研究者たちは、ナノ粒子を使った点眼薬を開発し、レーザー加工と組み合わせて、遠視と近視の両方を改善できることを検証しました。
この技術により、ユーザーは医師の監督なしに視力を矯正できるようになるかもしれません。
ハイテクメガネや3Dプリンターで作られたバイオニック・アイボールを求めてきましたが、科学者たちはさらに優れたものを開発しました。彼らは、視力を改善するナノ粒子の点眼薬を開発しました。これにより、コンタクトレンズや眼鏡、レーザーによる屈折異常の矯正が不要になるかもしれません。
米国国立眼病研究所によると、12歳から54歳までのアメリカ人の約42%が近視であると言われています。都市部に住む子供は、農村部に住む子供に比べて近視になる確率が2倍以上になります。
一方、遠視(遠視と呼ばれる)は、大人も子供も同じです。アメリカ人の約5%から10%がこの病気にかかっており、両親がすでに遠視である場合は、この病気にかかる可能性が高くなります。
Shaare Zedek Medical CenterとBar-Ilan University, Isarelの眼科医の研究チームは、遠視と近視の両方を改善することができる「ナノドロップ」を開発し、レーザー加工とともにテストしました。臨床試験は2018年後半に行われる予定です。
ナノドロップの仕組み
補正や光学効果を得るために、ナノドロップは角膜の屈折率を局所的に変化させます。このナノドロップは、角膜表面に形成された浅いアブレーションパターンの中に入り、そのパターン内の屈折率を変化させ、視覚的問題を修正します。
具体的には、レーザー光源を用いて上皮表層(角膜上)に刻印された光学パターンにより、光学補正の大きさを設定します。光学パターンの構造は、近視や遠視だけでなく、眼の老化に伴う老眼の矯正にも対応できるようになっています。
このレーザースタンプはわずか数秒(ミリ秒)で行われ、ナノ粒子が「活性化」し、反射率を変化させることで光学パターンを改善し、最終的に角膜を通過する光の軌道を変化させることができます。
今までの治療法との違い
レーザースタンピングソースは、角膜の薄い組織を切除する従来の視力矯正レーザー治療とは全く異なります。これは小型のレーザー機器で、スマートフォンに接続して、角膜の上皮に複数の隣接するプラスを配置して光学パターンをスタンプします。全体のプロセスは数秒で終わり、痛みもありません。
レーザーで作られた角膜の小さな斑点に、生体適合性のある合成ナノドロップが入り込み、目標とする矯正位置で眼の光学力を変化させることができます。
弱点
よりマイルドな治療法であるため、この技術には欠点があります。それは、目がゆっくりと自然に治癒していくことです。つまり、強化された部分が徐々に消えていくということです。そのため、改善された視力を維持するためには、1〜2ヶ月ごとに施術を繰り返す必要があります。
これまでの実験の様子
科学者たちは、自動屈折計を用いて10匹のブタの目の屈折異常を分析しました。ナノドロップを目に入れたところ、遠視性の屈折異常で平均1,96+/-0.2D、近視性の屈折異常で平均2,24+/-0.07Dの矯正効果が得られました。
角膜の中心部のケラトメトリーには変化がありませんでした。角膜の最初の60ミクロンの厚さに、平均して直径0.58ナノメートルのカプセル化された高反射性ナノ粒子が散見されました。
これまでのところ、この技術により、近視と老眼を約3D矯正できることが示されています。今後、ウサギを使った実験を行い、ナノドロップの効果がどのくらい持続するかを正確に把握したいと考えています。
今後、この技術を使えば、医師の指導を受けずに視力を矯正することができるようになるかもしれません。スマートフォンのアプリを使って視力を測定し、レーザー装置を使って目標とする矯正箇所に光学的パターンを刻印し、ナノ粒子を塗布してパターンを有効にし、希望する矯正を行うのです。これらの作業は、自宅にいながらにして行うことができます。