デザイナーたちは、いつでもクライアントを喜ばせると共に驚かせるため、努力を重ねてきました。デザイナーのコミュニティーは、その重要さと収めてきた成功の割には知名度が低いようです。デザインだけでなく‘体験‘をつくり出すため、自身の境界線を越え、可能な限りの創造性を高めてきたのがデザイナーです。
こんなにやりがいのある仕事ですから、その頑張りを知ってほしくないなんてデザイナーはいないでしょう。彼らが世界へ届ける努力やクリエティビティーは、認識されなければなりません。今回、デザイン業界で最もよく知られる素晴らしいアワードを含んだ、世界のデザインアワードを10項目リスト化しました。
ここでリスト化された賞を一つでも受賞できれば、それは生涯の功績になります。これらの賞がデザイナーにもたらす名声は素晴らしく、大きな報酬が期待できます。賞というのは、勝者にとってもこれから活躍したいデザイナーにとっても、インスピレーションの源なのです。
コンテスト内でのデザイナーの評価は、業界の愛好家によって行われます。デザインは、先入観や機能性は関係なく審査されます。アワードセレモニー自体だけのためではなく、このイベントから得られる知識のために、複数国からデザイナーが参加しています。
この記事では、業界ベストな創造性、デザイン性、デザイナー人材を世界に届ける、10のデザインアワードを集めました。デザインアワードは、業界でのデザイン価値を意味します。そのような賞を勝ち取るということは、クライアントの増加や、広告またブランディングの機会にもつながります。デザイナーが社会的信頼性を得られるだけでなく、将来への向上へと彼らのモチベーションにもなるのです。
1.D&AD Awards:
Design and Art Direction Awardは、広告界で価格も評価も最も高いアワードです。特にデザインや広告部門をターゲットとし、British CharityがD&AD Awardsを進行します。1962年にその時代のトップデザイナーや美術監督によって創立され、アワードにノミネートされること自体が純粋に名誉だと考えられました。高水準を持つアワードなのです。そのため、全てのカテゴリーに勝者は必要ない考えるアワードの一つです。
賞の候補者には8つのカテゴリーが与えられます: Black Pencil (最高業績)、 Yellow Pencil (ゴールド)、Graphite Pencil(シルバー)、Wood Pencil(ブロンズ)、White Pencil(選外佳作賞)、D&AD Professional Awards(写真家)、D&AD New Blood Awards (青少年)and Next Director Award (新映画監督)
2.ADDYs Award:
ADDYs Awardは、業界の中でも最大級の創造性コンテストです。年間で4万人のエントリーが寄せられます。世界一流の広告コンテストであり、クリエイティブ/デジタルエージェンシーどちらにとっても憩いの場所なのです。
コンテストは3段階に分かれています。初めのレベルは地元レベルでのコンテストで、次が地方レベル、そして全国レベルです。主な目的は、基本をしっかりとらえた魅力のあるコンセプトに賞を与えることです。
AFFと地元区域が、インターンシップや支持グループ、広告教育、消費者意識や公共サービスなどのプログラムを通して広告を強化していることから、このアワードは広告業界全体を支持しています。審査員団は、提出されたエントリーの中から最も創造性の高いデザインを創造性の規模によって評価します。
Gold ADDYは、そのカテゴリーでその他全てのエントリーと比べて最も優れており、美術性の最も卓越した者に与えられます。2番手はSilver ADDYです。審査員団が、各カテゴリーの中からそのカテゴリーごとの完成品の質によりいくつかの賞を授与します。
3.A’Design Awards:
A’Design Awardsは、イタリアで行われる最も大規模な国際デザインコンテストの一つです。この賞には、3D模型やグラフィックとファーニチャーなどの様々なカテゴリーが含まれます。各テーマはユニークで、デジタルコミュニケーションズのアイディアやサステナブルデザインを含む、ヒューマンリソースに関連しています。
この賞は段階的に構成されており、基本のアイロン、ブロンズ、シルバー、ゴールド、そしてプラチナが含まれます。デザイナー・オブ・ザ・イヤー賞は、デザイン業界の成長に大きく影響をもたらした者に与えられます。勝者はデザイナー、建築家、アーティスト、クリエイター、イノベーターから選ばれます。これから活躍が期待できるデザイナーのためには、´Young Design Pioneer Awards´も用意されています。デザイナーの年齢制限は40歳までで、毎年このカテゴリーで最大3つの賞が与えられます。
