明るい色と多様な線形で80年代の美的価値観を代表するMemphisのデザインが、今再び注目されています。
Memphisデザインとは、1980年代イタリアのインテリアデザイナーであるメンフィスグループにルーツをもつ、圧倒的にモダンな印象をもつファンキーなデザインスタイルです。
好きであれ嫌いであれ、Memphisの明るいデザインパターンが面白いものであり、目を引くものでることは疑えません。
本記事では、今改めて注目を集めるMemphisデザインについて知っておくべきことをご紹介します。
Memphisデザインとは?
古典的な例としては、MTVのロゴやソロ「ジャズ」カップのデザインなどがあります。
Memphisへの回帰は、ランウェイ上やファッションショーといった、Web以外のデザインにおいて起こっています。あるいは特に、ポスターやパッケージデザインなどに、このスタイルは適しています。Memphisのスタイルは特に遠くから見た時に気を引くことができるのが特徴であるためです。
Memphisのスタイルにはいくつかの重要な特徴が含まれています。
・アクセントとなる明るい色で彩られたフラットなスタイル
・幾何学的な形状(ときに写真が使われたりも)
・ストロークや波線でアクセントがつけられレファレンスポイントが示される
・高度に視覚的なsans serifのタイプフェースが、しばしばブロックやバブルスタイルのフォントで使用される
色は明るく組み合わせは少ない
黄、緑がかった青、ライム、赤紫……。
Memphisのデザインで使用される色は明るいネオン系統の色がほとんどです。デザインに使われる色は明るくて幸せな気持ちを喚起する効果があります。
明るい色を使う傾向がある一方で、Memphisのデザインでは色の組み合わせは最小限に抑えられています。Memphisが得意とする幾何学的な形状と良く調和するからです。
形状は幾何学的
Memphisデザインでは、幾何学的な形状が用いられることが多いです。
描かれる図形には正方形、円、三角形などが盛り込まれており、エッジの効いたものから手書き風味のものまで、さまざまな外観を生みます。
この手法を導入すれば、既存のデザインスタイルに80年代のセンスを盛り込むことが可能です。
ストロークや波線のアニメーション
Memphisのデザインを語るとき、ストロークや波線の要素は欠かせません。ほぼすべてのデザインにおいて、ストロークやラインを用いて埋め尽くすような手法をとっています。
この手法自体は昔ながらのものですが、これを古く見せないためにはアニメーションが必須です。
下の画像にはCartoon NetworkとRiccardo Zanuttaのウェブサイトが載せてありまsが、どちらにも目を引く動きが導入されています。
(※クリックするとリンク先に飛びます。ご注意ください。)
このように細かいアニメーションがデザインをフラットすぎるように見えたり古くさく見えたりするのを防いでくれるのです。
他のデザイン要素を真似たタイポグラフィ
Memphisのデザインで最も面白いもののひとつとしてタイポグラフィが挙げられます。このスタイルを用いれば、今まで想像もつかなかったようなデザイン案が思いつくかもしれません。
Memphisのタイポグラフィは他のデザイン要素を真似るほうがよいでしょう。どんなものであれ、文字形のタイプフェースは幾何学的な外観のもののほうが適切ですし、他の要素と同じような形やサイズの線幅のスタイルがベターです。
また、色使いに関して控えめであってはいけません。落ち着いた背景に対してギャップの激しい明るい色を使うなど、通常はなかなか考えにくいようなカラーレタリングを使っていきたいところです。
デザインをメッセージやトーンに調和するよう用いる
変わったデザインスタイルを求めるのであれば、Memphisはチョイスとして相応しいものです。
デザインスキルを伸ばすだけでなく、普通のデザインパレットにはない線形を扱ううえで、役に立つことでしょう。
なお、Memphisのデザインは見る人の感情を強く揺さぶるため、派手とか俗っぽいなどと言われることがあることを知っておくことも大切です。
プロジェクトを開始する前に、そのプロジェクトで伝えたいメッセージやトーンがMemphisのデザインとうまく調和するかどうか、気を配る必要があります。
(※この記事は、Designing With an 80s Trend: Memphis Design 101を翻訳・再編集したものです。)