・研究者は、2009年から2013年に行われた取引を調査し、ビットコイン保有者のグループ構造を分析しました。
・この調査では、ビットコイン保有者はオリガルヒ(独裁者)であり、富の大部分は少数のユーザーグループに集中していることが明らかになりました。
ビットコインは、2009年に匿名の開発者「ナカモトサトシ」によってオープンソースドキュメントで導入されました。今では、個人ユーザー間での直接金融交換の重要な資源となっています。ビットコイン遍歴はここ数年、大きく変動し、批判と賞賛の両方を受けています。今コンピューター科学者、経済学者、社会、政治家から大きな関心を集めています。
世間の目から隠されている銀行取引とは異なり、ビットコイン取引は追跡可能です。また、すべてのトランザクションが一般に公開されているため、ビットコインネットワークの統計的特性を調査することはかなり興味深いものです。
最近、アルゼンチンの原子力委員会とフランスのトゥールーズ大学の研究者がビットコイン保有者のコミュニティ構造を分析しました。
彼らは、2009年1月11日から2013年4月10日までの間に行われた(パブリックブロックチェーンサイトからの)トランザクションを調査しました。
調査によると、ビットコイン保有者は、メンバーが強力に相互接続される秘密グループの独裁者であり、莫大な富は少数の人々に分配されていることがわかりました。
ビットコインネットワークのGoogleマトリックス
研究者は、ビットコイン暗号ネットワークの設計図を予測しました。これは、Googleマトリックスと呼ばれています。
これは、すべてのトランザクション(ビットコイン単位で測定)を考慮に入れた、有向重み付きネットワークです。調査期間中に行われたトランザクション総数は28,140,756です。
このマトリックスは、Google検索エンジンがページをランク付けするために用いられるページランクアルゴリズム同様、ユーザー間の受信トランザクションに焦点を当て、研究者がトランザクションのグローバルな統計的特性を測定するのに使われました。
彼らはまた、チェイランク(逆リンク方向の有向ネットワーク用に構築されたGoogleマトリックスの最大実固有値を持つ固有ベクトル)を構築しました。これによりビットコイン保有者間の発信トランザクションの影響範囲がわかります
その結果ユーザー間の多くのトランザクション内で発生する変わった円型構造が浮き彫りになりました。
研究者によればこれは現実ネットワークではまだ報告されていないということです。このことからトランザクションの長いシーケンスを介し暗号通貨保有者をつないでいるノードの秘密グループがあるということなのです。
ページランクとチェイランク間においてのビットコイン保有者の分布は対角線に沿って最大であり、これは各保有者が取引の財政バランスを維持しているということなのです。同じ状態は、世界の貿易ネットワークでも見られます。
すべてのビットコイン取引は公的にアクセス可能であり、そのネットワークは金融フローの統計的特性の調査にとって魅力的なものです。ただし、このネットワークには隠れた問題があります。
トランザクションを実行するユーザーは、まれにトランザクション後にコードを変更し、コードの背後にいる個人は同じなのに新しいユーザーになりすますこともできます。
したがって、ビットコインネットワークはノードへのリンク比率がかなり低いという特徴があります(約2:3)。一方、ワールドワイドウェブに代表される他ネットワークでは、ノードへのリンク比率はほぼ10:20です。
したがって、取引が一般に公開されているにもかかわらず、一般の人々が取引を確立させることがとても難しくなっているのです。