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東京五輪エムブレムを制作した野老氏が語る「なにを考えてデザインスタートするのか?」への答え

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リオ五輪もいよいよ開幕しましたが、一方ですったもんだはあったものの2020年の東京五輪のエンブレムも無事決定しました。

 

その東京五輪エンブレムを制作したのが、野老 朝雄(ところ・あさお)氏です。

同氏は「工学院大学125周年記念総合教育棟」のファザード(下図)もデザインされていますが、その設計に関わった建築家の千葉 学氏を招き、同大学にて対談が催されました。

 

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※ファサードとは、建物の正面部分を指し、最も目に付く場所で建築に於いて重要視される建物の“顔”となる部分のこと。

 

その対談では「水玉と黄金比が織りなす均衡と調和」について語られ、野老氏は

 

「僕は数学が全くできませんが、算数レベルの美しさにとても興味がある。数々の紋様を手がけながら、摂理やそれに近いものを研究し続けている感覚です。今回のファサードデザインでも、黄金比をもとに円の大きさや配置を決定。一見、不規則に見えるパターンのなかに、ある種の均衡や調和を持たせています」

 

と解説し、また五輪・パラリンピック両大会のエンブレムにおいても、黄金比を意識したことを明らかにしています。

 

また工学院学生から「デザインをする時に、何を考えてスタートするのか」の質問に対し、同氏は、

 

「『絵を描くのを止めなさい』と言われても、ノートにちょこちょこ描いている子どもっていますよね。僕もそれに近いと思うんです。『走るのを止めなさい』と言われても走り続けた子がアスリートになり、『歌うことを止めなさい』と言われても歌った子がミュージシャンになるように、僕は描くことを止められなかった。

 

だからあまり『どうデザインするのか』ということは意識しない。まずは手を動かして、そこから発想が脱線していくことが多いと思います」

 

と、「まず手を動かす」ことの重要性をアドバイスとして送りました。

 

対談相手である千葉氏も野老氏の作品に対して、

 

「『何かを表現したい』というよりも、その空間で何が行われているのかを発見するという感覚が根底にありますね」

 

と評し、手を動かしながらデザインを『発見』していく同氏の姿勢がうかがえるようです。

 

「コピーライターは発見業」とはよく言われますが、「デザインも発見業」なのかもしれませんね。

 

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野老氏の作品は、工学院大学『KU-SITE』(キューサイト)にて、総合教育棟ファサード全4種類が展示公開中です。ぜひ一度のぞかれてみてはいかがでしょうか?

 

こちらの対談の詳細をお読みになりたい方はこちらから。

http://www.kogakuin.ac.jp/event/2016/080501.html

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