Playful
Typewolfで、このサイトについてほとんど取り上げてきませんでした。なぜなら、このサイトの字が画像の上に固定されていて読みづらく、読めるか読めないかギリギリといった感じだからです。
それでも、このサイトのデザインは大変気に入っています。
派手でカラフルな画像は、字を目立たせないためのものであると言ってもいいだろうと思います。それがここのいいところなのです。
いずれにせよ大きなインパクトがあります。Ed Benguiatの作った華やかなITC Tiffanyが中字と太字で用いられています。
ITC Tiffany
LRNCE
字詰め書体のGaramondは、最近また見かけるようになってきた気がします。
2000年代初めにMyriadに切り替わるまで、Appleはずっと字詰めしたGaramondを独自にカスタマイズして使用していました。
古き日のAppleの広告になつかしさを感じるデザイナーには、そのレトロな書体が魅力的で心をつかまれるのではないでしょうか。
このサイトは、レトロ感がありながらもRadim Peškoが作ったFugue Monoが加わることで近代的なデザインの印象を与えています。
Garamond
Fugue Mono
True Photo Journal
FolioはHelveticaおよびUniversと同時公開されたネオ・グロテスク体ですが、この2つと同様の成功は得られませんでした。
True Photo Journalでメイン書体となった途端、使い古された感のあるHelveticaと立場が逆転してしまいました。
エックスハイトは一段階小さく字形も小さめ。Helveticaより先に出た初期のグロテスク体に似ているような… ちょっと不思議な感じがする字体です。
Folio
Leeza Pritychenko
Leeza Pritychenkoは、おそらく「ブルタリスト」に分類されうるもの。
意図的に粗削りに魅せています。文章中にRomanaと混ぜてNimbus Sansを使っており、荒っぽい感じを出しつつもエックスハイトを絶妙に調整、コピーには適所にアポストロフィとダッシュが使ってあるため、ただ乱暴なだけという感じにはなっていません。
このサイトでの一貫した美学に抵抗がある人もいるかもしれませんが、デザインは独特で、いわゆるブートストラップのテンプレートから、なるべく離れようとしているようです。
Nimbus Sans
Romana
Sam Dallyn
AkkuratはLinetoが出したサンセリフ体。DINとHelveticaを混ぜ合わせたような書体です。
字形は統一されていますが、小文字のlの終わりとダブル・ストーリーのgについては典型的なジオメトリック・サンセリフ体やネオ・グロテスク体のデザインと比べて静的感が弱いです。
Sam Dallynはさっぱりと飾り気がありませんが、ページをジグザグに落ちていく独創的なグリッド使いが目立ちます。
プロフィール・ページ内の段落は、改行ではなくインデント。レイアウトを印刷物っぽくしています。
Akkurat
Kinfolk
Kinfolkは最近デザインの見直しをしました。Domaine TextとFeijoaという、Klim Type Foundryによって作られた2つの新しい書体、それに伝統のFuturaに着想を得たジオメトリック・サンセリフ体、Twentieth Centuryを組み合わせて利用しています。
Domaine Textは私がTypewolfで使っている書体と同じ。ですが、Kinfolkのサイトでは文字装飾というか見出しの装飾に使われています。
大きいサイズで使うと生きますね!記事中の活字は読みやすく並んでいて典型的なインターネット記事というより雑誌のレイアウトを彷彿させます。
Domaine Text
Fejjoa
Twentieth Century
本稿はThe Typographic Details Behind Typewolf’s Favorite Sites of November 2016を翻訳・再編集したものです。