美容ブランドはここ数年の間に急激な成長を遂げていきました。昨年、業界は世界的にも2兆6,500億ドルの市場規模になる見積もられました。オンライン販売やライフスタイルの変化が美容業界にうなぎ上りの成長をもたらしました。このことは、誰もがみな見た目を良くしたいという時代の潮流も重要な役割を果たしました。ブランドの多様化により、新しいブランドが生まれやすくなり全体的な美容業界の成長を牽引する結果に繋がりました。さらにソーシャルメディアが自己表現を促し、そのようなテクノロジーに精通した若い世代の消費者に対して無限の可能性を開放することにより、ブランドの勢いをさらに押し上げているのです。マーケティングにおけるインフルエンサーの降臨より、より多くの人が美容商品を購入してプロの技を真似たり、インスタグラムやYouTubeにおいて”ビューティー グールー”と呼ばれるチュートリアル(レクチャー動画)をフォローしたりしています。
この成長は市場におけるポジションを手堅いものへと導きました。そして競争が業界を形作るすべての分野において技術革新をもたらしました。業界への需要は、あなたの母世代や祖母世代からの化粧品会社が、若い世代に好まれ、より人気のある新しい企業を取り込む結果にも繋がりました。美容産業の波は、昔からの常得意の支持を維持しながら新しい顧客を引きつけるため、どのように製品パッケージをデザインするかという点において革命をもたらしました。ソーシャルメディアの進歩により、一層マーケティングしやすくなったという見方もできますが、それは同時に全競合他社がソーシャルチャネルで熱狂的にマーケティングしていると、あるブランドはいとも簡単に消えてしまうことも意味します。鮮やかで革新的なパッケージングは注目の的となっています。このようなビジュアル産業に期待が高まるのは、少しサンプルを試したり長期間使用したりする前の段階で、見た目が製品の質の半分を示すとされていることとも繋がります。
優れたデザインの美容製品を生み出すためには、企業はパッケージデザインに着手する前に構成要素の並べ方について検討すべきです。パッケージングは、従来からの店舗での小売にもオンライン販売にも顧客を引き付けるよう設計する必要があるのです。パッケージデザインはそのブランドのスタイルに合わせて美しく目を引くものでなければなりません。例えば、ゴージャスなブランドは豊かな金やマーブルのデザイン、エッジの利いたブランドであれば黒と銀の太めの印字、甘くふんわりしたイメージのブランドは多くの色や人の動作を使用すべきであると言えます。ここからは、美容パッケージングにおける5つの要素を探求しながら、新芽ながら成長著しいこのデザインの世界で、私たちが学べることを確認していきましょう。
ブランドスタイル
美容会社におけるブランドスタイルとは、その会社の沿革を表し、業界での成長、そして彼らがその製品でどのように顧客を引き付けるかを全て表現できる最重要の要素です。ブランドスタイルは、ターゲット層の年齢、関心、美学についてを表すものである必要があります。しかし、多くのブランドはInstagramやインターネットでのあらゆるトレンドにも適応したいと考えます。例えば過去2年においては、エッジの利いたゴシック風ブランドや元気いっぱいの若者ブランド、さらには高級ブランドまでもがこぞってユニコーンモチーフや銀河をイメージしたホログラフィーのデザインを世に送り出してきました。しかし、これらのトレンドを表現する方法は、各ブランドのスタイルにより様々です。
消費者がブランドイメージや製品タイプを知るのはパッケージから得る最初の印象からです。スタイルは、パッケージデザインを構成する残りの要素の方向性を決め、全体的な設計目標、ブランドメッセージ、各ブランドの最新の位置づけと密接に連携するパッケージの意思決定を定義するものです。スタイルはパッケージ全体の成否を左右するほど重要なものです。
色
