全世界のプログラマのための質問掲示板サイトと言えば「stack overflow」が有名ですが、同サイトは毎年Web上でプログラマに向けたアンケート調査を行っています。その2015年版が先日公表されましたので、その一部をご紹介します。
まず今回のアンケート調査は、157か国26,086人のデベロッパーが回答を寄せました。回答者の国籍の配分は上図をご参考ください。
世界のWebデベロッパーたちへのアンケート調査
人口あたりのデベロッパー数
上図は、「国民1,000人あたりに対するデベロッパーの人数」が多かった国別ランキングですが、1位は「ルクセンブルグ(39.8人)」、2位が同率で「アイスランド、スウェーデン(35.0人)」と、ヨーロッパ勢が4位まで占める結果となりました。
Web開発の中心地は「米国」というイメージがありますが、確かに同サイトへのトラフィックの25%は米国からもたらされているものの、今回の人口対比という調査では北欧・西欧勢に軍配が上がった模様です。
一方で、人口比のデベロッパーの数が少なかった国は、
「ソマリア」「チャド」「北朝鮮」が0人。(※実際にデベロッパーが存在しないというわけではなく、「stack overflow」にアクセスしているデベロッパーがいないという意味です)
ランキング全体を見るとアフリカではデベロッパー人口が全体的に低いことがわかります。
デベロッパーの年齢
次に、デベロッパーの平均年齢ですが回答者全体では「20代」が53%と過半数が占めましたが、それを国別にしたのが上図です。
「stack overflow」にアクセスしている主要な国の最年長は「米国(31.6歳)」でしたが、先進国ほどデベロッパーの平均年齢が高く、インド・ロシアなど新興国は平均年齢が下がる傾向があったようです。
男女比
一方デベロッパーの男女比を見ると、圧倒的に「男性社会」。こちらはどこの国でも共通しているようですね。
(それにしても性別を尋ねるアンケートで「Other(その他)」と答えた0.5%の方は、どういう状態にある方なのでしょうか……?)
ちなみに「インド」は女性比率がまだ高いほうで、インドの回答者の15.1%を女性が占めたようです。今後プログラミング産業に女性が参画してくることが期待されますが、現在のところ女性プログラマの存在は世界でも希少のようです。
プログラミングを習得した学習法
(※【編集註】回答の総計から上図は複数回答と思われます)
続いてプログラミングを学習した方法についてですが、「独学(41.8%)」が最多。一方「コンピュータに関する学科の大学での教育課程(37.7%)」と「コンピュータに関する学科の大学院での教育課程(18.4%)」「コンピュータに関する学科の博士課程(2.2%)」ですので、高等教育機関でプログラミングを学んだデベロッパーが58.3%にも上ったのは興味深いですね。
世界的にプログラミング教育が盛んに行われていますが、そう遠くない未来に専門的な高等教育を受けたデベロッパーが人材市場に参入してきそうです。
最も使用されている言語
最もポピュラーに使用されている言語では「Javascript(54.4%)」、「SQL(48.0%)」、「JAVA(37.4%)」となりました。また全体的にC系の言語は以前として根強い人気という印象でしょうか。
最も愛されている言語およびテクノロジー
一方で、最もデベロッパーに愛されている言語およびテクノロジーでは「Swift(77.6%)」が最も支持を得たようです。
最も恐れられている言語およびテクノロジー
今度は逆にデベロッパーたちに恐れられている言語およびテクノロジーでは CRM/顧客管理を行うクラウドコンピューティング・サービス「Salesforce(73.2%)」がトップになりました。
使っているテキストエディタ
日本には「サクラエディタ」や「秀丸エディタ」がありますが、世界では「Notepad++」が最も人気のあるテキストエディタのようです。
まだデベロッパーのタイプによっても人気のテキストエディタは変わり、データサイエンティストやラーニングプログラム系のデベロッパーは「Emacs」を使う人が他のタイプのデベロッパーよりも3倍ほど多かったそうです。
Tab派?それともSpace派?
この両派に関してはたくさんの議論が重ねられていますが、コーディングの際インデントに使われるのは「Tab」派が優勢となりました。しかしさらにデータを詳しく見たところ、デベロッパーとしての経験年数が長いほど「Space」派が多くなる傾向があるとのこと。
いかがだったでしょうか?
こうして世界と比較してみると、日本と共通するところもあれば日本とは大きく異なるところの双方が見当たります。このほかにもデベロッパーなら興味深いたくさんのアンケート調査結果が「stack overflow」には掲載されていますので、一度チェックされてみてはいかがでしょうか?