・最新器具は、外部電源に頼らずに熱を一時的に寒いエリアから熱いエリアに促してくれます。
・この過程は準平衡状態が続く中で起こり、完全に熱力学第二法則に従っています。
キッチンテーブルの上に、あったかいお茶のコップを置くとどうなるでしょう?ゆっくり冷めていきますが、テーブルの温度が下がるわけではありません。
このような毎日の出来事は、熱力学第二法則を上手く説明していて、孤立されたシステムの均質化はいつでも時間と共に増加するのです。別の言葉で言うと、熱は暖かい場所から寒い場所へと移動します。その反対は有り得ないことなのです。
現在、チューリッヒ大学の調査グループは、外部電源を一切使わずに、一時的に熱を寒いエリアから熱いエリアに促す簡易的な器具を制作しました。とても好奇心をそそる実験です。なぜなら、このシステムが物理学の基本法則に大きく反するからです。
ペルチェモジュール
研究グループが行ったある実験では、小さな銅の部品を、外部電源なしで100度から22度まで下げることに成功しました。彼らはペルチェモジュールと呼ばれる方法を使用し、―これはホテルの部屋の冷蔵庫などでよく使われます―電流を温度調節に変換することができます。
参照:科学進歩| DOI:10.1126/sciadv.aat9953 | UZH
彼らのグループは、以前のテストでもすでにこのモジュールでを使用し、実験を行っています。これは熱のインダクタとして機能し、活発的に運動する熱回路内での熱容量を、正確に測定することができます。
この実験では、外部電源(それか内部の隠れた電源)が存在しなくても、モジュールが受け身の通り道として、役割を持っていることが調査員からわかりました:熱の流れに沿って特定の熱慣性を乗せることで、2つの大きな物体間で温度調節ができ、サインを変えることが可能なのです。
このシナリオでは、熱が寒いところから熱いところへ一時的に移動され、すでに冷たい物体もより冷却されることが可能です。理論的には、この最新器具を使って、外部電源を消費することなく熱湯までも凍らせることができるのです。
このシステムが物理法則に逆らうことはありません
少し時間が過ぎると、熱は別種類のエネルギーに変換することなく、冷たい銅から暖かいお風呂へと渡っていきます。この過程は一連の準平衡の状態を通して起こるので、完全に熱力学の第二法則に従っているのです。
熱は、寒いエリアから暖かいエリアに流れているとはいえ、システムの均質化は単純に時間と共に増えていきます。
この実験で使われたペルチェ要素の制限された能力により、調査員たちは、周囲の温度と比べて摂氏2度の変化しか得られませんでした。
理論上‘理想的な’ペルチェ要素は、同じシナリオでもマイナス47度までの冷却を可能としています。調査グループはこれから、大幅な電気損失を軽減するため、インダクタの超伝導使用に挑戦する予定です。
材料科学のさらなる進展の中、技術のおかげで、様々な熱力学商品も外部電源や可動部分がなくても、室温以下の冷却効果が得られるようになるでしょう。