まずは事実を確認しておきましょう。業界分析を先導するのは難しくないし、時間がかかるものでもない。
実際、以前に比べれば間違いなく簡単に調査・分析が行えるようになりました。
それはSNSのお陰です。
競争相手のアクティビティやトレンドが席巻している状況であっても、SNSを通じた業界分析は、ビジネスに有益なリアルタイムの情報を与えてくれます。
ではその情報をいかに活かすか?Sprout Social Indexのデータによると、下記の2タイプの投稿がSNS上で最も高いエンゲージメントを獲得しています。
1.フォロワーにとってタメになる情報
2.新商品や新サービスのハイライト
ここでのポイントは、業界分析する場としてSNSが最も適しているということです。競合他社がどう動いているのか、あるいは顧客が求めるものは何かといったことが知りたいのであれば、その間口は開かれているのです。
そう、SNSの声に耳を傾けさえすれば。
では、業界分析とは?
“業界分析とは、ターゲットオーディエンスや競争相手、顧客について分析し、類似商品とコンテンツを解析することを指す。”
SNSを見れば、フィルター等を使用せずとも業界で今起きていることを把握することができます。
競合他社のプロモーションを知りたいと思いませんか?顧客の間でバズっているネタが気になりますか?これらの問いに対する答えは、SNSフィードにあるかもしれません。
顧客がものすごいスピードでトレンドに乗っていくと同時に、ビジネスも同じ速度で展開する必要があります。ファッションやフードなどの流行に敏感な業界について考えてみましょう。最新のお祭りファッションやミルクシェイク風のインディア・ペールエールなどを扱うお店であっても、SNSへの意識が足りなければ、すぐに衰退していってしまうでしょう。
とはいえ、SNSに基づく業界分析は単に競合他社の動向を把握するためだけのものではありません。業界内での自社の立ち位置を知ることは、自社の今後の動きを考える上で重要です。これはつまり、自社の動きを客観的に見るため顧客の観察力を掘り下げることで、実際の買い手を理解し、同時に最新のトレンドの把握にもつながるということです。
私たちがSNSについて考え始めてまず頭に浮かぶのは、たいていが”いいね”とフォロワーの数ではないでしょうか。
しかしここでお伝えしたいのは、そのような虚栄心のためだけの測りについてではありません。次の3つの問いに対する答えを含む、SNSでの業界分析についてなのです。
1.現在、ターゲットオーディエンスが興味を示している商品は何か?
2.オーディエンスの期待が期待しているものと本当に求めているものは何か?
3.上記2つのポイントを把握した上で、競合他社とどのような立場で戦っていくか?
今すぐSNSで業界分析をすべき3つの理由(2)
詳細な報告やホワイトペーパーを読むことも有益ですが、SNSは業界分析する上でまた異なった利点を持っています。ここでは、なぜ現代の企業がSNSを意識すべきなのかを3つにまとめました。
正確性
繰り返しになりますが、SNSを通し、実際の顧客の本来の要望や期待をビジネスに取り入れられるようになります。オーディエンスの要望を推測しなくとも、オーディエンス自ら直接意見を伝えてくれるのですから。
手に入れやすさ
SNSでの業界分析で得られる情報の多さに圧倒されてしまうかもしれません。人気商品は?競合他社のコンテンツ戦略は?商品への反対意見と販売機会は?こうした情報はすべて、SNS上のオープンな投稿から得られるのです。
適時性
おそらくこれが、SNSで業界分析するうえでの最大の利点かもしれません。時間にシビアな調査やその日のデータ分析がすぐ必要といった場合に、リアルタイムな出来事や会話などをSNSで得ることができます。
SNSを用いた業界分析の方法
SNS分析のスゴいところは、調査のための会話が果てしなく続いていることです。
まあある意味では、挑戦ともいえますね。
森を見てどうして木を見ることができるでしょう?ここからは業界分析の手順と、ビジネスにおいて最も効果的な会話をする方法について解説していきます。
競合他社と顧客の話題を理解する
業界分析とは、競合他社と顧客、両者の動きを確認することです。
SNSを使えば、両者を同時に深く知ることができます。
ビギナーの方は、LinkedInで企業と業界の情報をフォローすれば、データに基づいた競合調査と顧客の変化の解明ができるでしょう。こうして、競合他社の足跡をたどると同時に、業界に関連する最新情報をキャッチできるようになります。
一方、TwitterやFacebook、Instagram等は、顧客の実生活と実体験に絞って調査するのに最適なプラットフォームです。これらのネットワークからユーザーらが実際に面している不便さをあぶりだすことで、業界内部の人間から見たトレンドを確認(あるいはそれに挑戦)するための糸口となります。
ここでのポイントは、SNSでの業界分析が、一度に様々な場にいられることです。一つのプラットフォームに居場所を限定してしまうと、必然的に会話が途切れることになります。つまり、必ずしもすべてのSNSでアクティブである必要はありませんが、最低でもインターネット上の流れには耳を傾けるべきということです。
そうすればほら、すぐに次のポイントが見えてきますよ。
関連業界の会話を探り、解明する
こうした戦略を実施するとなると、SNSの使い方が難しくなることは否定できません。したがって企業は業界分析を行う際、調査の精度を高める必要があります。
従来の調査とは異なり、業界用語やキーワードが実質的な調査の始点となります。ハッシュタグは多くのSNSでほぼ同じ役割を果たしています。そのため関連する用語(#fallfashionや#contentmarketingなど)から、トレンドや会話やインフルエンサーを見つけ出すことが可能となっています。
ハッシュタグの解析から、顧客と競合他社などが交わす、自社と関係のある会話を見つけられます。
競合他社については、ほとんどの業界分析が他社の動向やコンテンツを注視した内容となっています。フォロワー数と”いいね”の数が本来注意すべきポイントであるのに、これでは、優先順位が間違っていますよね。
競争相手の動きを観察することで、今後の戦略や主導権や新商品発表の参考になります。ではなぜ競合他社が多くのメンションを獲得しているのでしょう?彼らと比べて、自社の立場はどうでしょうか?
