今年前半のグラフィックデザインの分野におけるトレンドは、カラフルで幾何学的なデザインです。
多くの有名なアーティストやアナリストが、2019年の流行になるだろうとして推しました。その予測は真実になりつつあります。色鮮やかなビジュアルアイデンティティーや、巧妙な幾何学的構成を特徴とするビジュアルアイデンティティーが、あちこちにいたるところで見られます。
これら2つのトレンドはそれぞれに、デザイナーにとって幅広い可能性を感じさせますが、かわいいくてインパクトのあるデザインを生み出すことができるようです。
この二つ要素の協調に見られるのは、幾何学的アプローチに単にカラフルな配色設計を組み合わせただけではありません。色のしぶきがさまざまな幾何学的な枠に内包された、本当の意味の共生です。
時にこの二つの要素はお互いに共鳴し、時に別々に機能します。それにもかかわらず、それらは一緒にブランドのアイデンティティの様々な要素の背景を飾る、ユニークで抽象的な模様を作り出します。名刺に始まり包装に至るまで、カラフルで研ぎ澄まされたデザインは、観客を興奮させ、デザイナーの創造性を鼓舞する、トレンド内トレンドです。
エキサイティングなプロジェクトの例を見てみましょう。
Personal Branding (Allyssa Ellis)
代表的な例として、Allyssa EllisによるPersonal Brandingから見ていきましょう。
このブランドの目標は、Allyssaの明るく楽しくカリスマ的な個性を観客に紹介するという当初の狙いを大成功させました。
ブランドアイデンティティは、一目見て前向きな気分にさせます。 配色設計はパステルカラーで、滑らかでエレガントな形です。 それが女性らしい雰囲気を醸し出しています。
このプロジェクトはアーティストの創造的思考とキャラクターが完全に一致しています。
YOUNG GUNS 16 (YG16) Floating Award受賞作品
この明るい個性的なデザインにみんな驚かされるでしょう!
活気に満ちた色調が爆発的に表現されたカオスは、芸術的にさえ感じられます。
このプロジェクトは若い創造性を表現することを目的としているので、このように大胆で少し奇抜な外観をしているのは当然のことです。
色が文字と重なって、前景と背景の間の境界が消えていることに注目して下さい。 素晴らしいアイデアです。
Folks patisserie アイデンティティーとパッケージデザイン
あらゆる面で若々しさと情熱を押し出した2つの前の例とは異なり、このブランドアイデンティティープロジェクトは、成熟していて威厳が感じられます。
さまざまな形の金色のキラキラが、デザインに高級感を与えています。
注目すべきは、ライムとターコイズのような劇的な色を、デザイナーがいとも簡単にナチュラルな組み合わせにしたという点です。
彼らは素晴らしい功績を残しました。
美術館のビジュアルアイデンティティー
Kristina Hristovaによってデザインされたこのプロジェクトは、いい意味で奇妙に見えます。
確かに美術館のテーマに適した芸術的なトーンで、現代美術館のインスタレーションのひとつのようです。
それぞれのチラシは、よく考え抜かれたレイヤリングとカラーコンボで、その複雑なデザインは目を惹きます。また、スクラップブックのスタイルを彷彿とさせます。
未だにモダンなトリッキーな技法とレイヤーの適度な使用法が用いられ、 このプロジェクトは抜きん出て素晴らしいデザインとなりました。
台北松山空港のビジュアルアイデンティティー
空港ターミナルデザインから派生した色と、伝統的な中国の窓格子からインスピレーションを得た、素晴らしいプロジェクトです。
鋭い角と長方形だけで構成されています。これらは視覚的なアイデンティティを技巧的でビジネスライクに見せます。
彩色は全体の審美性を増し、視覚に訴えます。
Thousand The Boutique(アパレルブランド)
クライアントの狙いを贅沢な暮らしのアイデアを養うこと、ロンドンの伝統的な城塞の精神を養うことに導いて、Cansu Merdamertは数ある中から最も美しくレベルの高い色の組み合わせに挑戦しました。
美しい緑、黄、赤は上流気取りを感じさせることなく、豪華な雰囲気を伝えます。
滑らかな形状はデザインを友好的で魅力的なものにし、プロジェクトのビジネス的な側面にもマッチさせました。
CiDOWN社のパッケージデザイン
このJohn Diasのパッケージデザインは、本当に素晴らしいプロジェクトです。
原色の幾何学的形状の塊と一緒に、主色として使用される紫色の鮮やかさ!
この取り合わせは一見幼稚にも思われますが、巧みに前向きな気持ちにさせます。 美しい黄色と緑色の二色は完璧に調和し、一目見るだけで楽しませてくれます。
デザインは会社のために適切なトーンだけでなく、大きな音にしてメッセージを届けます。
大学のブランドアイデンティティー
前に挙げた例のすべてが洗練された美学を持っていますが、このカイロを拠点にしたアーティストによって作成されたブランドアイデンティティの概念は、文字通りにも比喩的にも特にシャープに見えます。
様々なカラフルなポリゴンで表現されています。 また、鋭い文字の形をしたタイポグラフィがアンサンブルを完成させています。
若者を対象としたこのプロジェクトでは、大胆な新世代と出会うことができます。
LFD社のブランドアイデンティティー
前に挙げた例同様、LFD社のブランドアイデンティティーにも多くの鋭角と不規則な多角形が見られます。また、それらは互いに重なり合い、複雑に階層化されています。
しかし、今回の配色は一つ前に挙げた大学の場合ほど大胆ではありません。 逆にトーンは互いに完全に補完し合い、デザインに真のハーモニーを生み出しています。
本革を彷彿とさせる美しいパッチワークは、プロジェクトの背後にあるファッション業界を想起させます。
Debrecen 2023 – 欧州文化首都制度招致キャンペーンデザイン
サークル、サークル、サークル! このビジュアルアイデンティティに描かれた幾何学的形状は、デザインのダイナミズムを感じさせ、同時にプロジェクトを比喩しています。
明るい色の原始的な幾何学的形状に注目が集まることでしょう。 水平に分割するというレイアウトは地平線の表現を強調し、美しい写真はコンセプトを人々に分かりやすく伝えます。
Ideafix社のプロダクトデザイン
Ideafix社製品の美しさは、素敵な柔らかい色と様々な幾何学模様の素晴らしい混合デザインにあります。
波・ジグザグ・円・市松模様・水玉などの形と、 色をずらした書体がデザインをきれいに仕上げ、完璧なバランスに仕上げています。
このプロジェクトはシンプルながらも注目を集めるデザインです。
幾何学的アプローチと明るいカラー配色の併用
幾何学的アプローチと明るいカラー配色を併用する流行には、それぞれ長所と短所があります。
どちらも、ブランドアイデンティティに対するユーザーの関心を引き寄せ、維持することができます。 また、壮大なアートワークデザインを作り出すために用いることができます。 人間は一人一人が独自の人生を送っています。 しかし、一緒に働くと、強力なカップルになることと同じです。
幾何学的アプローチと明るいカラー配色は、本来華やかな作品になりません。 それどころか、形、特に円の原始主義は、色彩のもたらす活気を抑制することがあります。
幾何学的アプローチと明るいカラー配色を連携させるのが流行していますが、幾何学は混沌から秩序を作り出すのを助けます。また同時に、抽象的な芸術から感情を伝えることができます。
注目を集めるための強力な道具をものにしましょう。