デートアプリ市場分析レポートで発表されたデート市場の売上から、2019年にも引き続き流行るアプリの動向ついて見ていきましょう。
2018年のマッチングアプリ売上規模は?
2018年デートアプリ市場売上規模、168億2千万円
売上1位デートアプリ「タップル」、2018年総売上高53億5千万円
(引用元:http://jp.mobileindex.com/report/report_view.asp?s=87)
2018年のデートアプリ(マッチングアプリ)の売上規模は100億円を大きく超え、168億円となりました。「これはどれくらいすごいの?」と思われる方も多いかもしれませんね。
同年のeスポーツ市場が50億円弱の売上規模なので、約3倍程度の売上となります(eスポーツ市場は2022年にようやく100億円規模となることが予想されていますから、デート市場がどれだけすごい勢いで伸びているか分かりますね)。
1年間の市場伸び率は驚愕の112%
1月の10.7億から、10月にかけて急激に伸びて17.5億円。12月までの1年間でなんと112%も市場規模が伸びていることが分かりました。単純に1月と10月だけを比較すると166%も伸びています。
特に7月以降に急激な伸びを見せていますから、デートアプリは恋人が欲しくなる夏に伸びる傾向があるのかもしれませんね。2019年も引き続き市場は拡大していくものと思われます。
個別アプリの売上げランキングから分かる、日本のデートアプリ市場の傾向
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 |
---|---|---|---|---|
タップル | Pairs | ハッピーメール | Tinder | Omiai |
6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 |
with | クロスミー | ゼクシィ縁結び | チラスタ | イヴイヴ |
個別アプリの詳細に入る前に、日本のデートアプリのざっくりとした傾向をまとめてみました。
恋活系アプリが強い
上位5位までは遊び目的~恋活目的のアプリが多い印象です。
具体的にタップルやハッピーメール、Tinderは恋活アプリの中でも遊び目的寄りですし、PairsやOmiaiは正統派の恋活アプリです。10位まで見ても、本格的な婚活系アプリはゼクシィ縁結びしか見受けられませんでした。
このように日本では真剣な婚活目的のアプリというより、カジュアルに使える恋活系アプリが多く使われていることがデータから分かります。
月額制アプリが多め
タップルやPairsは言わずもがな、10位までにランクインしたアプリのうち8つは月額制で課金要素のあるアプリです。例外としては、3位のハッピーメールと9位のチラスタがメッセージごとの課金制アプリとなっています。
TinderやPairsなどの月額制アプリが2012年当初の流行だったことを考えると、納得の流れかもしれませんね。日本では月額制のアプリが多く利用されており、利用ユーザーは月額料金を払うことに対して抵抗を感じていないという傾向が日本にはあると思われます。
チャット系アプリは1つのみ
9位にランクインしたチラスタは厳密には出会い系アプリではなく、チャット系アプリです。チラスタはアプリ内の利用規約で異性との出会いを禁止していますし、出会い系業者に必要な届け出を提出していません(インターネット異性紹介事業の未提出)。
このため直接的に連絡先を交換してデートをするというのは違法行為となりますが、実質的に出会えてしまうグレーゾーンのアプリであると言えますね。口コミを確認してみると、悪質なサクラが多いといったレビューが多く見受けられます。
このように日本のデートアプリ市場はサクラアプリが大きな売上を立てるなど、まだ発展途上である様相が浮き彫りとなっていますね。
とはいえ他の上位のアプリに関してはきちんと出会える仕組みが整っていますので、安心してください。
1位-5位までのアプリの売上規模と、各アプリの特徴
続いて、個別アプリの売上規模に移っていきましょう。
1位からタップル、Pairs、ハッピーメール、Tinder、Omiaiという順番になりました。
具体的にどういった点で優れたアプリなのか、30人へのアンケートから判明した口コミを見てみましょう(2019年5月17日、クラウドワークス調査)。
1位 タップル誕生の口コミ
・タップルは男性も女性も美男美女が多くて見ていてワクワクする。(20代女性)
・若い子が多く、出会いやすさも抜群(30代男性)
・タップルは日本版のティンダーのようで、使いやすい。(30代男性)
・広告をよく見るので利用している人が多い(30代男性)
・遊びや付き合いを探してる人が多い印象。比較的に軽めな印象。(20代男性)
タップル誕生はさくさくとタップして相手を選ぶ操作性がTinderと似通っており、日本版Tinderとしての地位をしっかり獲得しています。売上ランキングでは堂々の1位となり、他アプリと大きくその売上を引き離していることが分かりますね。
2位 Pairs(ペアーズ)の口コミ
・登録者がマッチングアプリで段違いに多く、幅広い種類の人がいる(30代男性)
・値段が安いイメージ。実際に会えた(30代男性)
・出会える、という印象が一番強い、新規登録いいねが一番多くもらえる(20代女性)
・付き合いや結婚を考えている人向け、真剣な人が多い印象。(20代男性)
・タップルかPairsかと比べられるほど高評価。(30代男性)
堂々の売上げランキング2位を記録したPairsは、高評価な口コミが多数。「しっかり出会える」「結婚向きな出会いが期待できる」といったイメージがあることが分かりました。
タップルと比較して真剣交際向きな人も多く利用しており、高すぎない価格帯でバランスの良い料金体系を実現しています。利用者の人数の多さから、真剣交際したい男女にとっては欠かせないアプリだと言えるでしょう。
3位 ハッピーメールの口コミ
・比較的、会いやすい方だと思う。(20代男性)
・身体目的で最初から近づいてくる人が多いイメージ。(20代女性)
