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伝わるデザインとは?リーフレット制作のための13の秘訣

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本記事は、Brochure Design 101 | Designing Brochures
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約6分25秒

まずは当たり前のことからお伝えしていきましょう。リーフレットは、ビジネスや企業情報を伝える最終的な資料です。製品やサービスについての理解を深めてもらうために、クライアントに見せるものになります。貧弱なリーフレットデザインでは、潜在顧客は競争力のある他社ブランドへ行ってしまうでしょう。

 

基本的にリーフレットは、企業や製品、サービス、イベント、キャンペーンといった重要な情報を1枚の用紙に掲載しており、通常二つ折りか三つ折りです。またZ折りやC折り、他さまざまにカスタマイズされた折り方の経験があるデザイナーもいて、彼らが手がける1面あたりの制作費はかなり高額になってきています。

 

印象的なリーフレットをデザインするためには、デザインを決定し印刷する前に、押さえておくべき大切なポイントがあります。今やほとんどの企業が、印刷媒体よりもデジタル媒体にコストをかけているなか、リーフレットは、本質的に見込み顧客を育成するマーケティングツールだということです。

 

デザインが良いリーフレットは、クライアントや門外漢かもしれない人々に、事業内容のすべてをイメージさせ、競合他社との差別化を図れます。

 

美しいリーフレットをデザインするコツ:

 

巧みにデザインされたリーフレットは、読者の理解を助け、具体的なイメージや企業の信頼性を伝えます。また対象顧客を増やし、クライアントの反応を促すこともできます。完璧なリーフレットをつくることは、グラフィックデザイナーでも困難かもしれませんが、心配はいりません。ここでは、記憶に残る美しい広告にたどり着くコツや技をご紹介します。

1. 目的を知る

リーフレットは、クライアントや顧客との最も直接的なコミュニケーションツールの1つです。コミュニケーションデザインの一端を担い、読者にすぐに影響を及ぼそうとしているのです。そのため事前に何が目的か正確に設定すべきであり、デザイナーはそれを把握することが必要です。その目的が慈善コンサートの告知なのか、イベント告知なのか、何らかのキャンペーン告知なのか、あるいは単に情報技術を伝えたいのか?

 

いずれにしても、読者との直接的なコミュニケーションとなるため、明確かつ要領を得ていなければなりません。デザイナーが紙面に必要だと考えることは、全て表現されるべきなのです。

2. 顧客を知る

リーフレットデザインはコミュニケーションツールの1つでもあるため、その目的と相性の良い読者をターゲットにすることが自ずと重要になってきます。これにより簡単に、共通の興味関心を持つ人々に的を絞れるようになり、その情報を独自の売りとしてビジネスに活かすこともできます。例えば、オープンマイクイベントに参加する人の行動を対象にするなら、歌や詩またはアクションコメディーなどに関するデザインに自然となるはずです。

 

正確に興味関心層にターゲットを絞れば絞るほど、リーフレットへの反応を高めていけるでしょう。どこにターゲットを設定すべきか分からない場合は、常に時間を取り、スポンサーにヒアリングしたり、直接顧客と話して現実に則したデザインを目指したりするのも良いかもしれません。

3. 折り方を決める

リーフレットデザインは、ひとえに創造的な作業ですが、携帯してもらいたい折り方のタイプを決める作業もまず避けて通れません。主に掲載したいコンテンツ量やデザインによりますが、余白やイメージ、美しさを踏まえながら決断することになります。グラフィックデザイナーが一般的に用いている主な折り方は下記になります。

1. 観音折り

観音折りは、配布資料デザインの一種で主にハイエンド市場向けに使用されます。コーポレートデザインとして、装飾を必要最小限まで省略した手法(色と活字の完璧なバランスを追求すること)を用いると、驚くほどの効果が得られます。このタイプは、情報とグラフィクスを最大限に見せるため8ページで構成されています。両開きのデザインは、人を惹きつける効果を生み、もし紙が上質であればより豪華な印象を与えます。

2. 二つ折り

ちょうどその名前が示すように、このタイプのリーフレットは、2面からなり4ページです。主に組織向けで、表紙、裏表紙、中面があり、主力の商品・サービス情報で構成されています。また独自の視点でグラフィックを工夫すれば、簡単に小冊子にもなります。

3. 三つ折り

このタイプのリーフレットは三つ折りと呼ばれ、3面からなる6ページで、商品やサービスの本質的な情報を記載するのに十分なスペースがあります。三つ折りは、ベストなマーケティング手法の1つであり、提案やほかの必要な情報を見せるために使用されます。デザインする際は、どちらが表面か、強調すべき箇所はどこかを把握していなければなりません。これらの点からみて、三つ折りは最適な表現方法での1つであり、また経験の少ないデザイナーでも制作できます。

4. Z折り

Z折りはよく三つ折りと混同されますが、特徴は、その名前が示すとおり見た目がかっこいいことです。3面6ページから成り、情報を配置するのに十分なスペースがあります。さらに、このデザインは、まるでアコーディオン(楽器)のようなビジュアル階層を持ち、デザイナーの制作意欲を掻き立てます。贅沢な見た目はすぐに目を引き、階層ごとにコンテンツを見せることで分かり易くなっています。

 

またデザインの複雑さや掲載したいコンテンツ量によりますが、リーフレットの折り方を決めるもっと画期的な方法もあります。複雑なデザインはイチからつくり上げるべきかもしれませんが、基本テンプレートを活用すると、構成がしっかり練られていればかなり効率的に制作できます。

