20世紀半ばには、グラフィックデザインが再度栄えました。特に、「フラットデザイン」派の潮流にその興隆と特徴を見ることができます。
モダンデザインの特徴は、大胆でシンプルかつ幾何学的な形状、そしてスッキリしたラインと明るいコントラストのカラーパレットです。そしてこの特徴こそがフラットデザインの特徴でもあります。
今回は、「色」「形」「タイポグラフィ」、そして「空白の使い方」という4点から、20世紀半ばのグラフィックデザインをご紹介します。
古いものと侮るなかれ、今後のデザインの参考になりますよ。
1.色
20世紀半ばのモダンデザインの色は特徴的で、すぐに他と見分けがつきます。
カラーパレットは、明るく鮮やかな暖色傾向にあります。
例)ペタルピンク、サンシャインイエロー、ミント、フクシャ、ターコイズ、ゴールド、パンプキンなど
20世紀半ばモダンデザインにおける色の使い方を探るため、ルシアン・デイのパターンとイラストを見ていきましょう。
Sunrise (1969)
この作品には、ゴールドやパンプキン、ペタルピンクといった特徴的な色がクリーム色の背景上に使われています。このデザインは日本のデザインにも影響を受けており、これもモダンデザインの特徴といえるでしょう。
よりビビッドなカラーパレットの例としては、こちらも参考になるでしょう。
さらに、モダンデザインを語るにおいて外せないのが、ヨゼフ・アルバースでしょう。
2.形
モダンデザインの色を探っている中でも、その幾何学的な形状は多く見られました。三角形に長方形、正方形に円、直線などです。
このルドルフ・デ・ハラックによるブックデザインにおいては、そういった幾何学的な形状が重なり合っています。これもモダンデザインの特徴です。
細かいイラストにおいては、抽象的な形が滑らかにカーブした線とともに使われます。ルシアン・デイによるふくろうのイラストが参考になるでしょう。細かいデザインがふくろうの目元と鉤爪にしか用いられてないのが特徴的ですね。
このように、モダンデザインにおいては「目元」に細かいデザインを用いて焦点を当てることが多いです。
3.タイポグラフィ
モダンデザインのタイポグラフィは、バウハウス派の運動から、1937年のシカゴ派、そして1950年代のスイススタイルにより明確にされました。
バウハウスのタイポグラフィは、スッキリとしていてフリルのないミニマリスティックなものです。また、アドリアン・フルティガーはスイス派の書体デザイナーで、実用的なサンセリフの使用を提唱しました。
モダンデザインにおいては、スッキリとしたサンセリフの幾何学的なタイポグラフィが多用されましたが、一部においてスラブセリフも用いられました。
ポール・ランドによるこのロゴは、モダンデザインにおけるロゴに最適な例です。フォントはサンセリフで、幾何学的、そしてシンプルな円に囲まれています。
4.空白の使い方
空白の使い方にも、モダンデザインの特徴が色濃く出ています。
形がキャンバスにおいて、方々に散っていたりするならば、それがモダンデザインです。その偶然的な配置は、インプロビゼーショナルで、まるでジャズのアドリブのようです。
最後に
20世紀半ばのモダンデザインにさらに興味がわいたなら、これらのデザイナーを参照してみてください。きっとインスピレーションが得られますよ。
- Lucienne Day
- Cipe Pineles
- Paul Rand
- Saul Bass
- Rudolph de Harak
- Herb Lubalin
- Bradbury Thompson
- Lester Beall
- Adrian Frutiger
- Antonio Garcia
- Roy Kuhlman
- Bruno Munari
- Dick Bruna
※本稿は 「A Mid-Century Modern Primer for Graphic Designers」を翻訳・再編集したものです。