Intelと言えばアメリカの超巨大企業で、世界のコンピュータチップ供給の大きなシェアを占めています。
Appleをはじめとするテクノロジー企業も多くの製品にIntelのチップを搭載しており、業界に大きな影響を与えているのが現状です。
AppleのIntel離れ
AppleはiPad向けのSoC(System on Chip)にAシリーズ(ARMベースのCPU)の導入を発表しています。このAシリーズのチップはiPhone7にも搭載されており、十分なパフォーマンスを発揮。アナリストによると、現行のローエンドMac製品に比べて遜色なく優秀で、Appleの主力である同製品への採用も現実的にあり得ると言われております。このモバイル向けチップの性能向上が、Intel離れがささやかれている原因です。
ユーザーへの影響
Appleがこのチップを採用すると、一体ユーザーにはどのような恩恵があるのでしょうか? 考えられていることを以下にまとめました。
・より長いバッテリー駆動時間
・より薄型のデバイスデザイン
・CPUのファンが不要になる → 動作音がほとんどなくなる
いいことばかりです。このCPUの特徴から、よりユーザーが使いやすい省スペース、省エネルギーのMacBookの設計が可能になります。その選択肢に加えて、macOSがサポートするiPad Proへの搭載もオプションとして考えられます。
ライバルであるWindowsのSurface Proの成功からわかるように、iPadも大画面化し“キーボードとトラックパッド不要のMacBook Air”のような進化を視野に入れているでしょう。
Appleにとってのメリット・デメリット
▼メリット
・他社の製品に対して、この開発されたSoCを活用し独自の設計や機能が可能となりアドバンテージを得ることが出来る。
・Aシリーズを広く製品に導入すれば規模の経済が働き調達コストの低減につながる。
・macOSとiOSの統合が可能になり、それによって開発リソースを効率的に活用することが出来る。
▼デメリット
・新しいハードウェア構成に対応するための、現在リリースされているアプリケーションの再開発必要性(AppleはiOSとMacOSの間ですでに経験済み)。
・CPUシステムの変更は操作性やモバイル性を向上し一般ユーザーを満足させることは出来るかもしれない。しかし、コアユーザーを失望させないためには、この大規模なアーキテクチャー変更を活かして革新的な機能提供が必要。
技術的にはおそらく可能なところまでたどり着いています。あとは、上記で述べたメリットの最大化、デメリットの克服を踏まえた経営判断の問題だと思われます。昨今のハードウェアのトレンドから見て、母機とモバイルデバイスはどんどんマイグレーションされていく傾向があります。
Appleはこのトレンドをどのように解釈して判断を下すのか、今後も注目したいところです。
この記事は「Will Apple move away from Intel?」を翻訳・参考にしています。