スマホによる技術革命が一段落し、次にやってくるのはIoT、モノのインターネットだと言われています。事実、家電や車、電車、服、医療機器などあらゆるものがインターネットに接続され始めています。
製品を開発する企業も、新たなアイデアや体験を模索し、生活をより快適にしようとしています。そんなIoTにおいて快適で、楽しくなるような体験を作り出すには、どういったことに気をつければ良いのでしょうか?
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1.進化する操作方法に準備する
タッチパネルがピンチやスワイプをもたらしたように、IoTシステムにおける新しい操作方法が模索されています。たとえばGoogleはプロジェクトSoliにおいて、ごく僅かな指の動きやジェスチャーも検知できるセンサーを開発中です。
デザイナーはこうした全く新しい操作が登場するであろうことを見越して準備しておきましょう。またここで紹介した指の動きだけでなく、声や心を使った操作も一般的になるでしょう。そういった流れに乗り遅れないようにしなくてはなりません。
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2.統一された体験を作る
IoTでは、ユーザーが小さなUIからUIに渡り歩くようになります。朝、スマートミラーのUIから始まり、スマートウォッチに移り、タクシーではスマホを操作し、仕事ではデスクトップを見るという具合です。そうした移り変わりの中でも統一されつながりを感じるUIを作ることができれば、体験はもっと快適になるでしょう。
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3.文脈を取り入れる
コンテンツのパーソナライゼーションが普及していますが、その更に一段上、文脈を理解することが必要になります。文脈を取り入れることでより意味と価値のある体験を作り出すことができます。文脈と最適な動作は頻繁に変化し、時にはユーザーの操作を受け入れ、別の時には役立つ情報を通知するだけに留めるのがいいこともあります。そうした環境、時間、目的を読み取ることのできる体験をデザインしてください。
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4.状況を予知し体験をもたらす
IoTは状況を予知し、それに適応することができます。ユーザーの入力なしに出力を作り出すことができるのです。AIや機械学習、センサー、VRなどと組み合わせることで魔法のような体験を作り出せるでしょう。アップルが拡張現実(AR)に投資しているのもそうした理由からです。ユーザーの趣向を学習し、自動的に最適なコンテンツを提供する技術が求められているのです。
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5.何よりも、役立つものを作ること
IoTの力で、以前には想像すらできなかったことが現実になろうとしています。そうしたものを眺めるだけでも楽しいですが、役に立たないものを好んで使う人はいないでしょう。何よりも、ユーザーの生活を向上させること、ユーザーの役に立つことを考えてください。合わせるべきなのは技術ではなく、人です。それを忘れないでください。
※本記事は、How to Design Delightful Experiences for the Internet of Thingsを翻訳・再構成したものです。