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映画ポスターのデザインにおける13のポイントをご紹介

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本記事は、An Ultimate Guide to Movie Poster Design
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約5分19秒

ポスターは、製品の宣伝・マーケティングにおいて重要なツールの一つです。以前は、ポスターといえば映画と限定されていましたが、衣料品ブランド、ジュエリー製品、さらには地元企業まで、今では多くのフィールドでポスターは使われています。しかし、どのフィールドと比較しても、映画におけるポスターの効果が一番顕著だと感じ取ることができます。

 

映画ポスターが宣伝・マーケティング効果を発揮するのは、創造的なデザインでメッセージを伝えることができるからです。では、映画ポスターをデザインするときのガイドラインとして役立つ「注意すべき13のポイント」をご紹介します。

1.映画の全体像を把握

映画ポスターのデザインプロセスの第一段階は、まず製品である映画を理解することです。映画作成チームとうまくコミュニケーションをとり、映画の全体像、核心部分、独自の要素について理解しなければいけません。コミュニケーションをとることで、映画の全体像を把握し、より多くのツールやフォーマットを試すことができるでしょう。

 

そして、次に明確にしなければならないものは、映画の視聴者(ターゲット)です。物語ものの映画は子供をターゲットにしているように見えても、大人がターゲットとなっている映画もあります。映画について明確に理解してから、ポスターをデザインしなければいけません。

 

2.予算の決定

映画のポスター作成にはコストがかかります。また、認知度をより高めるためには、複数の場所にポスターを貼らなければいけません。予算を考慮して、あらゆる点で取捨選択をしなければいけないのです。

 

印刷枚数に応じて、使用する素材とインクも変わります。予算を設定する際は、全体の予算を印刷枚数で割り、枚数単価の予算を算出しましょう。

 

3.視覚化を考慮したビジュアルの決定

デザイナーが一番頭を抱えるプロセスです。ポスターはPC画面よりも遥かに大きなサイズで掲示されます。画面に表示されるサイズとプロポーションではなく、視覚化・実物化したデザインを考慮しなければいけません。

 

サイズの思案後は、キャストなどの映画に関する情報(テキスト)を設定しましょう。ただし、メインの見出しは常に遠くからでも見やすくしなければいけません。

 

映画ポスターはあくまでも掲示用です。歩いている人の場合、ポスターが目に入った一瞬が重要です。その一瞬で、メッセージを魅力的に伝えることで、映画への関心を引き付けることに成功します。Appleのポスター(上画像)の、iPodを持っている大きなシルエットが良い例の一つです。大きなテキスト配置や、大々的なグラフィック、他とは一線を画すデザインなどがキーとなります。

4.コンテキストの設計

映画のポスターデザインにおいて、ポスターの掲示場所の環境は非常に重要です。掲示される場所が白い壁の場合、ポスターを際立たせるためには、対照的な色を使用する必要があります。コンテキスト設計では、ポスターを背景と区別することが重要です。

 

5.ターゲットの特定

デザインは主観的なプロセスです。デザイナーによって認識は異なります。しかし、映画のポスターをデザインする場合、個人的な偏見を避け、映画のターゲットの特性や好みに近づけなければいけません。

 

良い例の一つがライオンキングです。テキストではなく、2頭のライオンが描かれていることによって、原作へのノスタルジアを再現しています。

 

6. カラーとタイポグラフィ

デザイナーは、制作において、選択の自由を得られますが、戦略的に選択しなければいけません。大きな分岐点となるものがカラーとタイポグラフィです。

 

視覚的に非常に大きな影響力を及ぼすものが「カラー」です。カラーは必ず慎重に選択しましょう。黄色が暖かさや快適を、緑色が信頼性や真実性を象徴するように、どのカラーもそれぞれの特徴を持っています。

 

続いてご紹介する重要なデザイン要素が「タイポグラフィ」です。タイポグラフィは、フォントや配列によって、映画のジャンルやストーリーを伝えることができます。つまり、もし映画に適していないタイポグラフィを選択すると、ターゲットに偏見を与え、映画の実際のストーリーに誤解を生む可能性もあるのです。

 

7.ブランドのリンク効果

映画は、映画そのものがブランドになります。特に続編のある映画にとって重要となるものがリンク効果です。映画には、プロップや登場人物、あるワンシーンなど、映画全体を象徴する要素が常に一つはあります。そういった要素を使って、映画を連想(リンク)させる効果がなければ、人々の記憶からその映画は消えてしまうでしょう。

