音声ベースのインターフェースが普及の兆しを見せています。
海外ではGoogle HomeやAmazon Alexaなどの製品が既に発売されています。声だけでユーザに利用可能な操作を提示し、タスクをこなすのは一見かなり難しそうですが、実はUXデザイナーであれば音声インターフェースの設計を行う基本スキルが備わっているのです。
この記事では音声ベースのインターフェースデザインについて、ノウハウの一部をご紹介します。
・ボイスデザインの基本
ボイスデザインとは、会話をデザインするということです。UXデザイナーがナビゲーションしやすいインターフェースを設計するのと同様に、ユーザのアクションに反応しタスクを実行するものです。
・エラーの扱い方
様々なノウハウがある中でもエラーの扱い方は特に重要であり、避けては通れない部分です。
視覚的な手がかりなしに、ユーザはボイスアシスタントがどれだけのことができるのかをどう知るのでしょう?その答えがエラー処理なのです。音声インターフェースをデザインする際に、デザイナーはユーザがどんな内容を話すのか予期しなければなりません。
今回は例として、電話で健康状態を診断するインターフェースを考えてみましょう。
たとえば内視鏡検査が必要な患者に、今すぐ検査の予約を取るかどうか尋ねます。その場合に予期される応答として、「はい」「いいえ」「電話してこないで」「私には必要ない」などが考えられます。どのパターンに対してもうまく対応できる返答を組み立てることはできますが、時には患者が迷っていたり、どうしていいか分からなかったり、どんなシステムで動いているのかに興味を持ったりすることで、全く予期していない返答が来ることもあります。
もし患者が突然「ピクルス」と言ったらどう対応すればいいのでしょう?システムはもちろん、ピクルスに対する返答は用意していません。デザイナーもそんな言葉がやって来るとは想定していないでしょう。こんな場合に重要となるのがエラーの扱い方です。
システムの能力を超えるような状況が起こった時、あまり優れていないシステムは動作を停止して何も言わないか、システムが対応できる返答が来るまで患者に何度も尋ねるでしょう。
視覚的デザインと同様に、デザイナーは起こりうるエラーを想定し、ユーザーに元の目的を到達するための場所に戻ってもらわなくてはなりません。
このケースではたとえば、「申し訳ありません、うまく聞き取れませんでした。今すぐ検査の予約を行いますか?はい、いいえ、必要ない、の中からお選びください」のように対応させることができます。システムがこれ以上の能力を備えていないことを示すと同時に、ユーザに元の操作に戻ってもらうよう促すよう設計するのです。
この記事ではエラー処理について紹介しましたが、もちろんまだまだたくさんのノウハウがあります。音声インターフェースがメインストリームになるまでにはまだ時間が必要です。それまでにいろんな製品を研究してみてください。
※本稿は 「The Future of Voice Design」を翻訳・再編集したものです。