日本産業カウンセラー協会は、2007年から9月10日の「世界自殺予防デー」にあわせて「働く人の電話相談室」を開設しているそうです。本年は9月9日~11日の3日間に、電話相談を実施。期間内に延べ467人から756件に及ぶさまざまな相談を受け、その内容について集計を行い分析結果を公表しました。
特に昨年までの過去9回実施してきた「働く人の電話相談室」で大きく8つに分類していたカテゴリのうち「職場の悩み」に関して常に相談割合が多い結果となっていたことから悩みを傾聴し今年度は「人間関係」「ハラスメント」に注目しデータを集約したそうです。
「職場の悩み」についての相談が最も多く男女合計で266件、全体の約35.2%でした。「職場の悩み」の中でも「人間関係」が最多で106件。また、ハラスメントに関する相談は78件でした。
「職場の悩み」として「職場の人間関係」「セクハラ」「パワハラ」「その他ハラスメント」に関する問題を抱える相談者の半数以上の52.7%は職場の上司との関係性について、26.6%が同僚との関係性について悩んでいることがわかりました。
ハラスメントの内容について、サービス残業や長時間労働の強要、通常の休暇を取得させない、不当な給与カットや賞与の不支給、職場内のグループから仲間はずれにされたり、無視される、容姿や性別・年齢を悪しざまにしたもの、暴力行為、「もう来なくていい」などと罵倒され強制的に退職を奨められたり不当に解雇されたりとセクハラ・パワハラに関する相談が多数寄せられたそうです。
その他にも、子どもを持つことができない女性に対して「子どもを作った方が良い」や育児休暇明けに望まない部署へ異動させられ、元の部署に戻してもらえないなどの相談も寄せられており、なかでも特に「パワハラ」に関する悩みが、昨年は44件でしたが、今年度は「人間関係」に次いで多い57件という結果になっています。
「働く人の電話相談室」に寄せられたハラスメントの内容のなかには、犯罪が想像される事例も含まれていたそうです。日本産業カウンセラー協会では、被害を受けた場合、1人で抱え込まず、身近な人や公的機関に相談することをおすすめしているようです。また「働く人の悩みホットライン」も開設しています。
「働く人の悩みホットライン」03-5772-2183
・月曜から土曜までの午後3時から午後8時まで
・相談時間は一人1回30分以内