4. クリエイティブかつユニークに

今日のデジタル化時代において、印刷媒体で秀でることは困難です。そのためライバルから抜きん出ようと努力しているのなら、創造性がとても重要になってきます。そのような状況で目指すべきは、チラシやタブロイド紙があふれている中であっても、ユニークで機能的なデザインをつくることです。そうすれば、あなたの作品が先陣を切るでしょう。

 

リーフレットは、誰もがそこからメッセージをくみ取れるものでなくてはなりません。またビジュアルやコンテンツ表現も大切です。

5. フォントを上手に選ぶ

さまざまな種類の中から、フォントを選ぶのは魅力的ですが、同じ系統のものを選ぶことが、常に賢い選択です。同一ページ上で複数のフォントを使用して失敗しないようにしてください。同一系統のフォントであれば大丈夫ですが、それでも書体は3つを超えないようにしてください。

 

また視覚的な階層効果が期待できる際は、フォントを必ず変更してください。美しさが強調されるだけでなく、重要なポイントや用語も認識し易くなるためです。もし企業やビジネスのブランドロゴがある場合は、ブランディングのために、そのロゴも配置してください。

6. 的を射る

王道はありませんが、しっかりと要点を抑えてください。制作しているのはリーフレットであって本ではありません。内容が的確であればあるほど、グラフィックで表現できるスペースを確保でき、ワクワクする作品になります。

 

あまりにも業績や成功事例が多いと、読者や顧客は混乱し目を背けてしまいます。そのため主題に集中し、不要なトピックについて触れることなく最後まで製品やサービスについて力説してください。

7. 誇張を避ける

専門用語は時には印象的に聞こえるかもしれませんが、リーフレットは語彙を披露する場ではありません。リーフレットは、純粋な会社の情報ツールです。専門用語に強い人々に向けてもそうです。専門用語を使うと、信用を築くどころか失ってしまいます。リーフレットデザインにおける最も安全なルールは、デザイナーと顧客の両方からみて、日本語の基本語彙に忠実で分かり易いということです。

8. 読者のためにデザインする

グラフィックデザイナーが最も優先すべきは、個々の感覚ではなく、読者目線でデザインすることです。デザイナーとして、潜在顧客の視点でブランドを見ることが、とても重要になってくるのです。もし読者がファッションのリーフレットでピンクを好むのなら、その色をすごく嫌いだとしても、デザインに取り入れるべきでしょう。

9. 正しい色を選ぶ

フォントと同様に、具体的な色を選択することは、常に勇気がいります。時として読者は、大胆な配色に惹かれて、特定のリーフレットにポジティブに反応しますが、一方で人目を引く色に反応しない人もいます。そういう場合、扱うテーマの傾向と色に対するイメージがとても重要になってきます。例えばあなたは、献血といったテーマに対して、黄色のようなチープな色を決して使わないでしょう。

 

もし企業や組織にブランドカラーがあれば、それを上手く活かしてデザインしてください。またデザインに統一感を持たせるために、ブランドカラーに合わせたカラーパレットをつくっておくのもいいでしょう。

10. 上質な紙を使用する

マーケティング業界では、薄い紙は弱い握手のようなものです。もしクライアントや顧客に印象を残したいなら、適切な品質の紙を選ぶことが不可欠です。費用が少しかかっても高品質な紙で制作してください。そうしたパンフレットは、関心を引くだけでなく、読者の記憶にとどまります。

 

上質な紙で制作するということは、企業が読者を大切に思い、品質に気を配っているというメッセージを伝えるとともに、ブランドイメージをいち早く形成するのです。

11. 適切なイメージを加える

時にイメージは、華やかなフォントのタイトルよりも読者を惹きつけます。またビジュアルは、センテンスやキーワードよりも長く心に残ります。そのため例えば、リーフレットに弦楽四重奏の演奏シーンを載せることは常に賢い選択なのです。1枚の画像もないリーフレットは、いずれはどこかに行ってしまう、つまらないチラシのようなものです。

 

読者を惹きつけるインパクトのあるイメージを掲載し、その周りに美しい色やテキストを配置してください。またイメージは全てリーフレットに関連のあるものにしてください。もしあなたが、そのリーフレットに特に目を引かれたら、それに勝る正解はありません。

12. 選択肢を与える

もしあなたが最終的なデザイン権限を持ち、複数のリーフレットを制作できるなら、ベストな方法に挑むべきです。今日のマーケットは明らかに変化を求めており、リーフレットのような伝統的な広告ツールを使う際の方法の1つとして、同じタイミングで1つではなく多くの選択肢を提供するというやり方があります。

 

この方法は、読者に選択肢を提示でき、どのリーフレットが彼らの性格や好み、関心に合うかを選んでもらえます。それは次のプロジェクトのための学びにもなるはずです。

13. 保存価値のあるリーフレットをつくる

これは前提として、長く手元に置かれるリーフレットづくりに挑む場合の話です。リーフレットの表現が心に残るように高品質な紙を使用してください。また、適切な色やフォント、加える価値のある関連コンテンツを用いてください。ビジュアルや情報だけではなく、使わなくてもそれを取っておきたいと思わせる“いい印象”を顧客に与えることが大切なのです。

 

リーフレットデザインは、楽しい作業だと断言できますが、同時に企業やビジネスの最も公式な資料であることから、骨の折れる作業でもあります。真に信頼でき、ユニークでクリエイティブなものでなくてはなりません。デザインを始める前に、全てのコンテンツ、ビジュアル、配置を確認し、効率よく作業してください。願わくは、ご紹介してきたコツが印象的なリーフレットデザインに役立ちますように。

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