優れたUXを作ることは、美しいインターフェースを作ることだと信じている人々が多くいます。これは一見正解のようで、全く違います。UXとは美しい絵画を描くことではありません。
優れたUXを作るには、まず戦略の段階から始めなければなりません。
ビジネスモデルを構築し、調査を行い、サービスがユーザーにどうフィットするのかを見極める必要があります。
UX構築のプロセスには6つの段階がありますが、今回はそのうちの3つをご紹介します。
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1.調査と分析
まずは製品のコンテクストや市場について知ることが重要です。企業の戦略はブランドやビジョン、組織について知らず知らずのうちにユーザーに伝えることになります。ここで考慮しておきたいのは次の3点です。
- ・企業として達成したいこと
- ・成績の計測方法
- ・優先されるべきものの決定
この段階においては、次のようなステップを踏むのが一般的です。
- ・ブレインストーミング
- ・競合とベストプラクティスの調査
- ・内部・外部フォーカスグループの設置
- ・幅広い専門知識を持つチームの設置
製品のUXに対するビジョンを設定する準備を行いましょう。
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2.デザインと制作
第一段階で集めた情報をもとに実際に製品を制作していきます。ここで制作したものがこの先何年も使われることになるため、非常に重要なステップとなります。
ここではモックアップの制作、アイデアの取り込み、フィードバックの収集と反映を繰り返し行います。UX構築のためには次のステップを踏むことになります。
- ・ワイヤフレームやプロトタイプの制作
- ・ユーザビリティ測定の設定
- ・ダイアグラムやエクスペリエンスマップの処理
- ・フレームワークの制作
- ・アルファ版、ベータ版の制作
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3.ベータ版の立ち上げと評価
製品が実際にどのように使われるのかを測定します。ユーザビリティ試験においてあなたのデザインに問題がないかを確かめていきます。ここで重要なのはタイミングです。テスト参加者が抱く問題だけでなく、発生しそうな問題にも目を向けておいてください。その際、以下のことを覚えておくといいでしょう。
- ・初めてで完璧にできる人はいません。
- ・問題の発見が失敗につながるわけではありません。
- ・ユーザーは常に、製作者の想定しない行動を取ります。
この段階ではUX構築のために以下のようなことを行います。
- ・A/Bテスト
- ・カスタムテスト
- ・利用ログの収集
- ・サポート対応の検討
このように、優れたUXを実現するには戦略設計の段階から深く製品に関わり、多彩な作業を行う必要があります。大変な仕事ですが、苦労した分だけいい製品が出来上がることでしょう。
※本稿は 「How to develop the Best User Experience Strategy」を翻訳・再編集したものです。