アイデンティティ解決を提供しているLiveRampは、サードパーティのCookieを使用せずに広告主がユーザーをターゲットにすることを可能にする、無料で新しいソリューションを発表しました。
サードパーティのクッキーは、ブラウザメーカーやプライバシー規制者のもとで脅威にさらされています。これは同意なしにウェブ上のオンラインユーザーを追跡できるからです。 LiveRampの新しい認証トラフィックソリューション(ATS)は来月ベータ版で開始され、8月までに一般に利用可能になるということです。
どのように機能するのか
戦略的パートナーシップ担当副社長Travis Clinger氏によると、ATSはこのように機能します。
訪問者がサイト運営者のウェブサイトにアクセスし、ログインするかメーリングリストにサインアップします。ログインの場合、Eメールアドレスはログインプロファイルの一部となります。このATSソリューションは、匿名の訪問者ではなく、既知のEメールアドレスを持つユーザーに対してのみ機能します。
ログインまたはサインアッププロセスの一環として、ユーザーの情報はLIVERampの大規模なアイデンティティリンクデータベースと一致していることに気付くでしょう。これは、単にオンラインでの閲覧証跡ではなく、オンラインデータとオフラインデータを結びつけて、人々のプロフィールとして作成するということです。
Clinge氏は、基本選択はアイデンティティリンクへのこのEメールアドレスの接続を受け入れることであると言っていますが、ユーザーは要求すれば停止できるオプトアウトが可能です。また、すべての宣伝での認証トラフィックソリューションの使用もオプトアウトできます。
ログインまたはEメールでサインアップした後、ユーザーのEメールアドレスは、サイト運営者のサイトのヘッダーにあるヘッダービディングラッパーを通過します。ヘッダービディングは、Googleが行ったウォーターフォール型のオークションプロセスとは対照的に、広告主と広告交換者が、広告を置くページ上のスペースに直接入札できるプロセスです。ラッパーは、複数のヘッダー入札プロセスをまとめる取り扱うものです。
ファーストパーティCookie内のトークン
Clinger氏は、ATSは人気の高いprebid.jsヘッダー入札ラッパーで利用可能であり、もうすぐ別の人気ラッパーでも利用可能になると述べています。ラッパーはすでに広告エコシステムと情報を交換するための方法を提供しているとしています。それが、ATSが定着している理由です。
ラッパーのATSは、その電子メールアドレスをLiveRampのアイデンティティリンクに渡し、ユーザーのフルプロフィールと照合されます。その後、ラッパーを介してトークンが生成され、サイト運営者サイトからユーザーのブラウザのクッキーに埋め込まれます。
クッキーはサイト自体から来ているので、ファーストパーティのクッキーとなります。つまり、AppleのSafariブラウザも認識し、他のブラウザでもサードパーティのクッキーよりも、よりよく扱うはずです。
ファーストパーティクッキートークンは、ラッパーを介してサプライサイドプラットフォーム(SSP)およびデマンドサイドプラットフォーム(DSP)にも渡されることで、特定のユーザー向けにデザインされた広告にターゲティングできます。ファーストパーティのクッキーは、ドロップしたドメイン(この場合は発行元のサイト)でしか読み取ることができませんが、ラッパーはそのドメイン内に存在し、そのトークンを抽出して読み取ることが可能です。
Clinger氏によると、このソリューションはファーストパーティクッキーでトークンを最初に広く活用したものであり、サードパーティクッキーの問題を回避し、デバイスやブラウザの認証も必要としないものだということです。後者は、ブラウザのバージョン、デバイスタイプ、オペレーティングシステム、設定などの固有設定に基づきデバイス/ブラウザの「指紋」を作成する、クッキーを使用しない追跡の代替方法ですが、Clinger氏は、これには次のような問題があると指摘しました。それは低い合致率です。
イニシアチブに基づく
ファーストパーティクッキーは通常7日間もちますが、訪問者がそのサイトに戻ったときに再生成されます。
Clinger氏は、ATSはLiveRampの活動に基づき、the Advertising ID Consortium社、Trade Desk社、およびInteractive Advertising Bureau社のDigiTrustが開始したイニシアチブに基づいていると付け加えました。これらのイニシアチブは主に、代わりに1つまたは少数のサードパーティのクッキーを共有することによって、広告エコシステムプロバイダー間で同期する必要がある数十または数百のサードパーティのクッキーを減らすことを目的としています。しかし、それでも、広告ネットワークなど、サイト以外でドロップされたサードパーティクッキーを使用しています。
ATSシステムの採用に関して、Clinger氏はLiveRamp(これまでアイデンティティリンクをあらゆるDSPに無料で提供していた)がATSを誰にでも無料で利用できるようにしているとし、現在、トップSSP5つのうち4つに参加すると語っています。
また、ATSは主にAppleのSafariを含むウェブブラウザのユーザーを対象としていますが、AppleのIDFAとアンドロイドのAAIDデバイス広告IDのアイデンティティリンクへの既に持っているマッチングを介して、モバイルユーザも追跡することができ、テレビやIPアドレスとも繋げることもできるだろうと語りました。
広告のターゲティングにファーストパーティクッキーを使用することについてどう思いましたか?