スケッチブックはデザイナーのレシピ本
スケッチブックほど自分のアイデアや発想のプロセスを記録しておくのに最適の方法はありません。ですが多くの人がスケッチブックを自分の“下手な”絵で汚してしまうのが怖くて、あまり活用できていないのではと思います。
デザインコンテクストにおけるスケッチは、絵の上手い下手は関係ありません。よりクリティカルな考え方を身に着けたり、必要な時にクリエイティブな解決策をすぐに導き出したりするための、頭を鍛えるツールです。スケッチは何か問題に直面した時に参照するもので、描いたものすべてを使う必要はありませんし、描いたものをそのまま使わなければならないわけでもありません。下書きのつもりで使ってみましょう。
いいものは共有しよう
“秘伝のレシピ”の時代は終わって、今は自分の持っているものを周りと共有して自分のイメージアップを図るのが定石です。あなたがいわゆる“エキスパート”でなくても、知識を共有することで周りに価値を提供してくれる人として認識されます。
自分の描いたものに自信がない気持ちも分かります。ですがクライアントとしては、あなたの頭の中のイメージや発想のプロセスを知りたいですし、それを共有してくれる人と仕事がしたいと考えます。完璧で美しいスケッチでなくても、あなたの考えや価値観が表れたものをクライアントに見せてみてください。プロジェクトにどう貢献できそうなのかをクライアントが知る良い機会になりますし、完璧な作品よりもそうしたスケッチの方があなた自身の個性が伝わります。
テーマを持つ
スケッチやデザインの“レシピ”を共有するとき、スケッチのテーマを合わせて記録しておくと非常に便利です。どれが何のプロジェクトに役立ちそうかすぐ分かりますし、膨大な量のスケッチを全てクライアントに見せる必要はないので、効率よくなるのではないでしょうか。
定期的に見直しを
スケッチブックに絵やアイデアを書き留めていくと、必然的に膨大な量になっていきます。私のように何年分ものスケッチブックが手元にあれば、捨てることはなくても定期的に整理して保管する必要が出てきます。参照用フォルダも同じで、こまめにアップデートしながら使わない資料は破棄するようにしましょう。
※本記事はDesigners Don’t Keep Sketchbooks Nearly Often Enoughを翻訳・再構成したものです。