Appleが2017デザインアワードの受賞者を発表しました。年に一度のこのイベントは、デジタル業界におけるもっとも傑出したデザインや技術革新を紹介するものです。
今年で20年目を迎えたこの賞は、「あらゆるデジタル分野におけるデザイン、技術革新、テクノロジーの卓越した達成を掘り出すこと」を主旨としており、今年はオーストリア、カナダ、ドイツ、イスラエル、イタリア、シンガポール、スロヴェニア、アメリカの8カ国から代表が集まりました。
受賞したデザインの多くは、トレンドの先駆けとなります。
この記事では、受賞したプロジェクトから6つ選び、世界で最も優れたデザインから何を学び活かすことができるかを紹介します。
1.Blackbox
美しいインターフェイスを持つゲームアプリ。流線型のタイポグラフィー、スムーズな操作が魅力です。
勝因:「デバイスと現実を統合し高評価を受けるパズルゲームです。操作性の高さ、ユニークなゲーム体験、iOSの機能の統合とイノベーションが評価されました。」
デザイントレンド:Blackboxは画面をタッチしないインターフェイスを用いています。実際に本体を動かしたり音声を使う現実世界のアクションでゲームが進行していきます。
2.Lake
塗り絵セラピーのアプリです。タッチの操作感が非常に滑らかで、本物の塗り絵のようです。数回のタップで完成するので、道具を用意する煩雑さもありません。
勝因:「アーティストによるイラストを起用し、達成感とリラックスを両立する塗り絵アプリです。システムの統合に関しても優秀で、Swiftで書かれ、Apple Pencilに最適化されており3D TouchをはじめとしたOSのテクノロジーを利用しています。」
デザイントレンド:Lakeはタッチスクリーンのデザインが非常に優秀で、タップの強さに反応する着色が可能です。作品の保存機能やアプリ全体の視覚的要素もUXの一助になっています。
3.Bear
複数のファイル形式でテキスト作成できる、ジャンルを選ばない高機能テキストエディタ。複数のファイルを一つにまとめたり、ハッシュタグによる管理もできます。
勝因「シンプルなデザイン、美しいタイポグラフィー、スピーディな操作感。Bearを使えば内容だけに集中して素晴らしい成果を残すことができます」
デザイントレンド:アプリには過剰な「デザイン」は不要です。シンプルで機能を充実したデザインはコンテンツの重ね方の良い例になるでしょう。
4.Kitchen Stories
基礎技術から複雑なレシピまで、料理をトータル的にサポートしてくれる便利アプリ。単なるレシピだけではなく、膨大なデータベースからビデオを再生したり、買い物リストを自動生成することで、料理の経験そのものを提供してくれます。
勝因:「多言語語対応、Apple TV含む他のApple製品にも対応しています。二人の若い女性によって立ち上げられ、豊富なレシピやビデオすべてにおいてインスピレーション、利便性、料理の仕上がりにこだわっています。」
デザイントレンド:多くのメディアを用いたUXから、ユーザーとアプリとの濃密な関係が求められていることが示唆されます。ビデオの表示だけでユーザーを繋ぎとめておくことは最早難しく、エンゲージメントを強められるデザインが求められています。
5.Things 3
チェックするためだけにリストを増やしたくなるような高機能タスク管理アプリ。
勝因:「タスク管理アプリの真髄と言えます。使い心地、見た目の美しさを含め、効率も刷新されています。強力なデザインと機能で時間を有効活用できるでしょう。」
デザイントレンド:このアプリの着目点は、直感的な操作です。タッチには必ず目的があり、デザインに無駄がありません。見た目もわかりやすく、インターフェイスの中心にデバイスの操作が据えられます。
6.Elk
リアルタイムのレートと位置情報、タイムゾーンを使った通貨換算アプリ。タイポグラフィーもわかりやすくデザインされています。
勝因:「Apple watchに最適なこのアプリは、洗練されたデザインと効率的なUXをもって瞬時に世界中の通貨を換算してくれます。」
デザイントレンド:Elkは複雑な作業をシンプルなインターフェイスに収めることに成功しています。位置情報とタイムゾーンの使用は同様のプロジェクトの関係者なら考慮に入れるべき問題です。
終わりに
取り上げなかった受賞アプリも同様に素晴らしいので、ぜひ調べてみてください。実際にダウンロードしてみると、きっとなんらかのインスピレーションがあることでしょう。
※本記事は、Winners and Trends from the Apple Design Awards 2017を翻訳・再構成したものです。