(Proximity)型モバイル決済とは、近距離無線通信、QRコード、Bluetoothなどのテクノロジを利用して実施された支払いを指します。POSシステムとセキュリティの問題などいくつかの理由によりモバイル決済の導入スピードが遅くなる傾向にあります。2年前に実施された連邦準備制度調査の回答者のうち67%が、モバイル決済のセキュリティについて懸念していると答えていました。
ただ、導入はスローであるものの、安定的に増加しています。eMarketerによると、2018年に入り、20.2%のアメリカ人がスキャンやタップ、スワイプ、チェックインのいずれかによる近接(Proximity)型モバイル決済を行っています。この割合は5500万人を示し、2019年中には39.2%まで増加すると予測されています。
Apple PayとGoogle Payは、モバイル決済における2大勢力です。Apple Payが2014年に発表されたときには米国の小売店の3%が導入しましたが、今や50%に上ります。
ロイヤルティとモバイル決済の組み合わせ
私が「2大勢力」と言ったことを思い出してください。実は最も人気のあるモバイル決済は、スターバックスのモバイルアプリです。Apple Payの利用者が2200万人であるのに対して、2300万人を超える人々がスターバックスのモバイルアプリを使ってコーヒーを購入しているのです。
スターバックスとApple、Googleのモバイル決済における違いの一つは、現金よりもアプリ決済が有利になるような利用者に対するインセンティブです。コーヒー王者のモバイル決済により一気通貫しています。スターバックスのアプリを使えば、列に並ぶことなくコーヒーを購入することができるうえ、ポイントも集めることができます。ダンキンドーナツの DD Perksも同様に機能を有しています。アプリ支払うことで定期的にコーヒーの無料サービス受けることができます。
これらのモバイルアプリはシームレスで快適な取引を促進し、それが顧客を惹きつけリピーターの増加へと繋がります。たとえば、Business Insiderによると、Walmart Payを利用した購入者の66%という数値はAppleやGoogleのそれを上回るべく順調に推移しており、3週間以内にサービス再開を行うに至りました。
Amazonの及ぼす影響の可能性
Sailthru(全面開示:私の雇用主)は、米国と英国の2,000人以上の消費者を対象に左右に広がるシャッター商店街などの過去の遺産に触れながら実店舗販売に対する考えを調査しました。大変多くの人々が実店舗での買い物に対して高い満足度を回答しながらも、多くの回答は無関心を示しました。回答者は特にトイザらスやシアーズ(DIY用品店)のことを忘れてはいませんでした。どのオンライン小売業者が実店舗をもつべきかという問いに対して、英国のほとんどの人々は「どれも不要」と答えました。
しかし、それは米国では全く異なりました。米国の消費者の40%がAmazonに対し回答し、今後3年間で3,000以上の店舗が実店舗を開く運びとなりました。Amazon Goの個性的かつ未来的な仕組みは、モバイル決済を次のレベルへと引き上げます。駅の改札を通るとき、利用者はアプリでコードスキャンをします。そこから、ディープラーニングアルゴリズムやコンピュータ、センサーの組み合わせ、Amazonが呼ぶ「ただ外出する技術」が全てを自動化してくれます。人々は、もう決済のために自分のスマートフォンや財布を取り出す必要すらないのです。
店を出ると自動的に決済されます。Amazonの絶大な人気を考慮すると、これはモバイル決済の試合の流れを変える可能性を含み、多くの人にとってモバイル決済に安心感を与えてくれます。
セキュリティ問題の可能性も低くなります。Bain&Companyによると、プライムメンバーのうち65%は取引に難色を示さず、むしろ深い信頼感をもっているようです。さらに、Amazonで買い物をしない人のうち37%の方も、eコマースによる巨額の銀行取引を行っています。