・昔ながらの出会い系といった感じで、遊び目的の男性が多い。(30代女性)
・変なテキストを送ってくる人が多い。(30代女性)
・ちょっと出会い系というか軽いイメージ(20代女性)
・SNSを利用してると必ず見かけるほど広く知れ渡っている。(30代男性)
3位のハッピーメールは2000年前後に流行した出会い系サイトの流れを汲んでおり、「昔ながらの出会い系」「軽いイメージ」「変なテキストが送られてくる」といった口コミが寄せられました。確かに広告面では予算をかけて課金されているアプリではありますが、全体的なイメージとしては遊び目的といったものが大半で、どうしても過去のイメージを払拭できていない印象です。
4位 Tinderの口コミ
・パパ活などで活用している人が多いイメージ。(20代女性)
・男性も無料なので登録者が多く、すぐにpkeが来て煩わしい。真剣に恋活をしている男性は少数だと思う。(30代女性)
・世界的に有名なアプリなので、使用者数がとても多い。(30代男性)
・若い年齢の方が多いので会いやすいイメージ。(30代男性)
・友達募集をしている日本人が多い。外国人対象だと結構出会える。実際に彼氏ができたことがある。(30代女性)
Tinderはアメリカ発のデーティングアプリで、現在の市場の流行を作ったハシリのアプリだと言えます。男性でも無料で使えるのがウリですが、利用者が多いからか課金ランキングでも4位に輝きました。しかし多様な目的で利用している男女が多くなっており、パパ活女子やMLMなどのネットワークビジネスの勧誘が目立ちます。
5位 Omiaiの口コミ
・軽いノリの男性が少なく、真剣な婚活向きのアプリだった。(30代女性)
・婚活と恋活を扱うバランスの良いサイト(20代男性)
・30代以上が多く真剣に結婚を考えてる人向き(30代男性)
・男性にとっては料金が高いのではと思いました。(30代女性)
・まじめな人が多くハイスペックな人が多い(20代女性)
OmiaiはPairsよりは後発ですが、マジメ路線で30代を中心に人気を博しているようです。Pairsよりフォーマル寄りなため、より年収やスペックが重視される傾向にあります。
6位-10位までのアプリの売上規模と、各アプリの特徴
6位のwithまでが10億円を超える売上を達成しており、7位以下のアプリを大きく引き離しました。
7位以下のアプリは聞き慣れない名前のものもありますが、どういった特徴を持っているのでしょうか?
さっそく詳細を見ていきましょう。
6位 withの口コミ
・会話のテンプレートがあったので参考になりました。(30代男性)
・性格や自分の理想に忠実で良いと思った(20代女性)
・若者の出会いにおいては利用する価値はあり(20代男性)
・Pairsの簡易版といったイメージです(20代女性)
・メンタリストが監修している。評判が良い。(30代女性)
6位のwithはメンタリストのDaiGoさん監修アプリということで、20代の若者中心に人気のアプリとなっています。価値観診断コンテンツが豊富に用意されており、より適した相手とマッチングする仕組みが整っているようです。
7位 クロスミーの特徴
・学生に人気のアプリ(学生割あり)
・位置情報からマッチングできる
・Tinderより安心して利用可能
といった特徴があるアプリです。売上規模は2.5億円と他のマッチングアプリと比較して伸びていませんが、学生を中心に都市部では使われているのかもしれません。
8位 ゼクシィ縁結びの特徴
・婚活よりのマジメ系アプリ
・ゼクシィブランドで安心のイメージ
・デート調整サポート機能がある
婚活で有名なゼクシィグループが運営するアプリが8位となりました。本格的な婚活系アプリでサポートがあるものとしては、初のランクイン。デート調整サポート機能があるため、お見合いコンシェルジュにデート調整をしてもらいたい人におすすめできるでしょう。
9位 チラスタの特徴
・チャット系トークアプリ
・出会いは利用規約で禁止されている
・しかしグレーゾーンで出会えるアプリ
18歳未満でも利用できてしまうグレーゾーンのチャット系トークアプリがチラスタです。ポイント課金制で、「エッチなお姉さんが課金を促してくる」といったサクラを匂わす口コミも見受けられますが実態は不明です。いずれにしても18歳未満と出会えてしまう危険なアプリであるため、課金はやめておいいたほうが無難でしょう。
10位 イヴイヴの特徴
・完全審査性アプリ
・写真審査があるため、きちんと写真で判断したい人におすすめ
・年齢層が若めで、美男美女が多いと噂がある
Youtubeチャンネルも開設していて若者向けの審査性アプリであるイヴイヴ。売上規模は1.1億円と控えめですが、若者中心に一定のニーズはあるようです。
どのマッチングアプリを本気でおすすめできる?
「どのアプリが本気でおすすめできる?」と調査した結果、以下の結果となりました。
1位がPairsですが、2位が売上規模6位のwithと大健闘の結果に。確かに、若者に人気で価値診断コンテンツなどよりマッチング度を高める取り組みが多いwithが好印象なのはうなずけますね。その理由についても見ていきましょう。
・メンタリストの方が監修しているので、ここでマッチングした方とは相性が良いと思うから(20代女性)
・少し前はタップルなどの評価が高かったが、Omiaiやwithのほうが真面目な人に出会えるようなので。(30代女性)
・自分にぴったりの人と出会えるので、失敗が少ないから(20代男性)
・友人も比較的まだ若いので若い相手を探したいと思うから(20代男性)
・それなりに出会いも多く、まじめな人も多いので。(20代女性)
よく使われているマッチングアプリまとめ
よく使われているマッチングアプリについて、売上規模のデータやアンケート調査から各アプリの特徴まで見ていきました。
日本では恋活系アプリが主流となっており、Dineなど本格的なデーティングアプリはまだ売上を確立できていないようです。
2019年以降この流れがどう変わるか、目が離せませんね。今後もデーティングアプリ市場に注目していきましょう。