かつて宇宙の中心にあると信じられていた地球は、現在でも生命が存在する唯一の惑星です。放射性物質やその他の証拠によって、地球は40億年以上前に形成されたとされています。
その誕生から10億年の間に、いくつかの単純な生命体が地表に出現し、それ以降が歴史となっています。皆さんは、この母なる地球についていろいろなことをご存知だと思いますが、それは本当にすべてでしょうか? この記事では、あなたが知らないかもしれない地球に関する15の事実をご紹介します。
地球の概要
赤道直径:12,756 km
極直径:12,714 km
質量:5.9×10の24乗kg
表面温度:-88~58℃
表面重力:9.807m/s2
天然衛星:月
15. 地球は神の名を冠していない
このアラ・パキス【アウグストゥスの平和の祭壇】の中心にいる人物は、母なる女神、地球である。
古代ローマ人は、太陽系にいくつかの惑星を発見した後、それらの惑星に神々の名前をつけました。これらの惑星は、水星(商業の神)、金星(美の神)、火星(戦争の神)、そして最大の惑星である木星(空と雷の神)と土星(富と農業の神)です。これらに相当するものは、他の古代文化にも見られます。
天王星と海王星が近代的な望遠鏡によって発見されたとき、科学者は惜しみなく他のローマ神話の神々の名前をつけました。現在惑星に分類されていない冥王星は、ローマ神話の冥界の神にちなんで命名されています。地球は、直接的にはローマ神話の神々にちなんだ名前ではありませんが、Tellus Mater(テルース・マーテル【母なる大地】)またはTerra(テラ【大地の女神】)と密接な関係があります。
14. 地球上の1年は正確には365日ではない
正確には365.2564日です。なぜカレンダーには4年ごとにうるう年があるのか、不思議に思ったことはありませんか? それは、この0.2564日の余分な日数のためです。これは単純な計算で、4年後の2月に0.2546日分の日数を追加してバランスを取っているのです。ただし、1年が100で割り切れる場合(400で割り切れない)、このルールは適用されません。
13. 真の「地球日」
地球と星の関係を示す長時間露光写真
地球が自転するのにかかる時間は、ちょうど23時間56分4秒で、天文学者はこれを「恒星日」と呼んでいます。では、地球日【地球の自転周期に基づく地球上での1日】は私たちが思っているより4分ほど短いのでしょうか? いいえ、そうではありません。恒星日とは、遠くの恒星に対して地球が1回転する時間を示すものです。
ですから、夜中に自分のいる場所の上方にある星を記録しておくと、23時間56分4秒後にその同じ星が再び同じ位置に現れることがわかります。しかし、私たちは地球上の時間を太陽に合わせて測っているのであって、遠くの星で測っているわけではありません。私たちの惑星が太陽の周りを1周するのにかかる時間は約365.25恒星日ですが、遠くの星は今までに約366.25回、同じ場所に現れているはずなのです。
つまり、1恒星日を23時間56分4秒、約86164秒とすると、これに366.25恒星日をかけると31557565秒、365.25日で割ると86400秒、ちょうど24時間で地球の1日ということになります。
12. 太陽系で最も密度の高い惑星である
地球の内部構造の断面図
太陽系最大の惑星のうち4つは主にガスでできており、太陽系で最も密度が低い惑星であることはご存知のとおりです。そのうち火星は平均密度が3.93g/㎤であり、太陽系で5番目に密度が低い惑星です。残りの3つの惑星の密度はほぼ同じで、地球は5.514g/㎤とわずかに高いです。
地球の密度も様々です。内核が最も密度が高く、次いで外核、マントル、地殻(最も密度が低い)となっています。
11. 地球の磁場
地球の磁場のコンピュータ・シミュレーション
地球にはかなり強い磁場があり、そのおかげで人類やすべての生物は致命的な太陽放射から安全でいられるのです。地球の磁場がどのようにつくられているかご存知ですか? 地球の磁場は、太陽系のほとんどの惑星と同じように、その核から発生しています。ただし、金星には大きな磁場はありません。
10. 地球の主な構成要素は酸素、鉄、ケイ素である
私たちの地球は、たくさんの物質が詰め込まれた冷蔵庫のようなもので、それらを整理する必要があります。分別してみると、鉄が約32.1%、酸素が30.1%、ケイ素が15.1%、マグネシウムが13.9%、硫黄が2.9%、その他微量な元素となります。
9. 地球の大気は1万kmまで広がっている
地球の大気層で最も外側にあるのは外気圏で、約700kmの熱圏または外縁部から、海抜1万kmで太陽風と出会う地球大気の外縁部まで広がっています。外気圏の大部分はヘリウムと水素で構成され、外縁部付近には窒素と二酸化炭素が存在します。そして、地球の人工衛星のほとんどはここに駐留しています。
面白いことに、水星やガリレオ衛星、月といった太陽系の大きな衛星は、表面境界外気圏と呼ばれる、下方に密度の高い大気がない外気圏を持っています。
8. 最も高いところから最も深いところまで
