統計によると、人間がある物を見て第一印象を決定するのに必要な時間はたったの0.1秒です。ウェブサイトもそれだけ短い時間でユーザーの印象が決まってしまいます。印象を左右する要素はたくさんありますが、特に色とその使い方は非常に大切なものとなっています。
ウェブデザインにおける色彩心理学
ウェブデザインでは使いやすさと美しさが重視されますが、ただページをそのように作るだけでは高いコンバージョンを実現することはできません。実は色の使い方が成功と失敗を分ける中心的な役割を担っているのです。
通常のウェブサイトでは原色と無彩色の両方が使われます。黒や白などの無彩色は背景に、明るい色は手前の目立つ要素に、という形です。しかし最新のデザインでは、無彩色がページの大部分を占めるようになっています。この役割は白い余白と同じで、読者が重要な要素を判別する手助けをしてくれています。トレンドや技術的な進歩により、白だけでない様々な無彩色がこのような役割で使用されるようになっています。
赤や黄色、オレンジなどの暖色は強い力を持ち、ユーザーの注意をそちらに引きつけます。しかし同じページに暖色が多すぎるとその役割は失われ、逆にネガティブな印象を与えてしまいます。一方異なるトーンの緑や青を複数組み合わせれば落ち着いた印象を与えられます。青には忠誠心や安全性を感じさせる効果もあります。
色が与える印象はどれだけの濃さの色を使うかによっても左右されます。薄めの色であればユーザーの注意を引くことはなく、調和やバランスの取れた印象を与えることになります。
色使いとボタン
ユーザーは意識、無意識のどちらの状態でも色に影響を受けています。色により与える影響は異なるため、CTAボタンの色を変えるだけで結果が変わったりもするのです。
CTAボタンは5つの要素からできています。形、サイズ、メッセージ、配置、そして色です。どれもが結果に影響を及ぼすのですが、特に色の効果は大きく、色を変えるだけで11%もクリックが増えたという結果も出ています。
高いコンバージョン率を達成するには、赤やオレンジ、黄色が効果的だと研究者は考えています。緑色も優れた選択肢です。多くの人々が緑色を信号と関連付けているため、ユーザーは自分が正しいことをしているという印象を持ってくれるのです。対象的に黒や灰色、茶色などの暗い色はコンバージョン率が低くなるため、避けた方がいいでしょう。
成功するウェブサイトを作るには、色とデザインが与える心理的影響を考慮しなくてはなりません。色彩心理学はデザインプロセスにおいて大きな手助けとなってくれるでしょう。
※本記事は、The psychology of color in web designを翻訳・再構成したものです。