 

このリンク効果の良い例が、スターウォーズです。フランチャイズ全体で作られるポスターそれぞれのデザインは異なりますが、全てのポスターで、映画の重要なプロップであるライトセーバーを使用しています。また、同じ要素だけでなく、書体も統一しているので、相乗効果により、リンク効果はより強いものになります。

 

8. スペースの最適化

デザイナーがポスターをデザインするときは、PC画面上での視覚に従い、拡大縮小し、配置します。映画のポスターは、遠くから見られることを想定し、アイコン・テキスト・イラスト・画像などの間には余裕をもってスペースを確保すると良いでしょう。

 

画面上でポスターをデザインしているときは、この余分なスペースが不自然に見えるかもしれません。なので、常に全体的なデザインを遠い視点で見る必要があります。スペースの最適化によって、ポスターはより魅力的なものになります。

 

9.短くてシンプルなデザインスタイル

短くてシンプルなデザインが一般的に高く評価されます。長いテキストで複雑なデザインのポスターだと、移動中の人々には(映画の)メッセージを何も伝えることができないからです。

 

映画の宣伝という目的のポスターなのに、メッセージを伝えることができないと本末転倒です。一般的に、デザイナーは繊細な要素を使用する傾向がありますが、それでは細かなデザインに圧倒され、重要なメッセージを伝えきることができません。映画ポスターでは、最小限かつシンプルなデザイン要素によって、映画のメッセージがより伝わりやすくなります。

10.サポートテキストの重要性

映画ポスターは、映画を象徴する画像やイラストなど、最小限のアプローチで映画の内容を表すことができます。ただし、すべての映画に特定のプロットがあるわけではありません。映画によって、潜在的な意味を伝えるために、サポートテキストのような特別なものが必要です。

 

良い例が、映画「Get Out」です。タイトルだけで、大まかな映画の雰囲気を掴めるかもしれませんが、人々の関心を引くには、十分ではありません。そのため、映画タイトルの上に「JUST BECAUSE YOU’RE INVITED(日本版ポスター:何かがおかしい)」というサポートテキストが組み込まれています。このサポートテキストによって、ストーリー展開を示唆することができます。

11.最適なデザインツール

映画のポスターをデザインするにあたっては、使用するツールも重要となります。ニーズに合った適切なソフトウェアを選択しなければいけません。オンラインツールを使用すると、すぐに映画のポスターを作成することができますが、柔軟性に欠けることがよくあります。また、多くのデザイナーが同じテンプレートを使用している可能性があるため、個性があるポスターの作成も難しいです。もしそれでも良いのなら、デザインの時間とコストを節約できるようなツールを使用しても良いでしょう。

 

しかし、柔軟性や個性を求めている場合、大きなプロジェクトの場合は、プロのソフトウェアを使用する必要があります。このようなソフトウェアには、高度なスキルが求められますが、創造の自由と選択肢を手に入れることができるため、投資する価値はあります。

12.従来の傾向を把握した上での創造的な自由

デザインにおいて、正しいも誤りもありませんが、不適切なものはあります。映画ポスターを作成するには、常に新しい要素や新しいテクニックは必要ですが、映画ポスターのデザインには従来の傾向を把握することも重要なのです。

 

この従来の傾向を無視すると、小説のポスターなのか?というように、「映画」のポスターということさえ認識されない可能性もあります。そのため、映画ポスターの従来の傾向を知ることは重要となるのです。

 

13.ジャンルにコミットする

映画ポスターがターゲットに伝えなければいけない要素は「ジャンル」です。ポスターは、映画が属するジャンルにコミットする必要があります。このコミットがなければ、混乱・誤解を招き、映画の評価が下落してしまう可能性があるからです。

 

例えば、コメディ映画を見たいとき、ホラー映画をあえて見るということはないですよね。その逆も然りです。しかし、ホラー映画なのに、ポスターがコメディ映画のような面白みのあるポスターの場合どうでしょうか。コメディ映画だと思って、その映画(ホラー映画)を見るかもしれません。コメディ映画だと思ってみた映画が、ホラー映画だったら、観客の失望と不信につながり、映画のレビューは最悪なものになるでしょう。

 

以上、映画のポスターをデザインする際に留意すべき13の重要なポイントをご紹介しました。映画のポスターをデザインしたいという時に、ガイドラインとしてぜひご参照ください。

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