海から見たマウナケア山
ハワイのマウナケア山は休火山で、太陽系で11番目に高い山(山麓から山頂までの高さ)であることをご存じでしょうか? マウナケア山の大部分は海中にありますが、山麓から山頂までの高さは1万m以上あり、地球上で最も高い山なのです。
地球上で最も深い場所は、西太平洋のマリーナ海溝にある深さ約11kmのチャレンジャー海淵です。1870年代、HMSチャレンジャー号によって初めて発見されました。それ以来、深海への探検は2回しか成功していません。
7. 地球の形
地球は、「丸」ではなく、「ジオイド」であることをご存知でしょうか? ジオイドとは、実際の地球が重力や自転などの影響を受けてどのような形になるかを数学的に近似したものです。【回転楕円体に近い形で、多少凹凸がある】
6. 地球の自転は遅くなっている
地球の自転は、地球が人類にとって住みやすい星であるために重要な役割を担っています。自転速度が変わると、天気や昼夜、海の波のリズムに大きな影響を与えます。過去の天体物理学の記録を多角的に分析した結果、地球の自転は100年に2.3ミリ秒の割合で実際に遅くなっていることがわかりました。地球の自転は時間とともに徐々に遅くなっているため、昔は昼の時間が短かったのです。これは、月が地球の自転に及ぼす潮汐の影響によるものです。
5. 地球の軌道上衛星
地球から見て、豆粒のような軌道を描いているように見える「クルースン」。
巨大ガス惑星や火星と異なり、地球には衛星がひとつしかありません。それでも、地球と共軌道に組み込まれている小惑星が少なくとも1個あることをご存知でしょうか? それは「3753クルースン」と呼ばれる小惑星で、幅5kmほどの豆粒のような軌道で太陽の周りを回っています。地球の周りを回っているわけではありませんが、地球から見て太陽の周りを相対的に回っているため、あたかも地球についてきているように見えます。
4. 地球のマントルに存在する水
近頃、ドイツと日本の科学者チームが、地球のマントルに大量の水が存在していることを示す有力な証拠を発見しました。ここ数年、地球のマントルは多くの科学的議論の中心となっていました。マントルの上部と下部にはほとんど水が存在せず、研究者はそれらの層に存在する物質を調べることによってそれを確認することができました。
ところが、マントルの中間層には、水を運ぶ能力の高いウォズレアイトやリングウッダイトといった鉱物が存在するため、大量の水が別の形で存在するのではないかという指摘が多かったのです。研究者らは、合成リングウッダイトを含む一連の実験とラボでのシミュレーションを行った結果、中間マントルのこれらの湛水鉱物は、海洋に存在する水量とほぼ等しい量の水を有している可能性があることを推論することができました。
3. プレートテクトニクスの美しさ
GPS(全地球測位システム)に基づくプレートの動き
プレートテクトニクス理論は、人類の歴史を通じて大陸が大規模に移動したことを説明する科学的な理論として、現在最も有力なものです。このモデルは、有名な大陸移動説に基づいており、1950年代に海底の広がりが検出された後、初めて社会的に受け入れられました。
太陽系においては、プレートテクトニクスの現象は地球でしか見られませんが、最近、研究者によって火星でのプレートテクトニクスの新しい兆候が発見されました。プレートテクトニクスとは、基本的に岩流圏【硬い岩盤である岩石圏の下にある、流動的なマントル層】の上に浮かぶ、上層または地殻のことです。日本で地震が頻発しているのも、環太平洋火山帯の火山活動が活発なのも、厳しい造山活動(ヒマラヤ山脈)があるのも、このプレートテクトニクスがあるからです。
2. 地球上の不均一な重力
NASAのGRACE衛星による重力異常マップ
1960年代、カナダのハドソン湾周辺に、地球上のどの場所よりも重力の影響が小さい反重力地帯があることが発見されました。長年にわたる研究の結果、この地域の地下には過去に巨大な氷河があったため陸地がなく、これが反重力の主な原因の一つであると結論づけられました。
2002年、NASAは地球の重力場を測定し、異常を検出するためにGRACE衛星を送りました。GRACE衛星のデータから、地球全体の重力の分布や時間的な変化を明らかにすることができたのです。
1. 未来とその先へ
70億年後の地球はこうなっているかもしれない
画像出典:Fsgregs
現代の恒星理論によると、太陽は約50〜60億年後に膨張して赤色巨星になると言われています。その際、光度は10億年で10%、35億年で40%上昇するということです。この熱の上昇は、無機的な二酸化炭素の循環の速度を強め、植物が光合成に利用できる二酸化炭素を減少させ、最終的に植物の絶滅につながります。
植物や植生がなくなると、地球は酸素を失い始め、この地球上で私たちが知っている人間の生活も消えてしまいます。さらに数百万年後、地球の気温は70℃近くになり、世界の隅々から水が蒸発します。研究者たちは、今後5億年程度までは、外的要因がなくとも地球上の生命は生存可能であろうと推測しています。