Google検索の根本的にある思想は「完璧な検索エンジン」です。
少し長い目で見ると、この思想の解釈をめぐってSEOという概念自体が変化し続けているとも言えそうですが、現状では「検索ユーザーのニーズを満たすコンテンツ」が検索画面の上位に表示されるという解釈が主流でしょう。
でもさらに突っ込んで「検索ニーズを満たす」とは具体的にどういうことなのでしょうか?
本稿では先月末に発表されたSEOに関する6つの実験をご紹介します。
SEOに関する6つの実験結果
1.オーガニック検索のクリック率には検索順位と関係がある
今回の実験では「WordStream」という海外のWebサイトの1,000個のキーワードのGoogle検索結果を調査したもので、検索トップの平均クリック率は4月に22%、7月に24%そして9月に27%と上昇するという面白い結果が出ました。
検索トップに表示されたワードは9月に最高のクリック率を計測しましたが、低ランク(4-10位)のワードはよりクリックされなくなっています。
このクリックカーブは「ユーザーは上位の検索結果にしか興味を示さない」という重要な事実を示しています。
2.オーガニック検索のクリック率はオーガニック検索の順位に影響を受ける
この実験のゴールは、オーガニック検索のクリック率とオーガニック検索の順位に明確な関係があるかどうかを調べることです。そこで、オーガニック検索のクリック率から推定クリック率を引くことで違いを明確にすることにしました。
推定クリック率を超えたページは上位4位に入り、推定クリック率を20%上回ったページは1位を獲得しました。推定クリック率を下回ったページは、6-10位という結果になり、推定クリック率を6%下回ったページは10位という結果でした。
この実験によると、オーガニック検索のクリック率はオーガニック検索の順位に関係があると言えそうです。
- タイトルを変更するとクリック率が改善する
コンテンツ/SEOマネージャーであるElisa Gabbert氏は、ある記事のタイトルのみを「びっくり仰天のゲリラマーケティング20例」に変更し、クリック率が改善するかどうかの実験を行いました。新しいタイトルは、成功するタイトルの法則に則ったものです。
記事の中身、リンク、イメージなどその他は全く変更しませんでした。結果は、クリック率が1%から4.19%に上昇し、検索結果の順位は8位から5位に上昇しました。
つまりタイトルを変更することでクリック率を上昇させることができます。
- ウェブサイトのエンゲージメント率はオーガニックサーチの順位に影響するか?
個人的に、Googleはクリック率を計測するのに滞留時間を使っていると考えています。Googleはその指標を使って、ユーザーが探している情報を取得できたかを判断しているのように思われます。
それでは、エンゲージメント率(直帰率、サイト滞在時間、コンバージョン率)はオーガニックサーチの順位に影響するのでしょうか?
この仮説を検証するために、いくつかのエンゲージメント率に関するデータを調査し、まず直帰率が検索順位に影響するかどうかを見てみました。
直帰率(Bounce Rate)76%以下のランディングページは4位以内の順位に収まる傾向が高く、直帰率が78%以上のページは5位以下の順位になる傾向が高いようです。
サイト滞在時間に関しては、下記グラフです。
このグラフは、ユーザーの滞在時間が長いとオーガニック検索順位が1-6位になり、滞在時間が短いと検索順位は7位以下になることを示しています。
コンバージョン率に関してはどうでしょうか?次のデータは、高いクリック率は高いコンバージョンにつながることを示しています。
これはなぜでしょうか?ユーザーがクリックしたくなるようなコンテンツなら、それは購入や個人情報の登録につながる可能性が高いからです。
高いクリック率、エンゲージメント率およびコンバージョン率はリードや売上につながりやすくなります。このデータはエンゲージメント指標やコンバージョン率を改善することがよりよいオーガニック検索順位の結果をもたらすことを示していると考えています。
- エンゲージメント指標はリッチスニペットの選択に影響するのか?
Googleのリッチスニペット(検索結果で表示されるサイトの説明文)は、検索結果画面上の「ポジション0」と呼ばれる場所に、テキスト、イメージ、チャートなどの形式で表示されます。Googleがリッチスニペットを選ぶアルゴリズムはどうなっているのでしょうか?
まずGoogleのオーガニック検索ランキングがあなたのサイトにスニペットがあるかどうかに影響するかどうかを調べようと考え、「WordStreamサイト」が獲得した981個のスニペットについて調べました。
明確に関係はありませんでしたが、トップに表示されるページはいつもスニペットを獲得していました。Googleは2ページ目に表示されるコンテンツにも71位のランクのページにもスニペットを表示していました。
検索結果でスニペットが表示されているサイトとBing Rewardポイントとの関係を見て、Google AnalyticsおよびSearch Consoleのデータから以下の2つの面白いことを発見しました。
・平均10位のポジションだが21.43%という高いクリック率
・サイト平均の3倍の滞在時間(14:30)
ここから「エンゲージメント指標はリッチスニペットの獲得に役立っている」と考えられそうです。
- オーガニック検索順位とSNSでのシェアは関係があるのか?
今回の実験結果では、オーガニック検索順位に重要なのはSNSでのシェアではなく、高いソーシャルエンゲージメントとだと考えます。
このデータは、Facebookが高いエンゲージメント率(6%以上)を示し、期待を上回る高いオーガニック検索のクリック率を獲得しています。これは平均の4倍以上のFacebookエンゲージメントを獲得すれば、平均の4倍以上のオーガニック検索のクリック率を獲得できるということです。
どうしてでしょうか?他の人がSNSでシェアしたコンテンツは、サーチ結果から同じような情報を探している人にクリックされやすいということだと考えます。これは高いクリック率を獲得しているコンテンツのタイトルにも同じことがいえます。
よって、高いソーシャルエンゲージメント率は高いクリック率をもたらし、検索結果とSNSには強い関係があるといえます。
最後に
SEOは「人々がコンテンツにどのように関与しているか」によって進化し続けるでしょう。エンゲージメントの最適化が非常に重要だということです。
訪問者がクリックしたくなるようなタイトルを考え、サイトにより滞在し、友人にシェアしたくなるような素晴らしいコンテンツを用意してください。
(※本稿は「6 SEO Experiments That Will Blow Your Mind」を翻訳・再編集したものです)