Herbal Essencesが最近発表した人畜無害な商品を例に見てみましょう。この宣言によって、Herbal Essencesは非常にポジティブな評判を集め、彼らの考えに賛同した顧客たちが集まったことで、他の競争相手を大きく引き離すことに成功したのです。
競合他社の動向と立場を理解することで、自社のレスポンスとSNSでのふるまいを適切に行いやすくなります。業界分析の成果を出すため、ぜひ私たちの作ったテンプレートを参考にしてください。
直接の競争相手だけでなく、自社の業界に影響力のあるブロガーやインフルエンサー、出版社も視野に入れてください。例えば、BuzzSumoのような競合分析ツールを利用すれば、ブログやSNSでよくシェアされている同業他社を見つけやすくなります。ここで見つけた人物や企業は自社にとって中立な存在ではありますが、彼らの意見は重視する価値があるといえます。
顧客との対話
これは言うまでもないほど基本的な事項ですが、業界分析にあたり、顧客というのは最高の情報源のひとつなのです。
考えてみてください。
彼らは自社を知っていて、信頼してくれている存在です。
そして、自社に求めるものを誠実かつ率直に教えてくれる存在です。
さらに、顧客が多ければ多いほど、企業の開示性、透明性や誠実性が高いことを示してくれます。ポジティブかネガティブかは関係なく、SNSでのフィードバックが業界内での自社の立ち位置を決定づけるポイントとなります。
こういうわけで、SNS上の意見や感想を無視すべきではないのです。批判や不満は、自社の方向性が正しいのか、あるいは改善すべき要望は何か、といった問題を解決するために有益なデータなのですから。
そしてこれがまさに、SNSの情報を得ることが業界分析に繋がる理由です。
SNSから今後につながる業界分析を行う方法
顧客との会話とトレンドの解明で先手を切りたいのなら、戦略的なSNS調査が重要なカギとなります。
とはいえ、何千もの投稿を延々とチェックするのは骨が折れますよね。そんな方のために、我々Sproutは、わずかな時間で業界分析を行うツールを開発しています。
Sproutのクエリビルダーでは初心者向けとして、業種に関連するメンションとキーワードの追跡をリアルタイムで行う機能があります。もちろんハッシュタグも含めて確認ができます。
投稿の広がりを確認する
あなたの会社や競合他社についての投稿を確認するだけでなく、投稿の広がりを確認することで、より深い分析が可能になります。つまり、自社へのメンション数を同業他社と比較できるということです。このようなタッチポイントは、ターゲットオーディエンスへのエンゲージメントをより率直に表してくれます。
センチメントを理解する
あなたの会社も競合他社もすでに十分な量のメンションが確認できているとしても、全てが完璧とはいえません。
なぜなら、自社へのメンションのウラには様々な感情が隠れているからです。ここから簡単にセンチメント分析ができるのです。
Sproutのセンチメント分析機能では、オーディエンスからの全体的な印象を分析することが可能です。その結果から、業界内でポジティブな印象を与えられているか、あるいは潜在顧客にとって魅力的な位置にいるか、といった判断をすることができます。同様に、SNS上での潜在的な問題点を洗い出し、その芽を摘み取ることもできるでしょう。
自社の成長を把握する
ご存知の通り、業界分析のゴールはインフルエンスと顧客数の向上です。Sproutのツールを用いてエンゲージメントを計測することで、自社が話題を集めているか、新たな戦略を自由に押し出せる状態かがきちんと把握できるようになります。私たちのツールが作成するソーシャル・リスニングレポートは、あなたの会社のパフォーマンスと成長の有無が一目でわかるようになっています。
ということで、業界分析のコツについての解説はこれにて完結です!
SNSを使った業界分析を行う準備は整いましたか?
SNS上には、以前では考えられないほど多くの業界情報があふれています。
同時に、余計な情報も多々混じっているでしょうが、ライバルに勝つためのヒントとなるような貴重な情報があることも確かです。
データを深く掘り下げることは、業界内の会話に耳を傾け、分析するための戦略的アプローチなのです。記事内で解説したポイントと(Sproutなどの)ツールがあれば、あなたもきっと、データを今後の活動に反映させることができるはずです。