・Intelは仕事のスケーラビリティ、セキュリティ、プライバシーを高めるために、他に例を見ないようなソリューションをいくつか導入しました。
・彼らは、AIやブロックチェーンの実装におけるセキュリティ、プライバシー、スループットに焦点を当てています。
コンピュータの未来は、人工知能(AI)アルゴリズムによるデータ集約にかかっています。ここ2, 3年の間に機械学習は驚くべき結果をもたらし、今ではいくつかの分野で商業的に利用されています。
ほとんどの場合において、機械学習アルゴリズムは機密情報へのアクセスを必要としているため、正しいデータへのアクセスを制限するとパフォーマンスに影響を与える可能性があります。最も注目されている技術の一つであるブロックチェーンでは、この問題はより深刻です。
ブロックチェーンでは、情報があらゆる場所に保存されています。記録は普遍で、全てのユーザーに分布しています。各ユーザーは秘密の暗号鍵を保持しています。しかし、ブロックチェーン技術にはプライバシーという大きな問題があり、ほとんどのブロックチェーンアプリケーションにおいて、ユーザーのデータが暗号化されているとは限りません。
AIのセキュリティ
人工知能の文脈におけるセキュリティは、2つの方法で実装することができます。
1.AIのためのセキュリティ。これは、AIに含まれるデータやパラメータ、アルゴリズムを保護するものです。
2.セキュリティのためのAI。これは、AIを用いてエクスプロイト(脆弱性利用型不正プログラム)の検出や分析を行うものです。
1つ目のケースにおいて、Intelはマルチパーティの機械学習を活用しています。アルゴリズムの完全性と重要なデータへのアクセスは、Intel SGXのような信頼度の高いハードウェアベースのネットワークで用いられている準同型暗号化を通して処理されます。準同型暗号化とは、暗号化されたデータを復号することなくシステムが計算できる暗号化の種類です。
さらに、データを1か所に移動できないアプリには、フェデレーテッドラーニングを使用しています。この場合、データの所有者らが協力して、予測モデルを共有し微調整(強化)します。
Intelは、フェデレーテッドラーニングの活用に際してAIをより便利で、安全で共有可能なものにするため、Duality, Fortanix, Dockerなど他の会社とも協力しています。
2018年4月、Intelはある脅威検知技術を発表し、「AI for security」の成果を向上させました。これは、高度なサーバー脅威やエクスプロイトの検出精度を上げるものでした。
ブロックチェーンのセキュリティ
Intelは、ブロックチェーン実装におけるスループットとプライバシーの両方をよりよく処理するために、オフチェーン・コンピューティングと呼ばれる新しい技術を導入しました。最近では、安全な分散型アプリケーションを構築しているEnigma社との協力を発表しました。
Enigmaは、メモリ上の実行保護領域であるエンクレーブを用いてコードとデータを保護するプライバシープロトコルを構築するために、Intelのセキュリティ技術とインテルSGXを活用しています。また、この機能をイーサリアムの公開台帳上のプライベート・スマートコントラクトに統合するそうです。
インテルはすでにSAPと協力して、信頼性が高く重要な情報の交換を伴う幅広いアプリケーションを改善するためのブロックチェーン・プルーフ・オブ・コンセプトを開発しています。インテルにとって重要なアプリケーションは、国境を越えた出荷プロセスです。
同社によると、同社の投資はサイバーセキュリティの現在の要求を満たすことができ、同社のもつ手段を脅威防御のライフサイクルにおいて積極的に候補にしていくとのことです。