三菱電機株式会社は、車載機器や産業用ロボットなどの組み込み機器上で実現する推論処理に必要な事前学習時間とメモリー量を大幅に短縮・削減した「ディープラーニングの高速学習アルゴリズム」を開発したそうです。
推論処理とは、既知の事柄を元にして未知の事柄について予想する識別、認識、予測などの処理のことを指すとのこと。
「コンパクトな人工知能」にこのアルゴリズムを導入することで、組み込み機器上で学習ができるようになり、使用環境に適応した、より高精度な推論を実現するのだとか。
この開発内容は、国際会議ICONIP2016(10月16日~21日・京都大学)にて発表。Springer社の「Lecture Notes in Computer Science」に掲載される予定だそうです。
同開発の概要と特長は次のとおり。
事前の学習時間とメモリー量を削減し、組み込み機器上での学習を実現
・新開発アルゴリズムで推論処理に必要な事前学習時間とメモリーを大幅に短縮・削減
・事前学習時間とメモリーが同社従来比約30分の1となり、組み込み機器に搭載可能
・組み込み機器上で学習、機器の使用環境に適応した高精度な推論処理を実現
人工知能の導入コスト抑制に貢献
・サーバーやネットワーク設備が不要で、人工知能の導入コストを抑制
・コスト抑制で、さまざまな分野へ適用可能。人工知能の活用範囲の拡大に貢献