スマートフォンやタブレットにおけるUXというのはここ数年で大きく変化しています。
ぼおっとしていると置いていかれてしまう…
ということで、今回は2017年における5つの大きなトレンドをご紹介します!
1.会話型インターフェイス
今年のモバイルアプリは、会話型インターフェイスで持ちきりになりそうです。
最近のcomScoreの調査によると、平均的なユーザーは三つのアプリを頻繁に使っていて、そのうちの一つはメッセージアプリだそうです。
みんなチャットを楽しんでいるという事実を利用する一番の方法は、過去数年間では想像もしなかったような機能を提供することです。(例えば人がロボットと様々なトピックで会話できるLuka アプリのように)
人工知能搭載のチャットボットや音声起動のコミュニケーションプラットフォームは、スタンドアローンアプリと統合機能の両方において、今年もっと広がっていくと思われます。
このテクノロジーがもっと進み、より高度で洗練されていくにつれ、チャットや音声での会話型インターフェイスが2017年の最大のヒットとなることは予想できるでしょう。
2.UIデザインのパーソナライゼーション
人はみんな違います。視力の悪い人、色の認識ができない人、画面の明るさに敏感な人がいるように、アプリも個々人に対して動作すべきでしょう。
このUIデザインのパーソナライゼーションは新しいコンセプトではなく、「レスポンシブデザイン」として知られていますね。
ただし、ここで鍵となる違いがあります。
レスポンシブデザインはあらゆるデバイスのレイアウトに調整する一方で(例えば、同じウェブサイトが画面の大きさに調整されるように)、UIデザインのパーソナライゼーションはレイアウトを人へ調整するのです。
ユーザーが提供する情報によって、アプリはフォントの大きさや画面の明るさ、フラッシュ画像や音声を削除するかどうかを決定してくれます。
2017年には、よりユーザーにフォーカスしパーソナライズされたUIデザインのモバイルアプリが手に入りそうです。
3.ユーザー体験分析
モバイルアプリは十分に長い間使われてきたので、それが何で、どう作用し、何ができるのかを、誰でも理解できるようになりました。それを踏まえ、次の2つのことが言えるでしょう。
- ①今日、アプリはもはや若くてテクノロジーに精通したユーザーだけのものではない。誰もが使うもの。
- ②ユーザーはどんなアプリが良いアプリなのかが十分分かってきているので、より要求も高くなり、ベストなアプリを求めている。
このベストなアプリというのは、個人ユーザーの経験を細かく分析したり、特定の使用ケースから結論を導いて作ることができます。
また注目すべきなのは、人々はアプリを意図された方法で滅多に使っていないということです。
きちんとしたコミュニケーションなしでは、アプリを間違えて使用したり、葛藤したり、良くないユーザーエクスペリエンスが生じ、結果としてアプリストアでネガティブなコメントを残されてしまいます。
アプリでのユーザーエクスペリエンスの分析は、タッチヒートマップやユーザーセッションレコーディングなどの定性分析ツールを使ってできます。
これで大きな弱点を見つけ、バグを排除し、より直感的なインターフェイスを作ることができるのです。
4.VR / AR
会話型インターフェイスに加え、私たちがアプリをどう見て使うかを大きく変えようとしているのが、ARとVRのテクノロジーでしょう。
ARとVRはものすごい量の処理能力を必要とし、モバイルデバイスでもそれを提供できるまでになりました。
4Gは基本的に世界中で入手可能になり、AR向きのアプリに必要な5Gは、2018年の冬のオリンピックに間に合うまでに登場すると予想されています。
Xiaomi Mi 5やGalaxy S7 Edge、そしてGoogle PixelはVRに対応できるディスプレイを備え、すでに市場に出回っています。
VRとARは旅行業、建設、買い物、教育、コミュニケーション、エンターテイメントなど、ほぼどんな産業においても大きな可能性があります。
5.ナビゲーション
ユーザーに異なる選択肢を提供するというトレンドが少しずつ出てきています。
現在アプリに広がっている3つのナビゲーションの課題は、リニアナビゲーション、片手ナビゲーション(大きなスマートフォンでは片手で操作できないアプリがある)、そしてハンバーガーメニューです。
・リニアナビゲーション
リニアナビゲーションとは、全てのユーザーがアプリを同じように使い、ナビゲートできるということです。Uberが良い例で、1)ピックアップ位置をセットする、2)目的地をセットする、3)「リクエスト」ボタンを押す、4)ドライバーを評価する、となります。これからはユーザーがより自由にアプリ上を動かせられるような、新しくクリエイティブなナビゲーションが出てきます。
・片手ナビゲーション
最近のスマートフォンは画面のサイズが大きいため、片手では画面の端まで指が届きません。より小さいナビゲーションを搭載することが大きなトレンドになるでしょう。
・ハンバーガーメニュー
これはこれからも嫌われ続けるでしょう。実際に、悪いユーザーエンゲージメントと、低いディスカバラビリティの元凶だとも思われているのです。
この3つを合わせて分かること。それはパララックススクロール、ノンリニアナビゲーション、そしてハンバーガーメニューの終焉について今年はよく耳にするようになるということです。
新しいナビゲーションソリューションはユーザーエクスペリエンスを完璧に作り変える可能性があるのです。
ノンリニアのアプローチでは各ユーザーがアプリを独自のユニークな方法でアプローチするので、よりパーソナライズした体験ができることになります。
さらにハンバーガーメニューを除去することでディスカバラビリティを向上でき、つまり多くの役立つアプリ機能は隠れたままにはなりません。
そして、親指を使わずに操作できるナビゲーションも、多くのユーザーにとって使いやすくなるでしょう。
まとめ
モバイルデバイスはより良く、早く、強力になってきており、アプリもそれに従って進歩しています。
カスタムフィットしパーソナライズされたアプリのトレンドを目にするでしょう。そしてチャットボットやVR、人工知能などの最先端を行くテクノロジーも搭載されます。
今年はダイナミックな年になりそうです。
※本稿は「Mobile UX Trends For 2017」を翻訳・再編集したものです。