同じカメラでも、ひと昔前と比べてかなりハイテクに進化していますよね。ところが、今時どんなに高性能なものでも、機能がひとつしかないようなデバイスを持ち歩くのは時代遅れだと考えられています。あらゆるものが2つ以上の機能を持つことが求められるようになっているのです。
こうした流れがウェブデザインの世界でも見られることを、なんとなく感じている方も多いのではないでしょうか。
便利さとクオリティのトレードオフ
万能ナイフのようなWordPressプラグインに、どんなデザインタスクでもそれなりのクオリティで対応できるフレームワーク…。忙しい日々を送る私たちを便利にしてくれるツールは、確かに進化の象徴でもあります。
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ですがその過程でクオリティや品質を犠牲にしているのも事実です。便利さとクオリティ、このバランスをどうとるべきなのでしょうか?
高い水準を維持するために
家事をしながら聴く音楽に音質を求めたりしないように、妥協しても構わないような状況も、もちろん存在します。必ずしも最高が最適とは限らないのです。
ところがこれがクライアントの依頼でつくるウェブサイトになると、話は変わってきます。デフォルトのツールを使った方が簡単で楽かもしれませんが、それで品質が落ちてしまって頭を抱えるくらいなら、きちんとしたものが出来上がるよう時間をかけた方が良いでしょう。既存の便利なものも、完成品のクオリティを追求する場合には必ずしも最善とは言えません。高い水準を維持したければ、自分で意識するしかないのです。
ツールは自分の使い方次第
ツールの価値を評価して、それが目的達成に役立つのか見極めることがデザイナーとしての義務でもあります。これは仕事を勧めやすくするだけでなく、より良い成果を出すためにも必要なことです。例えば、スタイルを全く触らずにデフォルトのままBootstrapでウェブサイトを作成したらどうなるでしょう。デザインプロセスは簡略化されても、なんの個性もないサイトになってしまいますよね。いくら優秀なツールを使っても、その機能をしっかり使いこなせなければ良いものはできないのです。ただ便利なだけでなく、自分の創造性を最大限に活かしてサポートしてくれるツールの使い方を知ることが重要です。
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オールインワンの反動
何でもできて、誰もが満足する万能ツール。その反動で、便利さの代わりにクオリティや品質を求め、「遠回り」で「大変な」やり方で物事を進める人が出てきても不思議ではありません。進化や発展はより良いもののためにありますが、果たして本当にそうなのか、時には立ち止まってよく見極めてみましょう。
※本記事は、The Trouble with Convenience in Web Designを翻訳・再構成したものです。