経産省の2016年の発表によるとEC(BtoCのみ)の市場規模は上昇基調を継続し、13.8兆円規模にまで拡大したそうです。コンビニエンスストアの市場規模が「10兆円」ほどとされているので、「ECはコンビニ業界を抜いた」と言えるかもしれません。
今後もEC業界は市場拡大を続け、2021年には現在の倍ほどまでに拡大するとの予想もありますが、確かにスマートフォンの普及やインバウンド需要、そして2020年東京五輪など追い風になる要因がたくさん見当たりそうです。
さてそんなEC業界ですが、当の本人である事業者たちはECの「いま/今後」にどんな視線を向けているのでしょうか?ECサイト構築/通販システム構築・支援を主要事業として手掛けている株式会社エルテックスから「通信販売事業関与者の実態調査2016」という調査レポートが公表されましたので、気になるところを抜粋してご紹介します!
▼「通信販売事業関与者の実態調査2016」レポート全文はコチラから
http://prtimes.jp/a/?f=d7894-20160829-9351.pdf
「ECのモバイル化/アプリ化」は進むも…
アンケート調査で実に9割超が「ECサービスのスマホアプリ化が進む」という目線を送っているようですが、確かに「囲い込み」という観点からも通知が飛ばせて、そのリアクションもいい「アプリ化」の流れは進みそうです。
ですが一方で、アプリを顧客がダウンロードしてくれるか?に関しては約3割のEC事業者がネガティブな目線を持っていることがわかります。スマホアプリが年間どれだけリリースされているか?を考えれば、うなづける結果かもしれませんが、この「アプリ移行」が一種のEC事業者の「ふるい落とし」のように作用する可能性もうかがえます。
実際に、「いま/今後の悩み・困っていること」の調査(複数回答)では、「新規客の獲得や集客方法」「通販事業の戦略や展開の方向性」を課題視する声が多くを占め、他業者との競合性が激化している様子もうかがわれます。
ECサービスのインフラ面の傾向
「モバイル化の現状」調査では、約5%の事業者が「対応していない・対応予定も無い」と回答する一方で、「対応済み」、「今現在対応していないが対応中か対応予定がある」事業者が94.4%に昇ったことから、モバイル化へのインフラ整備は着々と進んでいる印象です。
ただモバイル化の改善点を感じている事業者が半数ほどいることから、今後「UI・UX面」が注目されていくかもしれませんね。
またインフラと言えば「システム」面も気になりますが、
「システムの安全性」の項目は減少傾向にあり、システム面でのインフラ整備も進んでいることがうかがわれます。
これらのことから「EC事業者の競争は激化、インフラ・環境面では充実化」の傾向が見られるようです。
今後さらに市場規模を拡大すると見込まれるEC市場ですが、「モバイル化/アプリ化」がどのように進むのか、またその時「モバイル(アプリ)でのUI・UXデザイン」がフォーカスされてくるでしょうが、Webクリエイターが貢献できることなどじっくり考えてみたいですね!