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エコな次世代飛行機 可動部品のない静音・軽量飛行機の実験に成功

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本記事は、The First-Ever Silent, Lightweight Aircraft With No Moving Parts November 27, 2018 2 min read
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約2分10秒

• この新型飛行機はタービンやプロペラなしで飛ぶことができます。
• 動力源は「イオン風」で、これが小型飛行機を飛ばすのに十分な推進力を生み出します。
• 研究者たちがこの機体を60メートル飛ばすことに成功しました。

 

世界初の制御式の重航空機は、1903年にライト兄弟によって発明されました。さらにその1年後、彼らは初めての実用固定翼機の開発に成功しました。それ以来、ほぼすべての飛行機が、タービンブレードやプロペラのような可動部品の力を借りて飛んでいます。

 

ところが最近、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちが、可動部品のない小型飛行機を開発し、実際に飛ばすことに成功しました。これは史上初の、タービンもプロペラも使わない飛行機です。代わりとなる動力源は「イオン風」 - 機体の上で発生するイオンの流れが、小さな飛行機を長い距離(何メートルも)飛ばすのに十分な推進力を生み出すというものです。

 

この新型飛行機のデザインは、従来よりも機械構造的にシンプルで騒音が少なく、化石燃料を必要としません。研究者たちによれば、これは次世代飛行機の新しい可能性の扉を開くものだということです。近い将来、このようなシステムが騒々しいドローンに取って代わるかもしれません。それだけでなく、従来の燃料システムと組み合わせて、燃費の良いハイブリッド飛行機を作ることもできるかもしれません。

 

どうやって飛ぶの?

イオン風という概念の誕生は、1920年代にまでさかのぼります。正負の電極の間に高電圧の電流を通すことによって推進力を生み出すという方法で、研究者たちは2009年にこの概念の導入に着手し、9年の歳月をかけてテスト飛行までこぎつけました。

 

従来のエンジンと違って、今回の新しいデザインでは前方に細いワイヤの配列で構成された電極、後方に翼型の電極がついており、この前方の電極に+20,000ボルト、後方の電極に-20,000ボルトの高電圧を同時に流します。

出典: Christine Y. He

 

これによって電界が形成され、イオンがプラス極からマイナス極へと移動する際に、大気中の中性の空気分子とぶつかって、機体の後ろに向かって風が発生するというわけです。これが、今回の飛行機の原則的な仕組みです。

 

デザイン

このプロジェクトの最終的なデザインは、軽量で大型のグライダーのような形をしています。細いワイヤーと太いワイヤーが5メートルの長さの翼に並んでおり、これがプラス極とマイナス極の役割を果たします。機体全体の重さは、わずか2.45キログラムしかありません。

 

電源となるリチウムポリマー電池が、軽量のパワーコンバーターを介して40,000ボルトの電流を供給します。この電気がワイヤーを通ってイオン雲を作り出し、一つひとつのイオン分子が中性の空気分子の中で何千回もぶつかり合います。これが飛行機が前に進むための推進力を生み出すのです。

研究者たちは、この小型飛行機を10秒ほど、距離にして60メートル飛ばすことに成功しました。この実験は10回繰り返され、いずれも同じ成果を得ることができたといいます。

 

今後の展開

しかし、これはイオン風による推進技術の実現可能性を示すものに過ぎません。彼らが行ったことは、実用的なプロジェクトに採用するにはまだ不十分です。そのためにはもっと長距離を、より重い荷物を運んで、効率的に飛べる飛行機でなければなりません。

 

研究チームは、より少ない電気で強いイオン風を起こそうとプランを練っていて、上手くいけばシステムのさらなる効率化を図ることができるでしょう。現在、推力密度 - 単位面積あたりに発生する推進力を増やす試みを行っているほか、見えない推進システムや、エレベータ(昇降舵)やラダー(方向舵)のような可動する操縦舵面のない機体を開発したいとも考えています。

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