4.Cannes Lion Awards:
Cinema Screen Advertising Contractorsのグローバルグループは、広告業の認識度を高めるべきだと決めました。Cannes Film Festivalが映画を特集しているのと同じで、彼らは1954年にCannes Lion Awardsを広告業のために設立しました。賞のカテゴリーはいくつかに分かれており―創造性の効果、デジタルコミュニケーション、デザイン、広告などを含めて多岐に亘ります。
Cannes Lion Awardsは、とても競争率の高い受賞基準を設けています。これからの活躍が期待できるデザイナーが提供する、新しいアイディアや創造性を祝います。アワードの行事では、国際的な同僚と情報交換し、その業界や世界で最も優れた才能を知ることができます。
最もオリジナル度の高いユニークなアイディアと共に、最も効果的なデザインを持つデザイナーが受賞者となります。International Film Festival がインスピレーションとなり、Cannes Lion Awardsが創立されました。
5.iF Design Award:
iF Design Awardは、最も人気なデザインアワードの一つです。固定観念を捨てた審査方法で勝者を決定するため、20カ国以上が協力します。約60名の建築家とデザイン専門家がこのアワードに参加しています。段階ごとに iF Gold AwardとiF Design Award、 主に2つの賞があります。iF Gold Awardは、創造性の高いデザインを持つデザイナーに与えられます。数多くの競技者の内、1から2パーセントのみ賞を勝ち取ることができるのです。
競技者が参加できるカテゴリーは7つあります―コミュニケーション、プロフェッショナルコンセプト、商品、包装、インテリア建築、デザイン/UXそして建築、サービスがあります。デザインの分野は今や、デザインや模型をつくることだけでなく、体験をつくり出すことで国際的な認識を得ています。
iF Design Awardでのサービスデザイン/UXカテゴリーの導入は、業界で生み出されたデザインが認められていて、報われていることを意味しているのです。
6.Red Dot Design Award:
Red Dot Design Awardは、国際インダストリアルデザイン団体協議会により設立されました。このデザインアワードは、世界最大の最も素晴らしい賞の一つだと考えられています。このイベントは毎年ドイツで開催されます。50か国以上が賞に参加します。エントリーは1万にも上ります。賞には3つのカテゴリーがあり―商品デザイン、デザインコンセプト、コミュニケーションデザインが含まれています。
デザインコンセプトは、市場にまだ出ていないデザインのために導入されました。
つまり、市場でまだリリースされていない新商品やサービス、まだ開発段階にある革新的なアイディアなどは、デザインコンセプト下で審査されます。式典は、ベストデザインチームにDesign Team of The Yearの名誉賞を与えます。審査員が、全てのエントリーから選ばれた一つのチームのみに賞を受賞します。
この賞はチームの努力を称えるもので、それは革新的なアイディアやデザインを世界に届けるきっかけにもなります。デザインをする人にとっては名誉高いアワードなのです。AudiやNokia、Lenovo、Apple、Sonyなど日本でも有名なチームが賞を勝ち取っています。
7.IDEA Award:
IDEA Awardは、世界中で最も特徴的なデザインアワードの一つです。International Design Excellence Awardsの省略です。この賞は商品デザインで良く知られています。IDEA Awardは国際的に有名な賞であり、iF Design AwardやRed Dot Design Awardと並ぶ、主要なデザインアワードの一つです。
エントリーのカテゴリーは、自動車や運送のようなインダストリアルデザインや、デジタルデザイン、サービスデザイン、環境デザインに亘ります。審査員団は、Microsoft、Google、Nikeのような企業の職員、そして優秀なデザインスタジオや各業界からの専門家などで構成されています。
