Growing Searchの共同設立者であるGeorge Konidis氏は、ターゲティング広告によってマーケティング費用対効果を増幅できるという4つの観点を共有しました。
要約
・ターゲティング広告とは、履歴データ、ML手法、アルゴリズムによって、ターゲットオーディエンスを正確に推測し、無駄な広告メディア費用を削減できる予測分析のサブセットである。
・Google Lookalike AudienceやFacebook Similar Audienceなどのツールは、ターゲティング広告によって、オーディエンスの行動や顧客のニーズを分析・予測し、クリック率や利益を高めている。
・AIによるクラスターモデルとコンテンツオートメーションが、高品質の関連コンテンツの生成・配信を可能にする。
・リアルタイムデータで広告配置戦略を最適化することで、適切な広告を配信し、マイクロモーメントを獲得できる。
ターゲティング広告
顧客は、個人購入パターンに関連したショッピングを望んでいるものです。実際に、そういったエクスペリエンスを提供できるブランドに対して最大16%のプレミアム価格を支払っても構わないという調査結果もあります。
今日のマーケティング担当者は、ビッグデータ分析と機械学習(ML)を利用して、消費者の心理を読み、購入行動を予測しています。つまり、優れたエクスペリエンスを提供し、サイトの評価を高めるために、ターゲティング広告に注目している企業が多くあるということです。
ターゲティング広告とは、履歴データやML手法、アルゴリズムなどを使用してターゲットオーディエンスを正確に推測し、無駄な広告メディア費用を削減できる予測分析のサブセットです。ターゲティング広告がもたらす価値と競争力を考慮し、ほとんどの企業が、ターゲティング広告を採用して広告費用対効果の改善を考えています。
では、デジタルマーケティング時代におけるターゲティング広告のメリットを4つの観点でご紹介します。
1.類似したオーディエンスのターゲティング
ターゲティング広告は、顧客データとサードパーティの行動データにアクセスして潜在的な顧客を特定し、広告効果を高めることができます。Google Lookalike AudienceやFacebook Similar Audienceなどのツールは、ターゲティング広告によって、オーディエンスの行動やニーズを分析・予測し、クリック率や利益を高めています。ターゲティング広告の仕組みとしましては、ウェブサイトの訪問者に関する情報を、類似行動パターンを持つ購入者と比較・分析・予測をして、構築しています。また、場所や年齢層、興味、最近のオンライン状況などの情報を活用して、新しいユーザーを見つける役割も担っています。
多くのベテランマーケティング担当者は、ターゲティング広告を利用して、過去のユーザーデータに基づいた類似モデルを構築しています。プロモーションの見込み客に対して、関連コンテンツ広告などでアプローチすることで、新規顧客の拡大につながるのです。また、既存のターゲットオーディエンスと類似した特性(行動パターンなど)を持っている見込み客に対してのアプローチなので、広告予算が無駄になることはありません。
2.関連コンテンツの配信
人工知能(AI)は、購入行動を分析し、将来の購入パターンを予測する機能を備えています。マーケティング担当者は、クラスターモデルを使用して視聴者をセグメント化することによって、関連性の高いコンテンツを配信できます。つまり、オーディエンスをパーソナライズすることよって、高品質の関連コンテンツ配信につながるのです。
Amazonはすでにターゲティング広告を採用して、関連広告を配信しており、eコマース大企業ではブランドが自社の顧客をターゲットにした新しい方法を考え出しています。Amazonの広告サービスは、ユーザーに最も関連性の高い広告を表示することにより、無駄なマーケティングや残念な結果を排除しているのです。
たとえば、Cookieなどのツールを使用することで、最近ウェブサイトでプロテインバーを購入した人がウェルネス/健康ブログ「Nerd Fitness」の投稿を読んでいることが判明し、サイトでは、関連したフィットネス製品のターゲットを絞っています。
マーケティング担当者はブラウジング履歴に基づき、顧客がコンテンツを消費する場所や、顧客が好むコンテンツの種類を特定することができます。そして、人口統計や状況要因、つまりデバイスID、ドメイン、場所、購入履歴、興味に基づいて広告のパーソナライズを自動化し、そのオーディエンスに最も関連性の高いコンテンツの作成が可能となるのです。
最近では、データクランチングによって、どの女性顧客が妊娠しており、近い将来におむつを購入するか特定する予測モデルが策定されています。アメリカの小売店が、妊娠初期の女性は通常25種類の製品を組み合わせて購入することを発見しました。この購入行動によって、電子メールや郵便でクーポンの小冊子が送るというアプローチをしたのです。
3.マイクロモーメントの最適化
ターゲティング広告により、限られた時間でも価値のある分析や予測を得ることができます。つまり、リアルタイムデータを使用して広告配置戦略を最適化し、適切な広告を配信してマイクロモーメントを獲得することができるのです。
Googleによれば、ユーザーが学習・実行・閲覧・発見・購入するためのデバイス(特にスマートフォン)に目を向けるときが、まさにマイクロモーメントが起きている瞬間だと言われています。マイクロモーメントとは、何かをしたいと思い必要に応じて行動する瞬間なのです。
マーケティング担当者とって重要となるターゲットのマイクロモーメントは次のとおりです。
・ちょっと何かを知りたい
・ちょっとどこかへ行きたい
・ちょっと何かをしたい
・ちょっと何かを買いたい
ダイナミッククリエイティブの最適化(DCO)技術は、顧客のセグメント、天候、そして広告配信時の時刻などに関するコンテキスト信号に基づいて、リアルタイムでカスタマイズした広告を作成します。事前定義された入力によってクリエイティブ広告生成エンジンは、そのユーザー向けにパーソナライズされたコンテンツ広告を作成します。そうすれば、秋にフロリダで車のタイヤを購入する見込み客には、スノータイヤに関連する広告は表示されません。
さらに、オンライン上での行動パターンや人口統計に関する顧客の履歴データによって、どのセグメント層がどういった製品やサービスに関心があるかを予測できます。つまり、マイクロモーメントが起こる前にターゲットの予測が可能となるのです。
4.無駄な広告費用の削減
毎年、誤ったターゲット層や誤ったタイミングに配信する広告で、数十億ドルのオンラインマーケティング費用が無駄になっています。楽天マーケティングのレポートによると、誤ったマーケティングチャネルや戦略によって、マーケティング予算の26%を無駄にしていると言われています。
投資収益率を高めるのには、絶妙なターゲティングと入札単価調整が重要となります。Googleの自動入札ツールを使用して、サイト訪問数やコンバージョンなどのマーケティング目標を選択すると、オーディエンスや競合他社のデータによって入札単価をリアルタイムで自動的に調整できます。
ターゲティング広告によって、無駄な広告費用の削減が可能となるのです。
今後の展開
ターゲティン広告は、デジタルマーケティング分野における単なる流行語ではありません。実際に結果を残すことができる重要なマーケティングツールです。メリット、価値、競争力を考えると、ますます多くのマーケティング担当者がターゲティング広告を利用して、広告の関連性、効率性、ROIを高めていくでしょう。
機械学習、統計モデル、および行動データを利用して、ターゲティングの取り組みを効率的に拡大していきましょう。
最後になりましたが、George Konidis氏についてご紹介します。George Konidis氏は、SEOサービスを世界中に提供するカナダのデジタルマーケティング代理店Growing Searchの共同設立者です。