・Facebookの投稿から、糖尿病、鬱病、その他精神疾患が予測出来ることが判明
・遺伝子情報と同様に、SNSコンテンツからも個人の健康管理が可能に
個人情報やその時の気分、人物の特徴を発信することにより、SNSを通じて2億人以上もの人々が、日々の情報をシェアする時代になりました。その数(毎月稼働しているユーザー)は、2021年までに3億人(全人口の約3分の1)にまで上ると言われています。
その情報を利用すれば、健康に関するサインを人口別に読み取ることが可能かもしれません。つい最近、Penn MedicineとStony Brook大学の研究者達は、患者の電子カルテ(EMR)とSNSのデータを関連付けて病気の元となる原因を究明しました。
医療カルテとSNS情報の提供に同意した999人の患者により研究チームが結成され、およそ94万9000回のFacebookの更新を分析した結果、2000万個以上の単語が調査対象となりました。少なくとも、一人500個以上の単語を使用している計算になります。
調査では、標準の言語プロセス(AIによる人間とコンピュータのインタラクティブ)を使用し、各患者の言語が700通りに分類されました。そして各々の診断をさらにEMRごとに21通りに分け、エリックスハウザー共存症の指標に基づいてサンプルが作成されました。
つまり、研究者はFacebookで使用されている言語パターン(単語、文章、関連ワード)を分析し、EMRの診断から21カテゴリを作成したのです。
そして、3パターンのモデルを用意し、患者の状態を予測しました。
1. Facebookの投稿で使用している言語
2.性別や年齢などの人物の特徴
3.2つのデータの合体
研究結果
Facebookのコンテンツを分析することにより、かなり正確に18〜21歳の健康状態を予測することが出来ました。特に顕著だったのが、糖尿病、妊娠、鬱病、その他精神疾患の予測です。
事実、従来の性別や年齢などの情報だけよりも、Facebookの投稿から分析する方が、はるかに正確な10カテゴリの予測を立てることが可能です。
“遺伝子情報と同じように言語パターンを扱うことで、似たような病気を発見することが出来る”―Andrew Schwartz
SNSと関連づけて診断を行うことで、さらなる医学検査や流行する病の解明を行うことも可能です。また、遺伝子情報同様に、SNSを使って個人の健康を管理することも出来るでしょう。医療条件をクリアすれば、これらの関連性がより明確になり、AIを使った新たなアプリの誕生にも期待が持てるかもしれません。
さらなる医学の進歩のためにも、人口層の違う患者が抱える健康データやTwitterなどのプラットフォームに隠れている情報を、今後ますます入念に見ていく必要がありそうです。