下された決定は公平であり賞の判断基準は、革新性、美しい見た目、そしてユーザーエクスペリエンスです。受賞者のデザインは、ヘンリーフォード博物館でコレクションの一部になります。
8.Good Design Award:
世界で最も古いデザインアワードの一つが、Good Design Awardです。先陣を切るデザイナーたちのエドガー・カウフマンJr.、著名家具デザイナーのチャールズ、レイ・イームズ、よく知られるインダストリアルデザイナーのラッセル・ライトや、大絶賛を集める家具デザイナーのジョージ・ネルソン、注目を集める建築家のイーロ・サーリネンが、1950年にGood Design Awardを創立しました。
アワードセレモニーは、シカゴアテナイオン博物館で開催されます。Good Design Awardには、2009年にGreen Good Designと呼ばれる新しいカテゴリーが導入されました。Green Good Designは洗練された、そして環境に優しいデザインのためのカテゴリーです。
9.Awwwards:
Awwwardsは、世界で一番優れた開発者やウェブデザイナー、エージェンシーの努力や才能を認識してくれるコンテストです。高い経験値を持つ審査員は、尊敬されるプロの団体です。さらにこの組織は、ニューヨーク、LA、バルセロナやロンドンなどの国々に亘り複数の会議を運営しています。
開かれるAwwwardsのスピーカーイベントでは、どこでも業界ベストを知ることができます。審査員団は、クリエイティブ監督、ブロガー、デザイナー、そして提出される品や才能を評価する業界のエージェンシーで構成されています。賞のカテゴリーは、デザイン、創造性、そしてインターネット上の革新的なアイディアに対するマーケティングとブランディングに基づいています。
イベントでは、世界中のデジタルデザインで最も優れたエージェンシーやリーダーが集合します。
10.International Design Award:
2007年に、デザイナー、思想家、事業家によってInternational Design Awardがつくられました。この賞は、賢くてサステナブルな、学問領域が多岐に亘るデザインの認識度が低かったことが理由に設立されました。賞の目的は、素晴らしいデザインを祝い促進し認識し、建築やインテリア、商品、グラフィック、ファッションデザインでこれから活躍が期待される才能を応援することです。
このデザインアワードでは、グラフィックデザインが一つの美術作品と考えられ、新しい領域をつくり完璧を目指す個人やチームの作品として認められています。IDAは、タイムレスで明確なアイデンティティを持つデザインを認識します。エキサイティングで大胆でユニークなデザインをつくり出す挑戦者が、このデザインアワードで歓迎されるのです。
まとめ:
賞を受賞するということは、デザイナーが業界でより成長するためのモチベーションとインスピレーションにつながります。デザイナーたちが世界中で自分たちの境界線を広げ、独自の思考や創造性を届ける中、デザインカテゴリーを導入することはプラスに変わります。賞を勝ち取ることは、デザイナーが各分野で尊敬を勝ち取ることも意味し、評価の高いエージェンシーで雇ってもらえるチャンスが上がります。
一般的に、デザインコンテストに自分の作品を提出する前に、必ずやっておきたいことを紹介します。まずは、オンライン上のデザインポートフォリオが更新されているか確認しましょう。審査員に好印象を与えるのはけた外れタスクであり、光り輝くポートフォリオをつくることで達成できる可能性が上がります。
一度賞と選外佳作賞を受け取ることができれば、将来ポテンシャルを持つクライアントはあなたの作品とデザインについてより学ぶことができます。自分だけのウェブサイトを立ち上げ、可能な限り美しくあなたの作品をショーケースしましょう。
ですから、勝ち取った賞はソーシャルメディアでプロモーションを行い、よりよい反応を期待できるようにポートフォリオを更新しましょう。自分たちのスキルに気づいてもらえなれば、デザイナーとしての評価にはつながりません。
それでも、彼らの功績はエージェンシーやブランドが巧みに運営するプラットフォームで見ることができます。アワードやコンテストは、業界で認識度を高める方法の中の一つです。いつでも、創造性と新しいビジョンの明確なベストなデザインをつくり出すよう心がけましょう。
賞を勝ち取るための唯一のアドバイスは、何かの見返りを求めてデザインをつくるのではなく、完ぺきさと視覚的に美しいデザインを目指してつくるべき、ということなのです。