ストーリーボーディングとはイラストをストーリー化することで、日本ではよく用いられる手法です。
漫画文化が根付いた日本ではWebデザインにおいても4コマ漫画や漫画の1ページのようなページが見受けられます。
ストーリーをボードするというこの手法により、写真や絵はデザインにとっても無限の可能性を秘めるものとなります。
ビジュアルエイドは言葉よりもよりパワフルに語り掛けて、更には多くの意味を含んだ情報を与えることが出来るからです。
じっさいある統計では、ストーリーは単純な事実の羅列より22倍も記憶に残ることが確認されています。
また、ストーリーは誰でも理解することが出来て、自分に関連付けをすることが出来ます。
本記事ではこの手法をUXに取り入れる方法を紹介します。
UXへのストーリーボーディングの取り入れ方
ストーリーは費用対効果が良く、人の気持ちを一瞬にして惹きつけます。
では、それをどのようにUXデザインのプロセスに取り入れるのでしょうか。
またそれはどのような利点があるのでしょうか。
ヒューマンセンタードアプローチ
登場人物を中心にストーリーを考える手法です。
ストーリーは、分析データにキャラクターという特徴を埋め込むことが出来ます。
ストーリーボーディングを活用することによって、デザイナーはキャラクターを中心に考えてそれがユーザーにどのように見えるか検証します。
それは時に、問題点を見つけ出し、それを解決する策を授け、デザインの在り方を示してくれることがあります。
ピッチアンドクリティークのテクニック
ストーリーボーディングはチームで作り上げる手法です。
デザイナーではなく、そのUXにかかわる多くの人の貢献が必要になります。
UXデザインをストーリーボーディングを使って、行おうとするとインスピレーションが生まれます。
そうすると批判や良い点がチームから自然に出てくるので、そのプロセスを利用してひとつのデザインチームとして結束を高めていくのです。
ストーリーボーディングは実際のところこのインタラクティブなアプローチに大きく依存しています。
デザインコンセプトを仕上げるためのスケッチやロールプレイテストはデザイナーがその有効性を少ないコスト又はコストのかからない方法で検証する良い機会になります。
誰も引き付けられないストーリーはラフすぎて使えないものであることがあり得ます。
ストーリーボーディングの作り方
ストーリーボーディングを考える際のポイントを以下で紹介します。
キャラクター
言うまでもなく魅力的なキャラクターを登場させる必要があります。いわゆるそのキャラクターの設定を作り上げていくと、特徴が際立って覚えやすいキャラクターが出来上がります。
シーン
キャラクターがアクションを起こす場所や背景、状況などを考慮します。ドラマチックな展開や巧妙な仕掛けがあればインパクトになるでしょう。
プロット
話の筋のことを指します。よく国語の世界では起承転結という言葉が使われますが、形式ばっている必要はありません。日本的感覚であれば、最後に落ちを持って来れば話としては成立します。キャラクターが生きる筋を考えます。
単純さ
不要な枝葉末節は排除しましょう。
わかりやすさが大切です。
感情
キャラクターがこうむる感情がユーザに伝わるように工夫することです。
ストーリーボーディングは簡単な手法ではありませんが、効果的です。
可能そうなところから試してみましょう。
※本記事は、Storyboarding in UX Designを翻訳・再構成したものです。