色は、化粧品ブランドにとって第二に主要といえる要素です。色はブランドの打ち立てる個性やパッケージのスタイルに適していなければなりません。色におけるあらゆる選択肢はブランドに統一されるべきですが、顧客の注目を引き、かつ、できるだけ他の化粧品ブランドを凌駕する魅力を備えたものでもあるべきです。色のイメージは人によって受け取り方が様々です。美容ブランドのパッケージデザインでは、顧客の好みに沿った色を選択することが重要です。唇やアイシャドウなど製品自体の色合いは最終的にはより重要になりますが、パッケージの色はその色のニュアンスも語るものなのです。
魅力的かつ競技他社にはない色を選択することは常に賢明といえます。数年前、ほとんどすべての化粧品のパッケージは黒かピンクが基調でしたが、今では緑や茶色、灰色などあらゆる種類の色合いがショーケースに並んでいます。最新の製品は常に同じカラーパレットで表現するブランドもあれば、すべてのラインナップに対して新しいパッケージカラーを選択するブランドもあります。
印字フォント
色を設定した後、次の要素は印字フォントです。顧客がそのブランドをショーケースから選び取るかどうか重要な役割を果たします。かつては、すべての美容関連のフォントは古典的で女性を連想するようなスタイルのフォントから選択しましたが、今は遊び心が溢れています。陽気なスタイルやぼんやりとしたもの、少し怖いイメージやミステリアスなフォントなど様々なフォントが選択されていますが、そのブランドのスタイルやバックグラウンドにマッチしていれば問題ないのです。
美容ブランドの素晴らしいブランドパッケージのフォントは、バイヤーにも速やかに認知されるようなユニークなものが望ましいです。ブランドをそれと特定させるにはフォントそのものもブランド化する必要があります。たとえ製品ラインナップの中で異なるフォントを使用する製品があったとしても、全体としてはそのブランドスタイルに一致する必要があります。そして、フォントは表現豊かで芸術的なものであるとともに、明瞭で読みやすいフォントであることが重要といえます。
シルエット
モダンな美容製品の包装ブランドは、製品の形をこれまで以上に重視しています。この要素は、消費者が店内で買い物をしているときにパッケージを選び取りその後の意思決定に影響を及ぼすものですが、すべてが大変視覚に訴えるものであるため、オンライン購入者でさえ洒落ていて好奇心をくすぐるシルエットにより購買意欲を掻き立てられるものです。これまで以上に、化粧品バイヤーは自らのデジタルコンテンツでもこれら製品を取り扱っているので、パッケージのシルエットが面白くなればなるほど、見た目だけでも選び取られやすくなります。中には人気のブランドを連想するような六角形のパッケージや、かわいいブランドを連想する気泡のようなシルエットを開発してきたブランドもあります。シルエットは親しみを作り出します。
美容製品のパッケージングデザインは、顧客のニーズと特性に合わせて革命を起こしてきました。素晴らしい形のパッケージは、その美容製品を顧客にとって魅力的に映し、使ってみやすくします。美容製品のクリエイティブなパッケージ形状の設計は、ブランドオーナーにとっても消費者にとっても勝利を意味します。
サイズ
美容ブランドのパッケージサイズは、顧客のニーズと特性に適合している必要があります。美容ブランドのモダンなパッケージデザインは、持ち運びのしやすさに配慮する必要があります。顧客は旅行に携帯しやすい製品を好みますが、5×7サイズのパレットアイシャドーも購入します。それは製品を購入する時点の消費者の動機に依存するため、サイズの変更ができることが好まれるポイントといえます。パッケージのサイズは、美容製品の種類によって異なります。しかし、顧客を引きつつ携帯に便利なサイズは同時にユニークで美しいものである必要があります。
結局のところ、これらの5つの要素は、あらゆる製品のパッケージングや二次元のプロジェクトにおいてさえ考慮する必要があるポイントといえます。ブランドとスタイリングは重要事項です。色とフォントも大切です。シルエットとサイズも大事です。これらすべての要素を調和させることができれば、デザインはキラリと研ぎ澄まされます。