ユーザー調査は難しい作業です。優れたUXを実現するためには欠かせませんが、あまりにも調査方法が多様で、どうしたらいいのか迷うこともあります。今回はよく使われる手法の特徴を紹介します。一度頭を整理して、あらためてどの手法があなたのプロジェクトに最適か考えてみてください。
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1.ユーザーペルソナ
ユーザーペルソナは、製品のターゲットとなるユーザーの特徴を反映したキャラクターです。マーケティング業界では1990年代中盤から使われており、今や必須のものとなっています。UXデザイナーは製品の目標に関連したデータやユーザーが感じるストレスを調査し、それを元にキャラクターを作ります。
デザインにおける利点
製品が達成するべき目標と、ユーザーの要望をつかむことができます。
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2.ユーザーストーリー
ユーザーの要望や目的を特定するための短い文章です。ユーザーがどんな人物で、何を必要としていて、なぜそれを求めているのかが記述されます。ユーザーペルソナ1人に対して1つのユーザーストーリーが作成されます。ペルソナは複数制作されることもありますので、ストーリーは端的にまとめるのがいいでしょう。
デザインにおける利点
ユーザーが製品を使う動機や要求をまとめ上げるのに役立ちます。製品のロードマップも作成しやすくなるでしょう。
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3.シナリオ
シナリオはユーザーが製品を使う状況を捉えたものです。ユーザーがアプリやサイトを立ち上げる動機や抱えている問題を記述し、その目的に対する解決策を提案します。シナリオは状況ごとに分割したり複数作成できます。
デザインにおける利点
関係者が、デザインチームの意図するUXについて確認し、認識のギャップを埋めることができます。デザインチームにとっては、理想的なソリューションを考案するツールとなります。
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4.ストーリーボード
ユーザーが製品にどう反応するかをイラストなどで示したものです。ストーリーボードにはいくつか種類があり、スケッチやイラスト、スクリーンショット、スライドショー、アニメーション、実演などが用いられます。1930年代にディズニーによって編み出された手法です。製品のUXをビジュアルで探求できます。
デザインにおける利点
チームや関係者、ユーザーと製品についてコミュニケーションを行うのに最適な手法です。作り込んだプロトタイプと合わせて使えば強い印象を与えられます。
まとめ
ユーザー調査はデザインの最初のステップです。しかし得たデータは形にしなければ活用できません。今回紹介した手法で製品の姿やユーザーの要望を具体的に想像できるようになり、最終的な製品の完成度も高まるでしょう。どの手法も、ユーザーに近づくという点では共通しています。
※本記事は、User Personas, Scenarios, User Stories And Storyboards: What’s the Difference?を翻訳・再構成したものです。