福岡博多を起点にすると、北朝鮮の首都である平壌までの距離はおよそ733km。この距離は福岡から東京に行くよりも近い距離にあたりますが、「近くて遠い国」という言葉が表す通りその実態は謎のベールに包まれています。
これだけ世界中にインターネット網が発達しているのですから、北朝鮮国内からなんらかの情報がリークされてきてもいいような気がしますが、そういうニュースはほとんど聞きませんね。
北朝鮮のインターネット事情は一体どうなっているのか気になるところですが、その点を調査した記事がありましたのでご紹介します。
北朝鮮のTLD「.kp」を使用してるのは28サイトのみ
まず基本的に北朝鮮のインターネットは分離されており、国内のみからしかアクセスできません。でもDNSレコードを見ることで設定エラーが返ってくるため、その全容を推測することができるそうです。
例えば、北朝鮮のTLD(トップレベルドメイン)は「.kp」ですが、このドメインを使用しているWebサイトはたった「28サイト」のみ。この28サイトのすべてを確認したところほとんどはデッドリンクになっているのですが、いくつか閲覧できるものもあります。
その一つが「cooks.org.kp」。北朝鮮料理に関する情報が掲載されているWebサイトです。また唯一「.kp」ドメインを商用利用している企業は「シリ銀行」という銀行でEメールサービスを北朝鮮の市場に提供していますが、Webサイトのほうはダウンしていました。
調査時点だと、北朝鮮のトップレベルネームサーバー(ドメインネームをIPアドレスにマッピングするもの)の一つは、グローバルなDNSゾーンからの転送設定が間違って設定されている状態にあるようです。
これらを見ると、北朝鮮国内の人々がインターネットを利用している状況は「かなり限定的」と言えそうです。
実際に「cooks.org.kp」にアクセスしてみましたが、ページが表示されるまでに3分以上かかり、使い勝手は良くないです。でも動画コンテンツが置いてあったり、メニュー欄は「英語」対応していたりと、不思議なところも……。
ニュースや報道で伝え聞く北朝鮮とはまた違ったインターネット上の北朝鮮があるのかもしれませんね。
(※本稿は「Here’s how small the North Korean Internet is」を翻訳、再編集したものです)