障がい者向けテクノロジー、と言うと新しい用語のように思われますが、基本的な考え方は人類と同じくらい古いものです。何らかの能力を持たずに生活することは、非常に困難です。心ある発明家たちは、多くのハイテク機器を生み出し、多くの障がい者が生活を充実させるのに役立っています。
これらの機器によって、彼らは日常の仕事や他の複雑な仕事を完了することができるのです。これらは「適応機器」と呼ばれ、人々の生活を向上させる手助けとなっています。いくつかの研究チームは今も、障がい者のためのより多くの機器を発明しようとしています。この記事では、様々な障がいを持つ人々のために設計された画期的な技術と特別な機器を紹介します。
11. Google Glass
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Google Glass【グーグルグラス】は、ヘッドマウントディスプレイの機能とともに、身体障がい者に最適な機器として提供されています。話し言葉をリアルタイムで字幕に変換し、相手との壁を完全になくすことができます。また、全盲の人が相手の顔や感情、表情を認識するための顔認識ソフトウェアも搭載しています。さらに、行きたい場所へ行けるようナビゲートしてくれます。
10. 点字ルービックキューブ
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ルービックキューブを見ないで作るのは、目の見えない人がキューブを作るようなものです。すでにゲームがある場合、その楽しさと複雑さを高めるのは良いアイデアです。点字ルービックキューブは、パネルごとに点字の質感が異なるため、従来のキューブよりずっと難しいかもしれません。また、自分の好みに合わせてパネルを作り、腕試しをすることもできます。
9. DEKAロボットアーム
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DEKAロボットアームは、上肢を切断した人の機能を保持するために、DARPA【米国防総省高等研究計画局】が資金提供したプロジェクトです。米国のDEKA社は、Next Step Orthotics and Prosthetic社、Biodesign社とともに義肢を開発しています。DEKAロボットアームのプロジェクトは、DARPAと米国陸軍の研究による支援を受けています。本物の人体のような精度を持つ、8ポンド【約3.6㎏】以下の義手です。装着者は、手だけでなく、肩まで含めたフルハンドを必要とする場合など、必要に応じてカスタマイズすることができます。
8. EDGE 40ディスプレイ
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EDGE 40は、コンピュータの画面からデータを読み取って、点字言語に変換する強力な機器です。日々の活動を管理するのに役立ちます。メモ帳、電卓、アラームなど多くのアプリケーションを使用することができ、PCやスマートフォンに接続することなく、これらの活動をすべて行うことができるのです。EDGE 40は13種類の言語を理解し、外部メモリーカードで何千冊もの本を保存することもできます。充電式バッテリーを搭載しており、20時間ごとに充電が必要です。現在の市場価格は3100ドル前後【約39万6千円】です。
7. Lucy4キーボード
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自分の手でコンピュータを操作できず、頭でコンピュータを操作する場合に、Lucyは最良の選択肢となります。脳性まひの女性がLucyを開発し、オンラインで販売するためのWebサイトも作成しました。Lucyは、メガネに取り付けたレーザーポインターで操作し、画面上の選択肢を選ぶことができます。デスクトップやノートパソコンに接続した後、好きなプログラムを実行することができます。ネットサーフィンやEメール、ゲームもできるのです。
6. 手話通訳機
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未来技術マニアのMac Funamizu氏は、手話通訳機のデザインを作成しました。キャンディのように小さく、高度なカメラで話し手の手の動きをとらえることができるのが特徴です。そして、それを口語に翻訳してくれます。また、聞きたい音声の種類を選ぶこともできます。下の部分をクリックするとオンに、戻すとオフになります。スピーカーを大きく開くと音量が大きくなります。
5. 点字スマートフォン
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デザイナーであるZhenwei Youは、目の見えない利用者が電話を使えるようにする携帯電話をデザインしました。光沢のあるタッチスクリーンを持たず、点字のインターフェイスを備えています。また、音声・スピーチ認識、ナビゲーションシステム、文章から文字を読み取るスキャナも搭載しています。まだコンセプトの段階であり、実現に向けて努力しています。現在、点字スマートフォンのより良いデザインに取り組んでいるクリエイターは、他にもたくさんいます。
4. DynaVoxのEyeMax
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DynaVox社のEyeMaxは、脳性麻痺、脳卒中、麻痺の患者などが使用するシステムです。アイトラッキング技術【視点の場所や、頭部に対する眼球の動きを計測し、追跡する方法】により、利用者がテレビ視聴、オンライン書籍の閲覧、コンピュータ作業などを行うことができます。「まばたき」だけでも視線を追跡します。また、単語の入力を可能にし、単語は複雑なテキスト読み上げメカニズムを介して口語に変換されます。この他にも、様々なアプリケーションやツールを搭載しています。同社の目的は、言葉をとらえることが困難な知的障害児の教育です。
3. Kenguru 電気自動車
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Kenguruは、世界初の車いす専用電気自動車です。ハンガリーに拠点を置くKenguru社が設計し、現在は米国のみで販売されています。車いすのまま操作でき、バックドアから簡単に乗り降りできます。ハンドルで操作するバイクのような感覚です。Kenguruは一人乗りで、最高速度は45km/hです。他のパワフルな車と格闘しながらも、今では車いす利用者の間で人気者になっています。
2. 手の揺れを防ぐスプーン
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デザイン会社のLiftwareは最近、パーキンソン病患者のための揺れ止めスプーンを発売しました。この製品の設計には、Googleが資金を提供しました。パーキンソン病患者は、介助なしに手仕事をこなすことが困難です。この魔法のスプーンは、手の動きを感知して、それを70%軽減します。使い方はとても簡単で、食事に合わせてアタッチメントを変えることができます。また、他の運動障害にも使用することができます。
1. ホーキング博士の車椅子
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スティーヴン・ウィリアム・ホーキング博士は著名な科学者で、1990年代初頭から車椅子を使用していました。ほぼ全身が麻痺した状態で、車椅子に搭載された音声発生装置を使ってコミュニケーションをとっていました。量子物理学の研究をするために、特別に設計されたものです。この装置は、利用者が発したい言葉を予測する高度なインターフェイスを備えた、世界で最も賢い車椅子で、思考制御車椅子とも言えます。通信システムの部品はすべてインテル社製で、インテル・コアi7プロセッサとWindows 7オペレーティングシステムで構成されています。