「数字」は各種広告はもちろんWebサイトやLPでも、表現として欠かせないものですね。
単純に「こちらの商品はたくさんの方から支持をいただいております」と言うよりも「全国で1,500万人の方が愛用されています」と言ったほうが訴求力が上がりますし、さらにもうちょっと工夫して「ニホン人の10人に1人以上が使ってる」とすれば、インパクトも出るんじゃないでしょうか。
単に既存フォントにて「1」と表現するのではなく「もっと訴求力を上げたい!」――そんな時にヒントを与えてくれるデザイン集『数字で伝える広告デザイン』が株式会社パイ インターナショナルより刊行されました。
ここでは同書からその一部をご紹介します。
クリエイティブな「数字」デザイン集
(左)Northport Mall[商業施設]ポスター/(右)アトレ吉祥寺[商業施設]ポスター
どちらも「花」で数字を造形した広告デザインですが、「〇周年」というコンセプトとすごく相性がいいです。
(左)日本アイ・ビー・エム[情報]新聞/(右)ダイビル[不動産]新聞
左のIBMの広告では、数字の「100」の「1」の部分がIBMのロゴの「I」をオマージュしていて面白いです。
(左)日本中央競馬会[スポーツ団体]ポスター/(右)公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)[食品メーカー]ポスター
右の「ヤマザキナビスコカップ」では、「20」の数字が錯視効果で立体的かつカラフルにデザインされていますが「激闘よ。20年目の聖杯を彩れ」のキャッチコピーとマッチしていて遊び心も感じさせます。
(左)横浜ポルタ[商業施設]ポスター/(右)イオンリテール[商業施設]ポスター
こちらは両方とも「日付」の数字表現です。右のバレンタインデーは日付と二人の男女のイラストを組み合わせていますが、これだけ見ても「バレンタイン」の表現として成立しそうです。
(左)水縞[文具メーカー]ポスター/(右)Gurafiku[サービス]ポスター
こちらも「日付」の数字デザイン。日付がうまくグラフィックに溶け込みつつ、かつ情報告知としても機能しています。それにしてもなんで靴下……?
(左)Expetrimental Film Society[イベント]ポスター/(右)Future Shorts[イベント]ポスター
左側の映画祭(?)のポスターでは、「0」がピンホールカメラのようにデザインされていておしゃれです。
(左)東京海上日動火災保険[保険]ポスター/(右)東京・春・音楽祭実行委員会[イベント]ポスター
左側は「ジュニアオリンピック」(水泳)のポスターだと思われますが、騙し絵のように「3」の数字で競泳選手2人がうまく描かれています。面白い表現ですね。
(左)東京ステーション開発[商業施設]ポスター/(右)長谷川家具[家具]チラシ
右側の大決算セールの「20-60%OFF」は、普通にデザインしてしまうとものすごくチープになりそうなところを、手書き風にすることでうまく回避していますね。
(左)キリンビバレッジ[飲料メーカー]ポスター/(右)サッポロビール[飲料メーカー]新聞
右のビールの広告ポスターでは「0」という数字が広告メッセージとして売りとなりそうですが、斜めに斜線を入れることで単にゼロなのではなく、糖質やプリン体を「カットしました」というメッセージも読み取れそうです。
桜美林大学[教育機関]新聞
最後に、桜美林大学のポスターではポスターの額面通り「数字が語って」います。インフォグラフィックなどでそのまま使えそうなので、ネタとしてストックしましょう。
まとめ
数字はその性質的にはっきりした意味を持っていますが、うまくデザインされた数字はさらにそこに意味内容をオンできることがわかります。
この他にも、『数字で伝える広告デザイン』ではさまざまな広告表現として優れた数字のデザインが集められています。
クリエイティブな数字デザインをしたい方、数字のデザインネタが乏しくなってきた方はぜひ本書を手にとってみてはいかがでしょうか。数字でアピールできるデザインはクライアントにもきっと喜ばれますよ!
書名:『数字で伝える広告デザイン』
http://pie.co.jp/search/detail.php?ID=4774
仕様:A5判正寸(210×148mm)/ソフトカバー/400 Pages(352 in Color)
定価 :本体3,900円+税
ISBN :978-4-7562-4774-2 C3070
発売日:2016年6月21日
発売元:パイ インターナショナル
※本稿は2017年5月17日に加筆・修正を行いました